歯科業界の医療DX推進のDeltan、5億円を資金調達
ニュース歯科医療業界のデジタル化を支援するDeltan株式会社は、グローバル・ブレイン株式会社等を引受先とした第三者割当増資により、約5億円の資金調達を実施したと発表しました。この資金は、採用強化と組織体制の拡充、そして製品開発・販売の推進に活用される予定です。
歯科業界の医療DXを推進する「DELTAN ORDER」
Deltanは、デジタル化が遅れている歯科医療業界に特化したDXソリューションを提供するスタートアップ企業です。同社の主力サービス「DELTAN ORDER」は、歯科技工指示書の作成と受発注をデジタル化し、クラウド上で一元管理できるプラットフォームです。2023年4月にβ版、2024年3月に正式版をリリースしています。
従来、歯科技工指示は紙ベースで行われ、歯型やX線写真などのデータも物理的にやり取りされることが一般的でした。DELTAN ORDERはこれらのプロセスをデジタル化することで、業務効率化、コミュニケーションの円滑化、そして医療ミスのリスク軽減に貢献します。
具体的には、歯科技工指示書、スキャンデータ、口腔内写真、CT画像など、様々なデータをクラウド上で一元管理することが可能になります。これにより、歯科技工所は各機器メーカーごとに異なるクラウドサービスを利用する必要がなくなり、DELTAN ORDER上で全てのデータにアクセスできるようになります。これは、歯科技工所にとって大幅な業務効率化につながるだけでなく、歯科医師との連携強化にも役立ちます。
診療報酬改訂が後押しする医療DX
歯科医療業界では、2024年6月の診療報酬改定でデジタル技術活用に関する項目が拡充され、デジタル化への機運が高まっています。Deltanはこの流れを捉え、DELTAN ORDERの提供を通じて業界のDXを加速させています。実際に、同サービスはリリース後1年で1,500%以上の成長を遂げており、市場からの高いニーズが伺えます。
今回の資金調達により、Deltanは更なる組織拡大と製品開発を目指します。代表取締役の井上佳洋氏は、「歯科医療DXはまだ始まったばかりであり、グローバルで展開余地のある数少ない領域」と述べ、今後の成長に自信を見せています。歯科医療の未来を見据え、テクノロジーの力でより良い医療体験を提供しようと挑戦を続けるDeltanの今後に注目が集まります。