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ペーパーレス化×法令対応を実現。電子請求書システムの選び方とおすすめ3選

まとめ
DX Stock編集部DX Stock編集部
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毎月発生する請求書の発行や送付業務は、多くの手間と時間を要するだけでなく、人的ミスが発生しやすい業務です。加えて、近年の法改正やインボイス制度により、企業には正確かつ効率的な請求業務が求められています。

こうした背景から、請求業務を効率化しつつ、法令対応を確実に行う手段として電子請求書システムの導入が進んでいます。しかし、数多くの電子請求書システムがあるため、「どのシステムが自社に最適なのか?」と悩む企業も少なくありません。

そこで本記事では、電子請求書システムの選び方とおすすめのサービスを3つご紹介します。

電子請求書システムとは?

電子請求書システムとは、請求書の作成、送付、受領、保存といった一連の請求業務をデジタル化できるツールです。紙の請求書に代わり、PDFや電子データを活用することで、業務効率化、コスト削減、ペーパーレス化を実現します。主な機能には以下があります。

・請求書の作成・送付
テンプレートを利用して請求書を迅速に作成し、メールやシステムを通じて取引先に送付できます。手作業による業務負担が軽減されます。

・請求書の受領と承認
取引先から受け取った請求書の確認や承認作業をシステム上で完結できます。フローが一元化されることで、承認プロセスがスムーズになります。

・データの一元管理
請求書データをクラウド上に保存し、必要な時に迅速に検索・閲覧できます。社内での情報共有が容易になり、業務効率が向上します。

・リモート対応
クラウド型のシステムは、インターネットを通じてアクセスできるため、パソコンやスマートフォンから利用可能です。クラウド型は法令の改正に柔軟に対応できる点もメリットです。

なぜ今、電子請求書システムが必要なのか?

電子請求書システムの導入が進む背景には、以下のような理由があります。

法改正への対応

2023年10月に施行されたインボイス制度や電子帳簿保存法の改正により、請求書の適切な記録と管理が求められています。電子請求書システムは、登録番号や税率ごとの記載要件を満たしながら、法令に対応した保存や処理を効率化します。

業務効率化とコスト削減

紙の請求書に必要だった印刷や郵送の手間がなくなり、請求業務全体をオンラインで一元化できます。事務作業の効率化が実現し、印刷・郵送にかかるコストの削減が可能になります。

ペーパーレス化でSDGsに貢献

紙の使用削減は、環境負荷を軽減し、SDGs(持続可能な開発目標)に取り組む一環としても評価されています。電子請求書システムを導入することで、企業の社会的責任を果たすことにもつながります。

リモートワークへの対応

リモートワークが普及する中、インターネット環境があればどこからでも請求書の作成、送付、受取が可能な電子請求書システムは、柔軟な働き方を支えるツールとしても注目されています。

電子請求書システムを選ぶポイント5つ

電子請求書システムはさまざまなメーカーが提供しています。導入後に「思っていた機能がなかった」「使いこなせない」と後悔しないためにも、システム選びは慎重に行う必要があります。選定時には以下のポイントを考慮しましょう。

1. 使いやすさ

電子請求書システムは、経理担当者だけでなく営業担当や取引先も利用する可能性があります。そのため、誰でも簡単に操作できる直感的なインターフェースであることが重要です。デモや無料トライアルを活用して、初めて使う人でも迷わない設計であるかを確認しましょう。

また、操作マニュアルやヘルプ機能が充実しているシステムであれば、社内トレーニングの負担を軽減できます。リモート対応に備えて、スマホやタブレットなど、複数のデバイスで利用できるかも重要なポイントです。

2. 法令対応

電子請求書システムを選ぶ際には、法令への対応状況を必ず確認しましょう。特に電子帳簿保存法への対応では、請求書の改ざんを防ぐためのタイムスタンプや、税務調査時に必要な情報を迅速に見つけられる検索機能が必要です。また、インボイス制度に対応した適格請求書の発行も重要になるでしょう。

最新の法改正に迅速に対応できる体制が整っているか、税理士や会計士など専門家の監修を受けたシステムであるかも確認できると安心です。

3. コストパフォーマンス

導入費用や月額費用はもちろん、運用コストも含めて総合的に検討することが大切です。例えば、利用ユーザー数に応じたプランや、機能制限のあるプラン、オプション機能の料金など、自社の利用状況に合った料金プランが用意されているかを確認しましょう。

無料トライアルで試せる機能範囲などを確認した上で、実際の使い勝手や費用対効果を検証することをおすすめします。オプション機能やデータ容量の追加費用など、詳細なコストが明確に提示されているかどうかも選定時の重要なポイントです。

4. 連携機能

電子請求書システムを効果的に活用するためには、他の業務システムとスムーズに連携できるかが鍵となります。例えば、主要な会計ソフトやERP(統合基幹業務システム)との連携が可能なシステムを選ぶことで、データ入力の手間を削減できます。

また、API連携に対応しているか、データ連携をスムーズに行えるかも重要です。既存システムとの互換性があるかどうかを事前に確認しておきましょう。

5. サポート体制

システムの導入時だけでなく、運用中にもサポートを受けられるかは重要な選定基準です。特に、導入初期のトラブルは迅速なサポートが必要です。電話・メール・チャットなど、複数の問い合わせ窓口が用意されていることや、サポートの時間が適切であるかを確認しましょう。

また、FAQやオンラインヘルプが充実しているシステムであれば、問題解決のスピードがさらに向上します。サポート担当者の専門性や対応の質も確認すると、より安心してシステムを利用できます。

おすすめの電子請求書システム3選

BtoBプラットフォーム請求書

BtoBプラットフォーム請求書」は、請求書の発行と受取の両方に対応したクラウド型サービスでです。AI-OCR技術を活用することで、紙やPDF形式の請求書を電子データ化できるオプションを提供しており、さまざまな形式の請求書を電子化して一元管理できます。

主要な会計システムや販売管理システムと連携可能で、請求データの一括処理もスムーズに行えます。また、学習機能を活用し、受け取った請求書を部門や勘定科目ごとに自動仕訳して効率的に管理します。

インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応しており、請求データをシステムに取り込むだけで、インボイスの記載要件を意識することなく発行・受取が可能です。

こんな企業におすすめ

  • 多数の取引先を抱え、請求書の形式が多岐にわたる企業
  • 請求業務を根本的に見直したい企業
  • 請求業務の効率化を徹底的に進めたい企業
  • インボイス制度に確実に対応したい企業

料金

  • 初期費用:100,000円~
  • 月額費用:23,000円~


楽楽明細

楽楽明細」は、納品書や支払明細、領収書など、さまざまな帳票を電子化できるクラウドサービスです。CSVやPDFデータを取り込むだけで帳票を自動作成し、発行や送信を自動化します。受取側はWeb上でいつでも帳票を閲覧・ダウンロードできます。

主要な会計システムや人事システムとの連携が可能で、多様な業務フローに柔軟に対応。また、帳票以外の書類もまとめて送付できる一括同封機能などのオプションも豊富です。

導入から運用まで手厚いサポートが提供されており、初めて電子化を行う企業でも安心して利用できます。シンプルで直感的なUIが好評で、中小企業から大企業まで幅広い企業に採用されています。

こんな企業におすすめ

  • 手軽に電子請求書を導入したい中小企業
  • 請求書のフォーマットを自由にカスタマイズしたい企業
  • 複数の方法で請求書を送付したい企業
  • 柔軟な連携機能が欲しい企業

料金

  • 初期費用:100,000円~
  • 月額費用:25,000円~

マネーフォワード クラウド請求書

マネーフォワード クラウド請求書」は、請求書の作成・送付・受取をまとめて管理できるクラウド型の請求書作成ソフトです。請求書のほか、見積書、納品書、領収書なども、あらかじめ用意されたテンプレートを利用することで簡単に作成できます。

作成した請求書やデジタルインボイスの送付はワンクリックで完了。請求漏れや回収漏れを防ぐ細かいステータス設定が可能です。さらに、定期的な請求書の自動発行機能があり、取引先や品目のマスタ管理によって月次作業を大幅に削減できます。

マネーフォワードの他のサービス(会計、経費精算、給与計算など)と連携することで、業務全体の効率化を図れます。企業の規模やニーズに合わせたリーズナブルなプランが用意されているのも特徴です。

こんな企業におすすめ

  • 小規模事業者やスタートアップ企業
  • 会計ソフト「マネーフォワード クラウド会計」を利用している企業
  • 経理業務全般を効率化したい企業
  • 初めて電子請求書システムを導入する企業

料金

  • 初期費用:無料
  • 月額費用:

    「スモールビジネス」月額プラン:3,980円、年額プラン:35,760円

    「ビジネス」月額プラン:5,980円、年額プラン:59,760円

まとめ

電子請求書システムは、請求書の作成・送付・管理をオンラインで一元化できるため、印刷や郵送の手間やコストを削減し、事務処理の効率化に貢献します。

「BtoBプラットフォーム請求書」「楽楽明細」「マネーフォワード クラウド請求書」のいずれも優れた機能を持っていますが、企業の規模や業務フローに応じて適切なサービスを選ぶことが大切です。

導入前にデモや無料トライアルで使い勝手を試してから、自社のニーズに合ったシステムを選び、業務効率化と法令遵守を実現しましょう。

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