UXとは?UIとの違いやポイント【DX用語辞典】
DX用語辞典DX Stock編集部
UXとは、「ユーザーエクスペリエンス(User Experience)」の略で、ユーザーがある製品やサービスを利用する際に得られる、すべての体験を指します。ウェブサイトの使いやすさ、アプリの操作感、カスタマーサポートの対応など、あらゆる接点がUXに含まれます。ユーザーにとって心地よく、満足度の高い体験を提供することが、UXデザインの目的です。
UIとの違い
UXと混同されやすい言葉に「UI(ユーザーインターフェース)」があります。UIは、ユーザーと製品やサービスが接する部分、つまり「見た目」や「操作感」を指します。例えば、ウェブサイトのボタンの配置や、アプリの画面デザインなどがUIです。UIはUXの一部であり、良いUXを実現するためには、優れたUIデザインが不可欠です。しかし、UIだけを改善しても、必ずしもUXが向上するとは限りません。ユーザーのニーズを理解し、全体的な体験を設計することが重要です。例えるなら、レストランで美味しい料理(UI)が出てきても、店員の態度が悪かったり、店内の雰囲気が悪ければ、全体の食事体験(UX)は悪くなってしまいます。
UXデザインの3つのポイント
UXデザインにおいて重要なのは、以下の3点です。
- ユーザー理解: ターゲットユーザーは誰か、どんな目的でサービスを利用するのか、どんな課題を抱えているのかを深く理解することが重要です。ユーザーインタビューやアンケート調査などを通じて、ユーザーのニーズを把握しましょう。
- プロトタイピング: サービスの設計段階で、実際に動く試作品(プロトタイプ)を作成し、ユーザーに試用してもらうことで、使い勝手や問題点を早期に発見できます。修正を繰り返すことで、より良いUXを実現できます。
- テスト: プロトタイプを作成したら、ユーザーテストを実施し、実際の使用感やフィードバックを集めましょう。テスト結果を分析し、改善点を洗い出すことで、UXの質を高めることができます。
UX向上でビジネスはどう変わる?
UX向上は、ビジネスに様々なメリットをもたらします。
- 事例1:ECサイトの離脱率減少: 複雑な購入手続きを簡素化し、スムーズな購買体験を提供することで、ECサイトの離脱率を大幅に減少させた事例があります。これにより、売上増加に繋がりました。
- 事例2:アプリの利用率向上: ユーザーの行動を分析し、UIを改善することで、アプリの利用率が向上した事例があります。ユーザーが迷わず操作できる直感的なデザインは、利用頻度の向上に貢献します。
- 事例3:カスタマーサポートの効率化: FAQページを充実させ、ユーザーが自分で問題を解決できるようにすることで、カスタマーサポートへの問い合わせ件数を減らし、対応コストを削減した事例があります。
今すぐできるUX改善のヒント
- ユーザーに質問する: 顧客や社内の関係者などに、サービスの使い勝手について率直な意見を聞いてみましょう。
- アクセス解析ツールを活用する: ウェブサイトやアプリのアクセス状況を分析し、ユーザーの行動パターンを把握することで、改善点を発見できます。
- 競合サービスを分析する: 競合サービスの良い点・悪い点を分析することで、自社サービスのUX改善のヒントを得ることができます。
UXデザインは、顧客満足度を高め、ビジネスの成功に不可欠な要素です。ユーザー中心の考え方を持ち、常にUX向上に努めることで、持続的な成長を実現できるでしょう。小さな改善でも、大きな成果に繋がる可能性があります。今日から、UX改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。