DX推進企業の9割以上が従業員満足度が高い？ ― PCA調べ

ピー・シー・エー株式会社が実施した調査によると、DX推進の有無が従業員満足度に大きな影響を与えている可能性があることが明らかになりました。DX推進を実感している企業の従業員は、そうでない企業の従業員と比べ、仕事への情熱、将来展望、職場環境、報酬など、多岐にわたる項目で高い満足度を示しています。

この調査は、自社のDX推進を実感している会社員100名と実感できていない会社員100名、計200名を対象にインターネットで行われました（調査期間：2024年9月26日～27日）。

DX推進がもたらす従業員満足度の向上

調査結果の中でも特に顕著な差が見られたのは、「現在の仕事に情熱を持ち満足しているか」という質問です。DX推進企業では92.0%が肯定的な回答をしたのに対し、非推進企業では49.0%にとどまり、43ポイントもの開きがありました。

また、企業の将来性についても大きな差が見られました。「会社の目標やビジョンに共感し、長く働きたいか」という質問に対し、DX推進企業では94.0%が肯定的だった一方、非推進企業では48.0%と、半数にも満たない結果となりました。

職場環境についても、DX推進企業の従業員の94.0%が「上司・同僚と適切なサポートを提供し合えている」と回答し、非推進企業の49.0%と大きな差がありました。さらに、「職場での意見やアイデアが尊重されている」と感じる従業員の割合も、DX推進企業で93.0%、非推進企業で41.0%と、52ポイントもの差がつきました。

これらの結果は、DX推進が従業員の仕事へのモチベーション向上、企業への帰属意識向上、良好な人間関係構築といった、様々な側面でプラスの影響を与えていることを示唆しています。

ルーチンワークの削減と裁量の拡大

DX推進が従業員の満足度向上に寄与する要因の一つとして、ルーチンワークの削減が考えられます。DX推進企業では、仕事のルーチンワークの割合を40%未満と回答した従業員が54.0%だったのに対し、非推進企業の28.0%と比較して2倍近い差がついています。ルーチンワークの削減は、従業員に新たな業務に挑戦する機会やスキルアップのための時間を提供し、更なるモチベーション向上に繋がる可能性があります。

また、DX推進企業では93.0%の従業員が「自身の裁量で仕事ができている」と回答しており、非推進企業の64.0%と比較しても、業務における裁量の大きさが伺えます。

報酬とワークライフバランス

DXによる業務効率化や生産性向上は、企業業績の向上にも繋がり、ひいては従業員の報酬にも反映される可能性があります。事実、今回の調査では、DX推進企業の87.0%が現在の仕事に「報酬面で満足している」と回答しており、非推進企業の39.0%を大きく上回っています。

さらに、DX推進企業の94.0%が「仕事とプライベートのバランスが保たれ、仕事での貢献が評価されている」と感じているのに対し、非推進企業では48.0%にとどまりました。これは、DX推進によって柔軟な働き方が可能になり、ワークライフバランスの改善に繋がっている可能性を示唆しています。

今回の調査結果から、DX推進が従業員の満足度向上に大きく貢献する可能性が示唆されました。仕事への情熱、企業への帰属意識、良好な人間関係、ルーチンワークの削減、裁量の拡大、報酬への満足度、ワークライフバランスの改善など、様々な側面で好影響を与えていると考えられます。

これらの要素は相互に関連し合い、従業員満足度の向上は企業の成長を促進し、更なるDX推進へと繋がる好循環を生み出す可能性を秘めています。従業員満足度が高い企業の多くがDXを推進しているという現状を鑑みると、DX推進の意思決定に至る企業方針も重要な要素と言えます。

出典: ピー・シー・エー株式会社