夜間応対100%無人化、途中離脱ゼロ件。北陸コカ・コーラボトリングが挑む「コールセンター起点」の営業生産性改革

北陸3県と長野県で約3万台の自動販売機を展開する北陸��コカ・コーラボトリングは、コールセンターの業務改革を起点に営業組織全体の生産性向上に着手。夜間対応の100%無人化、AI対応での途中離脱ゼロ件、シェアード窓口の入電52%自動化を実現。コストセンターからインサイドセールス部隊への構造転換を目指す、攻めの改革について、執行役員 野明高洋さん、コールセンター センター長 五十嵐学さんに詳しく伺いました。

北陸3県と長野県で約3万台の自動販売機を展開し、年間2,000万ケースを販売する北陸コカ・コーラボトリング。同社は2025年、コールセンターの業務改革を起点に営業組織全体の生産性向上に着手しました。夜間対応の属人化、シェアード窓口への不要な取次ぎ、FAX・電話に依存した受注業務。積年の課題に対し、同社が選んだのはアイブリーによる段階的な自動化戦略です。

本記事では、執行役員 事業管理部 事業部長の野明高洋さん、事業管理部コールセンター センター長の五十嵐学さんに、導入の背景から具体的な成果、そして営業生産性改革の全体像について詳しくお話を伺いました。

アイブリー導入の成果サマリー

  1. 夜間応対の100%無人化を実現:外部委託していた夜間のコールセンターオペレーションをアイブリーに置き換え、運用コストを削減。AI対応での途中離脱は0件と、高い顧客体験を維持。
  2. コストセンターからインサイドセールス部隊への構造転換:定型的な問い合わせ対応をAIに移管し、コールセンターの「声のプロ」を付加価値の高いインサイドセールスへ再配置。コスト削減ではなく、営業組織全体の生産性を変える攻めの改革として推進。
  3. 不要な緊急コストの極小化:属人的だった緊急対応の判断基準をIVRの分岐設計で統一。従来は夜間入電の約10〜15%が緊急対応としてエスカレーションされていたが、導入後4カ月間、夜間の緊急対応発生件数はほぼゼロに。
  4. シェアード窓口※の入電52%を自動化:担当外の問い合わせによるスタッフの業務中断を解消し、本来業務への集中を実現。※ シェアード窓口:請求業務などのお問い合わせを受け付ける窓口

北陸コカ・コーラボトリングについて

1962年設立の北陸コカ・コーラボトリング株式会社は、富山県・石川県・福井県・長野県の4県を販売エリアとするコカ・コーラ指定会社です。「コカ・コーラ」「ジョージア」「アクエリアス」「い・ろ・は・す」「綾鷹」をはじめ約300品目の清涼飲料を展開し、約3万台の自動販売機と約13,000件の取引先店舗を通じて、地域のリフレッシュメントを支えています。

コールセンター改革の先にある「営業の構造転換」

北陸コカ・コーラボトリングのビジネスは、自動販売機やクーラーといった機材を通じて清涼飲料を販売するモデルです。機材は優秀である一方、故障はつきもので、そのタイミングは日中に限りません。24時間営業のフードカスタマーも抱える同社では、夜間のトラブル対応が日常的に発生していました。

「社内のコールセンターだけではカバーしきれないため、夜間は一部をアウトソーシングしていました。しかし、トラブルやご指摘があれば結局フィールドセールスやサービスマンにエスカレーションして現地対応する必要がある。それが私たちの商売の実態です」と野明さんは語ります。

もう一つの課題は受注業務でした。アプリケーションで何でもできる時代と思われがちですが、実態として電話やFAXが根強く残っています。昨年オンラインの受発注システムを導入したものの、依然として電話・FAXの比率は高く、とりわけFAX業務は属人化が進み、365日回す中で対応できる人員をやりくりすること自体が困難な状況でした。

しかし、今回のコールセンター改革の目的は単なるコスト削減ではありませんでした。野明さんが一番に掲げたのは、コールセンターを「インサイドセールス」へと転換させることです。同社は今年、事業管理部を新設し、その中にデジタルマーケティング課を設置。インサイドセールスチームの立ち上げに踏み切りました。

「テレマーケティングは『声の商売』なんです。コールセンターのメンバーは本当にプロで、非常に優秀な方がいます。このチームをインサイドセールスに活かしたいと思った瞬間から、『どうすればコールセンターの業務改革を進めて、メンバーのリソースをインサイドセールスに振り向けられるか』そこが出発点でした」(野明さん)。コスト削減ではなく、人材を付加価値の高い業務へ再配置するための改革という位置づけです。

「音声認識×投資対効果」の最適解を求めて。北陸コカ・コーラがアイブリーを選択した理由

AIによる音声対応という解決策にたどり着くまで、同社は複数のソリューションでトライアルを重ねてきました。しかし、いずれも期待した効果が得られない状況が続いていたと五十嵐さんは振り返ります。

「有人対応のオペレーションが多かったという現状があり、手をこまねいていたわけではありません。ただ、どのソリューションも思ったような結果が出ませんでした」

加えて、同社のコールセンターは席数20席の小規模運営です。大規模なシステム刷新を前提とするソリューションでは、投資対効果が見合わないケースが多く、導入に踏み切れないまま時間が過ぎていました。

そんな中でアイブリーのサービスを知る機会があり、早速トライアルを実施したところ、これまでとは明らかに違う手応えがありました。

「音声認識の精度が高く、テキスト化や生成AIによる要約が実用に耐えるレベルだったんです。加えて、20席規模のセンターでも十分にROIが成立する。精度と投資対効果の両面で、初めて納得できるソリューションでした」(五十嵐さん)。この2点が決め手となり、正式な導入に踏み切りました。

精度面で特に評価したのは、AIがユーザーの発話内容を正確に理解し、適切にヒアリングを進められる点でした。ハルシネーション(AIの誤回答)が起きにくい仕組みになっていることは、顧客と直接やりとりをするコールセンターにとって譲れない要件だったのです。

夜間応対100%無人化、そして「途中離脱ゼロ件」の衝撃

2025年7月、同社はまず夜間対応にアイブリーを導入し、100%無人化に取り組みました。結果は、期待を上回るものでした。

野明さんが特に評価しているのは、AIによるヒアリングでの途中離脱がゼロ件だったという事実です。「正直なところ、『AIの応対だったらもういいよ』と離脱されるお客様もいるだろうと想定してスタートしました。ところが、実際にはそういったケースが一件もなかったんです。これは、我々の期待値以上のサービスレベルを維持できたという結果だと捉えています」。

コスト面では、夜間に外部業者へ委託していた費用を削減できました。しかし、それ以上に大きな効果があったのは、夜間の「緊急対応」をめぐる構造的な問題の解決です。

これまで夜間の入電のうち約10〜15%は、緊急対応として営業の待機メンバーにエスカレーションされていました。五十嵐さんはその背景をこう説明します。「修理の受付内容自体は翌日対応で問題ないものが多かったんです。ただ、人が受けるとお客様の温度感に引きずられてしまう。『どうしても今日対応してほしい』と言われたら、受付担当としては緊急案件として流してしまう。オペレーターによって『緊急』の判断基準がばらばらだったんです」。

アイブリーの導入により、IVRの分岐設計で「緊急」の定義を統一。導入した7月から10月までの4カ月間、夜間の緊急対応の発生件数はほぼゼロになりました。営業部隊からも「非常に助かっている、アイブリーを導入してよかった」という声が上がっています。

シェアード窓口の入電52%を自動化し、業務の中断を解消

夜間窓口での成果を受け、同社はシェアード窓口にもアイブリーの導入を進めました。シェアード窓口とは、請求業務などの問い合わせを受け付ける窓口ですが、ここにも特有の課題がありました。

「お客様はいつもかけている都合のいい番号に何でも電話してしまうんです。シェアードの番号に電話して『コカ・コーラ1ケースください』という方もいらっしゃいます」と野明さんは苦笑します。担当外の用件でもスタッフは本来の業務を中断して電話を取り、処理して後続につなぐ。この非効率が常態化していました。

アイブリーの導入により、AIが一次受付をして用件をヒアリングし、メール等で該当部署に自動で振り分ける仕組みが構築されました。結果として入電の52%を自動化。シェアードのスタッフが本来の業務に集中できるようになったことは、日々のオペレーションを大きく変える効果をもたらしています。

アイブリー活用イメージ

アイブリー導入後の北陸コカ・コーラボトリングにおける、コールセンター業務の全体フローは以下のとおりです。

アイブリー活用イメージフロー

年間22,000コールの自動化、FAX受注のAI OCR化。次なるステージへ

夜間窓口とシェアード窓口で確かな成果を出した同社は、次のステージへと歩みを進めています。

「今年、夜間とシェアードでテストを行い、本当に良い結果が出ました。社内のメンバー全員がそう感じています。次はいよいよ本丸です。日中の問い合わせ対応、ここに取り組んでいきます」と野明さんは意気込みを語ります。

日中のコールセンターの入電を分析すると、約6割が自動販売機に関わる修理依頼の受付です。既存のCTIでも一定数は自動受付をしていますが、まだ自動化の余地は多く残っています。五十嵐さんは「今後はアイブリーと既存CTIを連携させて、AIでの受付から後続処理までを含めた自動化に舵を切りたい」と語り、年間約10万件の入電のうち22,000コールの自動化を見込んでいます。

FAX受注についても、アイブリーのAI FAXを活用したデータ取り込みから基幹システムへの受注データ連携まで、自動化の計画が進んでいます。「数え切れないほどのテンプレートとオリジナリティにあふれた紙が届くので、AI OCRの導入にあたってはそこの整備も必要です。ただ、できないことではないと思っています」と野明さん。年間約2万枚、割合にして約40%の自動化を目指す構えです。

さらに五十嵐さんは、これまで活用できていなかったVoC(顧客の声)をデータ化し、マーケティングに活かしていくことにも意欲を見せます。「音声という非構造化データを経営資源に変えていくことが、次のステージだと思っています」。

「コールセンターのプロ」を、攻めの営業組織へ

野明さんが描くビジョンは明確です。同社にはいまだ、顧客から「ちょっと来てよ」と言われたら営業がすぐ車で飛んでいくような、昔ながらの営業スタイルが残っています。それは同社だけが変わっていないのではなく、顧客側にも変化が追いついていない面があるといいます。

「この営業を変えたいんです。今まで一人がターゲティングからクロージングまでやっていた、その『川上』の部分を変えていく。そのためのインサイドセールスであり、デジタルマーケティングであり、そのためのコールセンター業務改革です」(野明さん)。

コールセンターのメンバーは「声のプロ」です。定型的な問い合わせ対応をAIに任せることで、そのプロフェッショナルな能力を、より付加価値の高いインサイドセールスに振り向けていく。「どうしてもこういった仕組みを入れる時は『コスト削減』の文脈になりがちですが、弊社は常に前向きなことを考えて取り組んでいます。コールセンターの業務改革、インサイドセールスの立ち上げ、デジタルマーケティング、この目的の部分だけはブレないようにしていきたい」と野明さんは力を込めます。

コスト削減の話ではなく、組織全体の営業生産性を構造から変えていく。その第一歩として、アイブリーの導入は確かな成果を出しています。


※記事内のアイブリーに関する情報はインタビュー時点のものです。現在は異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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