IP電話でFAXを利用できる?知っておくべき活用法とメリット・デメリットを解説

通話コストの削減や業務の柔軟性向上の手段として「IP電話」が注目されており、固定電話からの切り替えが進んでいます。一方で、受発注業務などを中心に依然としてFAXを必要とする企業も多くあります。
IP電話の導入を検討するなかで「FAXは使えるのか」「050番号でもFAXを送受信できるのか」といった疑問や不安を抱える担当者も少なくないでしょう。
本記事では、IP電話でFAXを利用する方法や、利用にあたって注意すべき技術的・運用的なポイントを解説します。また、AI機能をもつインターネットFAXサービスの活用により、業務の効率化とデジタル化を実現する方法も紹介します。
IP電話でもFAXを利用できる
結論からいうと、IP電話でもFAXの送受信が可能です。ただし、回線の品質や利用環境によっては、安定性や画質などに課題が残る場合があります。
IP電話のインターネット回線が安定していないと、FAXの送受信が遅れたり、エラーが発生したりするおそれがあるため、事前の確認が必要です。
IP電話でFAXを利用する方法とメリット・デメリット
IP電話でFAXを使う主な方法には、アナログ電話アダプタ(ATA)を利用する方法と、インターネットFAXを導入する方法があります。
アナログFAX+アダプタの活用
既存のFAX機器にIP電話に対応したATAを接続し、IP電話回線で利用可能にする方法です。
●メリット
- 既存のFAX機器をそのまま使える
- 機器の買い替えが不要で、初期導入コストを抑えやすい
- 業務フローを大きく変えずに済む
●デメリット
- IP電話ではFAX信号が完全に再現しにくく、文字のかすれや画像の乱れが発生しやすい
- 正確性が求められる書類(図面・申込書など)では誤認リスクがある
●利用に向いている企業
- 小規模事業者でFAXの使用頻度が低い企業
- 精度を重視しない業務でFAXを利用したい企業
インターネットFAXサービスの活用
FAX機器を使わず、クラウド上でFAXを送受信できるサービスです。PCやスマートフォンなどの端末から操作でき、受信したドキュメントはPDFや画像データとしてメールやアプリで確認できます。
●メリット
- 機器設置や電話回線が不要で、テレワークや複数拠点など場所に縛られずFAXを送受信できる
- データ形式での受け渡しが可能なため、社内共有や保管が簡単
●デメリット
- 紙での出力が必要な業務では、印刷や手配が別途発生する
- 受信データの管理体制を整備しないと、情報漏洩につながるリスクがある
●向いている企業
- テレワークや出張、拠点数が多くFAXで送受信したドキュメントを共有・一元管理したい企業
- FAXを含めた業務のデジタル化・効率化を進めたい企業
050番号でFAXを利用するには
一部のインターネットFAXでは、050から始まる電話番号をFAX番号として利用できます。本章では、050番号の特徴とインターネットFAXでの利用方法、注意点を解説します。
050番号の特徴
050番号とはIP電話専用の電話番号です。
電話回線が不要で、インターネット環境のみで利用でき、固定電話と比較すると手間やコストを低減できます。固定電話機だけではなく、スマートフォンやパソコンなどさまざまな端末から利用可能です。
050番号でFAXを利用できるサービス
近年では、050番号をFAX番号として利用できるインターネットFAXサービスも登場しています。月額数千円のコストで、手軽にFAX機能を利用したい企業に最適です。
例えば、IVRy(アイブリー)の「IVRy AI FAX」では、050番号が即日で発行されます。スマートフォンやパソコンでFAXを受信し、即時にAIで自動文字起こしが可能です。
050番号でFAXを利用する際の注意点
一方で、050番号を利用する際にはいくつかの注意点もあります。
050番号は誰でも容易に取得できるため、迷惑電話で利用されていることも多く、その印象から、発信する際、相手に警戒されてしまうおそれがあります。特に、契約書や見積書のやり取りにおいては、記載する電話番号の印象が与える影響にも配慮が必要でしょう。
また、050番号はインターネット回線を利用するため、FAXの送受信時に遅延やエラーが生じる可能性もあります。重要な書類を扱う業務では、通信の安定性も事前に確認しておきましょう。
なお、電話自動応答サービスのIVRy(アイブリー)では、既存の固定電話番号宛のFAXを050番号に転送し、受信する設定が可能です。固定電話の番号で信頼性を保ちつつ、インターネットFAXの利便性を活用したい企業にとっては、魅力的な選択肢の一つといえます。
IP電話でFAXを送受信する際の注意点
IP電話でFAXを利用すればコスト・利便性の面で大きなメリットがある一方、スムーズに導入・運用するには注意すべき点もあります。
通信の安定性と品質を確保する
IP電話でFAXを送受信する場合、上で述べたように通信の安定性の問題で、画像の一部が欠けたり文字が読みづらくなったりすることがあります。
特に、図面や明細書、手書き署名といった正確な再現が重要な書類を扱う企業では、テスト運用を実施し、業務で利用できるレベルかどうかを事前に確認しておくことが重要です。
機器の互換性と設定を確認する
既存のFAX機器を利用する場合、IP電話との互換性や設定などを、マニュアルやメーカーへの問い合わせで確認しておくことが重要です。
ただし、公式にIP電話との互換をうたっている機器は少なく、動作が保証されないケースも多くあります。互換性があるか不安であれば、以下のような対応を検討しましょう。
- 機器が不要なインターネットFAXサービスも選択肢に含めて検討
- FAX機器側に「G3規格対応」「VoIP機器での利用実績あり」などの記載があるかを確認
- IP電話回線の提供元で動作確認済みの機器一覧が公開されているかを確認
セキュリティとプライバシーに留意する
紙に出力する従来のFAXでは、受信した書類が置きっぱなしになり、盗難や盗み見などが発生するリスクがありました。これは、既存のFAX機器をIP電話回線で利用する場合も同様です。
一方で、インターネットFAXの場合、受信データはクラウド上に保存されるため、紙のように放置されることはありません。ただし、共有アカウントの乱用やID管理の不備があると情報漏洩のリスクが高まるため、ユーザーごとの権限の適切な設定やセキュリティポリシーの整備が必要です。
AI FAXでFAX業務を自動化
従来、業務でFAXを利用するには、受信した紙のドキュメントから手作業で転記・共有・保管する必要がありました。こうした非効率を解消する手段として、AI技術を活用した「AI FAX」が注目されています。
AI FAXは、受信したFAXをOCRで読み取り、自動でテキストデータ化する仕組みです。注文書や申込書などをパソコン上で確認・転記でき、ミスの防止や対応スピードの向上につながります。
また、FAXの受信からデータ化・共有までクラウド上で完結するため、ペーパーレス運用、テレワークや多拠点での活用にも対応可能です。
インターネットFAXならIVRy AI FAXがおすすめ!
「IVRy AI FAX」は、多彩な機能を備えたインターネットFAXサービスを月額2,980円~(※)というリーズナブルな価格で提供しています。FAX用の新規電話番号は最短即日に発行可能。現在利用中の番号をそのまま引き継ぐこともでき、業務を中断することなくスムーズな移行を実現します。
※料金はプランや利用状況により異なります。

AI-OCR機能で管理の手間を大幅削減
IVRy AI FAXでは、AIを活用したOCR(自動文字起こし)機能が標準搭載されています。受信したFAXは自動でテキスト化されるため、内容確認や検索、データ入力などの手間を大幅に削減可能です。
これまで高価な複合機や個別カスタマイズでしか利用できなかったAI-OCR機能ですが、IVRyなら追加料金なしで、手軽に利用できます。

コスト削減で経済的な運用を実現
インターネットFAXの導入により、用紙やインク、専用回線といった従来のアナログFAX機に必要だったコストを削減できます。IVRy AI FAXなら月額2,980円から導入可能で、一般的なFAX機のリース費用よりも経済的です。また、用紙の保管スペースやFAX機器の保守費用も不要になり、オフィスの経費削減につながります。
