クラウドPBXの音質に不安がある?原因と改善するための対策を丁寧に解説
クラウドPBXは、最新の音声技術と適切なネットワーク環境を構築することにより、従来のオンプレミスPBXに劣らないクリアな音質を実現できます。
以前は、高品質かつ安定的な通話を実現するために、専用線を利用するオンプレミス型のPBXを利用するケースが一般的でした。
しかし昨今は、インターネット環境が飛躍的に向上したことで、クラウドPBXでも安心して利用できるようになってきています。しかし、何点か注意点があるのも事実です。
本記事では、企業が安心してクラウドPBXを選択・導入できるように、音質向上のための具体的な方法を紹介します。
- 1.クラウドPBXの音質は良い?基本的な特徴と音質の重要性
- クラウドPBXのメリットは理解しているが、音質が心配
- 結論、高音質を実現できる
- 2.クラウドPBXの音質が悪化する原因とは?
- インターネット回線の問題による音質低下
- Wi-Fiルーターや端末の性能の影響
- クラウドPBX自体の設定やベンダー選定のミス
- 3.クラウドPBXの音質を改善する具体的な対策
- 通信環境を改善する
- クラウドPBXの設定を見直す
1.クラウドPBXの音質は良い?基本的な特徴と音質の重要性
クラウドPBXは従来のオンプレミスPBXと異なり、インターネット経由で通話や通信機能を提供するシステムです。基本的な特徴と音質の重要性について見ていきましょう。
クラウドPBXのメリットは理解しているが、音質が心配
クラウドPBXは、オンプレミスPBXと比較して以下のような特徴を持つシステムです。
- コスト削減:物理的なPBX機器や回線(ケーブル)が不要なため、初期導入コストや運用保守コストを抑えられる。
- 導入のしやすさ:インターネット経由で利用するため、物理的な設置作業が不要。短期間で導入可能。
- 拡張性:企業の成長に合わせて簡単にスケーラビリティ(拡張性)を確保できるため、多拠点展開やリモートワーク環境にも対応しやすい。
このようなメリットから、クラウドPBXの導入を検討する方も多い一方で、ビジネスニーズに応える音質を実現できるのか懸念している人も多いでしょう。
結論、高音質を実現できる
近年の国内におけるインターネット環境は飛躍的に向上しました。そのため、よほどネットワーク環境が悪くなければ高品質・かつ安定した音質で通話ができます。
一方で、クラウドPBXの音質はネットワークの状態や通信速度に依存するため、回線が不安定な場合は通話が途切れるなどのリスクがあるというのも事実です。
ただし、後述する対策をしっかりとれば、ほとんどリスクなく利用できます。
2.クラウドPBXの音質が悪化する原因とは?
クラウドPBXの音質が悪化する主な原因を3つ解説します。
インターネット回線の問題による音質低下
クラウドPBXはインターネット回線を利用して通話を行うため、以下の点が音質に影響します。
- 速度と安定性:回線の速度が遅い、もしくは不安定な場合、通話に遅延や途切れが発生しやすい。
- 帯域の競合:音声通信はほかのデータ通信と帯域を奪い合うため、ストリーミングやファイルダウンロードと並行すると音質が低下しやすい。
- 業務時間帯の混雑:特にビジネス利用で、業務時間帯の回線混雑が発生すると、通話の遅延が起こりやすくなる。
Wi-Fiルーターや端末の性能の影響
通信機器の性能もクラウドPBXの音質に影響します。具体的な問題と対策は以下のとおりです。
- ルーターの通信容量:古いルーターや低性能ルーターの場合、回線速度が速くても通信が安定せず、音が途切れたりノイズが入ったりするおそれがある。
- 多人数接続に対する弱さ:家庭で使用されるような安価なルーターでは、多くのデバイスが同時接続するビジネス環境で対応しきれない可能性がある。
クラウドPBX自体の設定やベンダー選定のミス
PBXの設定やベンダーの選定も音質に影響します。重要な点は以下のとおりです。
- 設定ミス:エコーキャンセレーションやノイズリダクションが不適切に設定されていると、音声が反響したり雑音が発生したりする。
- サポート体制:サポートが不十分なベンダーを選ぶと、トラブル発生時に迅速な対応を得られず、運用に影響が出るリスクがある。
- 実績が不十分なサービス:実績が少ないサービスの場合、開発途上で品質が安定しないケースや、システムのダウン率が高い、ダウン時間が長いなどの場合がある。
3.クラウドPBXの音質を改善する具体的な対策
クラウドPBXの音質を改善するには、以下の対策が有効です。
通信環境を改善する
クラウドPBXの音質向上には、通信環境の見直しが欠かせません。以下の対策が有効です。
- クラウドPBX専用のインターネット回線を用意する:他の業務で使用するインターネット回線と、クラウドPBXで利用するインターネット回線を分けることで、音質低下リスクを低減できる。企業規模が大きくなるほど、回線混雑のリスクを避けるためにクラウドPBX専用のインターネット回線を設置する企業が多い。
- 光回線の導入:高速で安定した通信が可能な光回線は、通話の安定性を確保するために最適。
- トラフィック管理:ルーターやネットワーク機器のトラフィック管理機能で、通話データを優先的に処理し、安定した音質を確保する。最適な端末やWi-Fiルーターを選ぶ
使用機器の選択も音質に大きな影響を与えます。以下のポイントを考慮して選びましょう。
- Wi-Fi 6対応ルーター:最新のWi-Fi 6は、同時接続台数が多い環境でも安定した通信を提供するため、クラウドPBXに最適。
- ビジネス向けルーター・IP電話端末:家庭用ではなく、企業向けの業務用ルーターを採用すると、通信量が増えた際に通話中のノイズやエコーが発生しにくくなる。
- オフィス規模に合わせた選定:端末やルーターは、オフィスの広さや同時利用の人数に合わせて選ぶことで、最大限の効果を得られる。
クラウドPBXの設定を見直す
PBXの設定も、音質に直接関係する重要な要素です。
- エコーキャンセレーションとノイズリダクション:適切な設定により、通話中のノイズが軽減され、明瞭な音声を得られる。
- ベンダーサポートの活用:ベンダーのサポートを受けることで、確実な設定ができ、安定した通話品質を維持しやすくなる。
- 導入実績の豊富な信頼性のあるベンダー選定:信頼できるベンダーを選定すれば、導入後の運用サポートが確保され、トラブル対応もスムーズに行える。SLAも確認すると良い。
この記事では、昨今トレンドとなっているクラウドPBXの音質の実際のところと、安定的かつ高音質を実現、維持するための施策について解説しました。
クラウドPBXは、企業の電話システムに柔軟性向上とコスト削減の効果をもたらしますが、音質のリスクをクリアにすることが安定的かつ高音質な状態を築く鍵となります。安定した通信環境の整備、高性能な機器の使用、そして適切な設定により、クラウドPBXでもクリアな通話品質を実現できます。
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