月間4,000件の電話の約5割を自動化。「ホテルプラザオーサカ」のIVRy活用事例

ホテルプラザオーサカでは、フロントが混雑するピークタイムでも接客に専念できる環境を構築するため、電話自動応答サービス「IVRy」を導入。よくあるお問い合わせを音声による自動応答やSMSによる自動返信で対応することにより、約5割の電話の自動化を実現しています。今回は、株式会社プラザオーサカ 取締役 菅原 真太郎さん(以下、敬称略)に、IVRy導入に至った背景やその効果、そして今後の展望について詳しく伺いました。

大阪・十三のランドマークとして、1987年の開業以来、地域に根差したサービスを提供してきた「ホテルプラザオーサカ」。653室の客室、4つの特色あるレストラン、宴会場、そしてフィットネスクラブなど、多様な施設を備え、ビジネスや観光の拠点として国内外から多くの顧客に利用されています。近年はインバウンド需要の増加に伴い、外国人宿泊客が全体の約50%を占めるなど、国際色豊かなホテルとして進化を続けています。

そんなホテルプラザオーサカでは、フロントが混雑するピークタイムでも接客に専念できる環境を構築するため、電話自動応答サービス「IVRy」を導入。よくあるお問い合わせを音声による自動応答やSMSによる自動返信で対応することにより、約5割の電話の自動化を実現しています。今回は、株式会社プラザオーサカ 取締役 菅原 真太郎さん(以下、敬称略)に、IVRy導入に至った背景やその効果、そして今後の展望について詳しく伺いました。

「期待と想像を超える感動体験」を提供する

——ホテルプラザオーサカでのご自身の役割とホテルとして力を入れている点を教えてください。

取締役として会社経営全般に携わっており、人事や企画広報などを担当しています。ホテルプラザオーサカでは、お客様に「期待と想像を超える感動体験」を提供することを目指し、接客に特に力を入れています。スタッフ全員でこの言葉を共有し、お客様一人ひとりに心を込めたサービスを提供できるよう、日々取り組んでいます。お客様からの声を待つのではなく、自らお客様のニーズを汲み取り、一歩先のサービスを提供することで、真の感動体験に繋がるものと考えています。

——DXに関する取り組みについて教えてください。

DX推進の取り組みとしては、数年前にビジネスチャットツールを導入し社内コミュニケーションの効率化とペーパーレス化を推進しました。以前は電話や紙ベースでのやり取りが多く非効率でしたが、ビジネスチャットツールを導入したことによりスムーズな情報共有が可能になりました。また、メタバース空間上にホテル内の施設や周辺地域を再現する取り組みも行っており、将来的には地域貢献活動にも活用したいと考えています。

ピークタイム時の顧客対応に課題、非効率な状況を改善へ

—— IVRy導入以前の電話業務に関する課題について教えてください。

電話業務には2つの大きな課題がありました。1つ目は、チェックインやチェックアウトが集中するピークタイムにおけるフロント業務の負荷です。この時間帯では、フロントスタッフが来客対応に追われ、電話応答まで手が回らない状況が発生していました。逆に、電話応答に時間を取られることで、来客対応が遅れてしまうケースもあり、これらを改善していきたいと考えていました。

2つ目は、営業担当への電話取次業務です。私たちは旅行会社などに対して、当ホテルをお客様に紹介していただくための営業活動を積極的に行っているため、多くの取引先からお問い合わせいただきます。しかし、これらの電話はまず代表電話で受けてから、営業担当に取り次ぐ流れになっており、営業担当が改めて電話の内容を確認するという、二度手間が発生していました。営業担当への直通電話番号を案内するように努めていましたが、多くの電話が代表電話にかかってきてしまうため、この非効率な状況を改善したいと考えていました。

約5割の電話を自動化。スタッフからの「ぜひ導入したい」という声で本格導入へ

—— IVRyを導入した経緯や決め手、そして導入効果について教えてください。

電話業務の効率化を検討していた際、インターネット検索でIVRyを知りました。有名企業の導入事例が掲載されており、「これなら安心して導入を進められる」と感じ、問い合わせを行いました。

導入の決め手となったのは、まずコスト面での利点があげられます。1ヶ月間の無料トライアル期間が設けられており、初期費用や解約費用も発生しないため、リスクを抑えながら実際の効果を試せる点が魅力でした。

トライアルで導入してみたところ、管理画面で1ヶ月間の着信件数や自動化できた件数が可視化されていたため、効果をわかりやすく実感できました。当ホテルでは、1ヶ月に4,000件以上の電話がかかってきていますが、IVRy導入後はその約5割が自動化され、電話応答業務の負荷が劇的に軽減されました。
また、管理画面上に通話履歴と録音データが残るため、顧客対応の振り返りや、万が一のトラブル発生時にも実際のやり取りを確認できるという安心感も、導入を決断した理由の一つです。特に、「言った・言わない」といった問題を防げる点は、お客様との信頼関係を築く上で非常に重要だと考えています。

そして何より、現場スタッフから「ぜひ導入したい」という声が挙がったことが、導入を後押しする大きな要因となりました。こういったツールは実際に使用する現場スタッフの意見が重要です。トップダウンで導入しても現場に浸透せず、うまくいかないケースも多いことを考えると、現場からの支持を得られたことは非常に大きなポイントでした。

人手不足でもホスピタリティレベルを落とさない環境構築へ

—— 旅行業界という視点でIVRyに価値を感じている点を教えてください

当ホテルのような接客業、特に宿泊業界では、慢性的な人手不足が大きな課題となっています。しかし、お客様へのホスピタリティレベルは決して下げることはできません。そこで、IVRyのようなDXツールを活用することで、業務効率化を実現し、限られた人員でも質の高いサービスを提供できると考えています。
IVRyによって創出された時間を接客に充てることで、お客様一人ひとりに寄り添ったサービス提供が可能になり、結果としてお客様満足度の向上に繋がると考えています。

——電話業務の改善に関して、今後取り組んでいきたいことを教えてください

インバウンド需要の増加に伴い、外国人のお客様からの電話も増えています。英語対応のできるスタッフが不在の場合、スムーズなコミュニケーションが難しいケースもあるため、IVRyの多言語対応機能を積極的に活用し、電話応答の更なる効率化を図りたいと考えています。将来的には、レストラン予約の受付まで多言語で対応できるようになれば、外国人のお客様の利便性向上にも貢献できると期待しています。

また、災害発生時の対応についても、IVRyを活用した体制強化を検討しています。緊急時の情報伝達や安否確認などを迅速かつ確実に行えるよう、業界団体とも連携しながら準備を進めていきたいと考えています。

業界のスタンダードになって顧客も利便性が実感できる状態に

—— 最後に今後のIVRyに期待することを教えていただけますか。

IVRyは比較的小さなコストで大きな効果を生み出せるサービスなので、旅行業界のスタンダードとして広く普及することを期待しています。

電話の自動応答サービスを導入することに躊躇する企業もあるかもしれません。実際、当ホテルでも導入を検討し始めた当初は、「お客様からの電話に音声応答で対応すると、顧客満足度が低下するのではないか」といった懸念の声があがりました。しかし、音声応答サービスが広く普及し、利用者にとっても利便性が高いことが認知されれば、ホテルとお客様双方にとってメリットのある、Win-Winの関係を築けると考えています。IVRyには、そのような未来を創造することを目指し、更なるサービス向上に努めていただきたいです。