クラウドPBXの構成を図解!導入パターンや従来型PBXとの違いは?

ビジネスフォンを構築する際、以前はオンプレミス型のPBXを利用する方法が一般的でしたが、近年ではクラウドPBXの導入が広がっています。しかし、クラウドPBXではどのような構成になるのか、オンプレミス型と併用できるのかなどの疑問を抱く方も多いでしょう。
本記事では、クラウドPBXとオンプレミスPBXの構成を図で比較し、それぞれの特徴をわかりやすく解説します。
クラウドPBXとオンプレミスPBXの構成の違い
クラウドPBXは、インターネット回線を活用し、クラウド上のサーバーで通信を管理するシステムです。
一方、従来型(オンプレミス)PBXは物理的なPBXサーバーをオフィスに設置し、専用の電話回線を通じて通信を行います。この違いにより、導入や運用の柔軟性に大きな差が生じます。

クラウドPBXは、インターネットを通じてクラウドサーバーと接続するため、物理的なPBX装置や固定回線は必要ありません。
一方、従来型のPBXは、社内のPBX装置と固定電話回線を利用するため、設置や保守が必要となります。また、従来型PBXは一度設置すると構成の変更が難しく、柔軟性に欠けることもクラウドPBXとは異なるポイントです。
基本の構成図で見るクラウドPBXの仕組み
クラウドPBXは「クラウドサーバー」「インターネット」「ユーザー端末」の3つの要素で構成されます。このシンプルな構成により、固定電話、スマートフォン、PCなど多様なデバイスが内線通話に対応できます。
クラウドPBXはインターネットを経由するため、リモートワーク中でもオフィスいる時と同じように内線通話が可能になります。このような特性は、多様な働き方を実現したい企業にとって非常に有用といえるでしょう。
クラウドPBXを導入するメリット
クラウドPBXの最大のメリットは、迅速な導入と柔軟性です。従来型PBXと異なり、専用機器を設置する必要がなく、インターネット接続があればどこからでも利用できます。また、保守コストの削減効果や利用人数の増減に対応できるスケーラビリティも大きな利点です。
さらに、クラウドPBXは通信の一元管理が可能なため、通話データの分析や業務効率化を進めるうえでも有用です。特に、複数拠点を持つ企業やリモートワークを積極的に導入している企業にとっては、導入メリットが大きいといえます。
企業がクラウドPBXを導入する主な理由は以下のとおりです。
- 運用が簡便:物理的な設備の保守が不要なため、IT部門の負担を軽減できます。
- コスト削減:初期費用やランニングコストを削減できます。
- リモート対応:インターネット回線を介するため、場所を選ばず利用できます。
- スケーラビリティ:電話回線の増減にも柔軟に対応可能です。
クラウドPBXの導入パターン
クラウドPBXの導入は、完全クラウド型として構築する方法や既存の従来型(オンプレミス型)PBXと併用する方法など、複数のパターンが考えられます。それぞれの導入方法に独自のメリットがあるため、自社のニーズや状況に応じて選択することが重要です。ここでは、代表的な2つの導入パターンを解説します。
1. クラウドPBXとオンプレミスPBXの併用
クラウドPBXと従来のオンプレミス型PBXを併用する構成では、既存のオンプレミス型PBXを活用しつつ、クラウドPBXでリモート対応を強化します。この構成は、段階的にクラウド移行を進める企業にとって非常に実用的です。
【図2】

【図2】では、クラウドPBXとオンプレミスPBXを併用した構成を図解しています。本社でオンプレミスPBXを使用し、営業所やリモートワークの環境ではクラウドPBXを利用します。これにより、既存設備を維持しながら、柔軟な働き方を実現できます。
たとえば、本社のオフィス内では従来のPBX装置を使いながら、外出先や自宅にいる社員はクラウドPBXを活用して業務用通話や内線連絡を行えます。
クラウドPBXとオンプレミスPBXの併用のメリット
クラウドPBXと従来のオンプレミス型PBXを併用するメリットは以下のとおりです。
- 既存設備の活用
従来型PBXをそのまま利用するため、初期コストを抑えながらクラウド導入が可能です。 - 柔軟な通信環境
クラウドPBXにより、リモートワークや拠点間の内線通話が実現します。 - 段階的な移行
完全クラウド化を目指す前に、リスクを抑えながら部分的に移行が可能です。
2. 完全クラウド型PBX
完全クラウド型PBXでは、物理的なPBX装置をすべて排除し、クラウドサービスのみで通信を管理します。初期コストやメンテナンス負担を削減するだけでなく、スケーラビリティにも優れている構成です。特にリモートワークを推進している企業や、新しい通信システムを柔軟に構築したい企業に適しています。
【図3】

【図3】の構成例では、本社や営業所、外部のスマートフォンやPCなどがインターネットを通じてクラウドPBXに接続しています。すべての拠点とデバイスが一元的に管理され、通信の効率化を図れる点が最大のメリットです。
完全クラウド型PBXのメリット
完全クラウド型PBXの主な特徴や導入メリットは次のとおりです。
- 低コストで導入
物理的なPBX装置が不要なため、初期費用や運用コストを大幅に削減できます。
- 柔軟な拡張性
必要に応じて拠点数や機能を追加でき、システム変更を迅速に行えます。
- 一元管理
クラウド上で通話履歴や設定を管理できるため、IT管理の効率が向上します。
- リモートワーク対応
インターネットを通じて同じ通信環境を利用するため、リモート業務に対応可能です。
クラウドPBXとオンプレミスPBXはどちらが最適か?
電話システムを導入する際は、企業の規模や運用スタイルに応じた選択が重要です。ここでは、コスト・保守・機能性の観点から、クラウド型PBXとオンプレミス型PBXを比較します。
項目 | オンプレミスPBX | クラウドPBX |
---|---|---|
初期費用 | 高い(数十万円〜数百万円以上) | 低い(無料〜数万円程度) |
月額費用 | 不要 | 月額数千円程度〜 |
通話料 | 距離や時間による従量課金 | 安価 |
運用の負担 | 大きい | 低い |
スケーラビリティ | 低い | 高い |
セキュリティ | 高い | 比較的高い |
サポート・メンテナンス | ・専門業者の作業が必要 | ・基本的に月額利用料金内に含まれる |
クラウド型PBXは、初期費用が低く、利用規模に応じた柔軟な料金設定が可能です。一方、オンプレミス型PBXは安定した費用で利用できるものの、初期コストが高く、設備の保守や運用負担も大きくなります。
柔軟性においてもクラウド型PBXが優れており、リモートワークや多拠点展開への対応力で差があります。
現代のビジネスに適しているのはクラウド型
近年、クラウドPBXが選ばれる理由は、柔軟性とスケーラビリティの高さにあります。
たとえば、多拠点間で内線通話を行う場合や、外出先から通話を行う場合、クラウドPBXであれば場所やデバイスを問わずに対応できます。加えて、システムの拡張や変更も容易で、企業の成長や変化に柔軟に対応可能です。
オンプレミス型PBXは、設備を自社で管理できる安心感があり、セキュリティの観点から好まれる場合もあります。しかし、柔軟性や初期コストの負担を考慮すると、クラウドPBXの選択肢がますます主流となるでしょう。
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