Android、詐欺の疑いがある電話を検知し警告する新機能【Google I/O】
Googleは5月14日に米国で開催された「Google I/O 2024」にて、電話中に詐欺の疑いがある会話を検知した際にリアルタイムで警告を表示する機能を発表しました。この機能は、Androidに搭載するモバイル向けAI「Gemini Nano」が実現する新たな機能として発表されたもので、急増する詐欺被害に対する効果的な対策となることが期待されます。
年間1兆ドルを超える詐欺被害の防止に
この機能は、Pixel 8などに搭載されているモバイルAI「Gemini Nano」によって実現するもので、詐欺の手口に該当する会話パターンを検出した際に、警告を表示するというものです。
Global Anti-Scam Allianceが2023年10月に発表した調査データによると、世界で過去1年間の詐欺による損失が1兆ドルを超えており、4人に1人が詐欺でお金を失っている状況だということです。主な手段としては電話やSMSが利用されているようです。
このような状況を受けて、Androidユーザーを保護する目的で新しい機能を開発しています。
具体的な警告が表示されるケース
具体的には、銀行員を名乗る人物が急いで資金を送金するよう求めたり、ギフトカードでの支払いを要求したり、カードの暗証番号やパスワードなどの個人情報を求めたりする場合などが該当し、プレゼンテーションの中では、知らない発信者から電話がかかってきたケースとして以下の事例を紹介していました。
銀行員を名乗る人物:もしもし!こちらはSave More Bankのセキュリティ部門です。Daveさんですか?
受電者:はい、Daveです。いま手が離せないのですが
銀行員を名乗る人物:あなたの口座に不審なアクセスがありました。不正な請求をしようとしています
受電者:不正な請求ってなんですか?
銀行員を名乗る人物:具体的には言えませんが、資金を安全なアカウントに移すサポートをします
このようなやり取りが検知された際に、Androidの画面上に以下のような警告を表示します。
この機能は現在テスト中で、オプトイン方式で提供されるとのことです。詳細については今年の夏の後半に改めて発表される予定です。この新機能により、詐欺被害のリスクが大幅に軽減されることが期待されます。
ソース:Google I/O、Experience Google AI in even more ways on Android