鳴り止まない電話の課題をIVRy導入により解消。効率化と顧客満足度向上を実現した「BIANCA CLINIC」
東京の銀座と表参道で美容クリニック「BIANCA CLINIC(ビアンカクリニック)」を展開する医療法人社団SMILE LAND BIANCA CLINICは、美容外科、美容皮膚科、形成外科、抗加齢医学など、各分野の専門医が集結した、美と健康をトータルサポートする美容健康再生医療クリニックです。一人ひとりのライフスタイルに寄り添い、ホスピタリティを重視した診療と先進的な医療技術により、患者の人生をより豊かに輝かせることを追求しています。
また、「日本の高度な美容医療とホスピタリティを世界へ」という目標を掲げ、海外事業部を設立し、日本国内にとどまらないグローバルな事業展開を加速中。クリニック全体でDXを推進し、業務効率を高めるとともに、洗練された理想の美容医療を提供できるシステムの構築に取り組んでいます。
そんな「BIANCA CLINIC」では、電話受付業務にIVRyを導入し、コールセンターを立ち上げることで、電話業務の効率化と顧客満足度の向上を実現。現在も患者の利便性と顧客対応品質を高めるために業務改善を続けています。
今回は、同クリニックにおけるIVRyの活用方法や導入効果について、ゼネラルマネージャーの池水 真衣子さん、コールセンター担当の中尾 里美さん、石村真緒さん(以下、敬称略)にお話を伺いました。
DXの推進により経営と現場スタッフの業務負担を軽減する
――「BIANCA CLINIC」における皆様の役割やミッションを教えてください。
池水:私はゼネラルマネージャーとして、コールセンターの導入を含め、クリニック全体のDX推進を統括しております。
中尾・石村:私たちはコールセンターの運営を担当しております。コールセンターはクリニックの顔でもあり、私たちの対応がクリニック全体の満足度にも影響するため、常に質の高いホスピタリティを心がけています。
――クリニックのDX推進について、具体的にどのような取り組みをされていますか?
池水:カルテの電子化やAIの活用により業務効率化を図っており、今後もさまざまな分野でAIを活用したいと考えています。特に重視しているのは、経営の負担を軽減することと、現場スタッフの業務負担を減らすことです。この2つを軸にクリニックのDXを推進しています。
急増する予約電話に対応しきれず、クレームや機会損失が発生していた
――IVRy導入のきっかけを教えてください。
池水:クリニックの規模が拡大する中で、予約電話の増加により、既存の固定電話システムでは対応しきれない状況に直面していました。人手を増やすことも一つの選択肢でしたが、将来的な業務の持続性を考えた結果、DXによる業務改善にフォーカスすることにしました。その一環として、電話受付を自動化できるシステムを探していたところ、IVRyを知り、導入に至っています。
――電話応答について、IVRy導入前はどのような課題をお持ちでしたか?
中尾:以前は電話専任のスタッフはおらず、受付担当者が電話応答と院内でのご案内や会計業務などをすべて並行して行っていました。受付の電話が鳴り続けると、患者様が気を遣って「電話に出てください」と言ってくださることもあり、心苦しく感じていました。
石村:電話応答と受付業務を同時にこなさなければならず、多忙な時は、患者様をジェスチャーでご案内せざるを得ないこともありました。また、スタッフルームにいる他のスタッフに急遽電話応答を依頼する場面も多く、日常業務が煩雑化していたのです。
池水:IVRyの導入前は電話がつながらないというクレームをいただくこともあり、このままでは顧客満足度の低下につながるのではないかと危機感を抱いていました。また、固定電話では何本の電話を取り逃がしているのかを把握できないため、その点を可視化できるシステムの導入が急務であると感じていました。
緊急電話への迅速な対応が可能となり、顧客との信頼関係も向上
――IVRy導入後の効果はいかがですか?
中尾:IVRyを導入した目的は、人による電話応答件数の削減と顧客満足度の向上でしたが、その両面で大きな効果を感じています。
「BIANCA CLINIC 銀座」では、月に1,000件以上の電話がありますが、分岐設定を活用してその4割以上を自動化できています。電話の多くは、公式サイトの「よくあるお問い合わせ」に載っているような簡単な質問や、人が対応しなくても解決できる内容なのですが、そういったお問い合わせを自動化できています。
池水:IVRyの導入後、顧客満足度は大きく向上していると感じます。特に導入効果を実感している点は、分岐設定によって電話の緊急性を把握できるようになったことですね。従来の対応方法では、電話に出るまで緊急性を判断できず、特に治療後の経過に不安を感じる患者様にご不便をおかけすることがありました。
IVRyの導入後は分岐設定を活用し、緊急性の高いお問い合わせを優先対応できるように改善しました。現在、緊急のお問い合わせは担当者へ直接通知されるフローになっています。これがクリニックの業務フローに非常にマッチしており、大幅な業務効率化が図れています。
中尾:AIの要約機能にも助けられています。通話内容を要約して文字起こししてくれるため、電話の本数が多いときにも通話の要点をすぐに確認できて便利ですし、時間の節約にもなっています。
また、IVRyを導入したことで、問い合わせの傾向をデータとして把握できるようになったことも大きなメリットです。データを活用して分岐設定を再検討し、人の介入が必要な問い合わせだけがスタッフにつながるよう工夫しています。
IVRyの分岐機能をフル活用。データ分析と設定改善で理想の形へ
――IVRyの分岐機能を最大限に活用されていますね。
池水:IVRyを導入する前の電話内容を分析して、最初から分岐はかなり考慮して作りました。IVRy導入後はデータが分析しやすくなったので、そのデータを基にトライアンドエラーを重ねながら改良を続けています。
石村:分岐設定もそうなのですが、お問い合わせの多い内容に応じた公式サイトの改善にも役立っています。お問い合わせが多いということは、案内がわかりづらい可能性が高いため、サイトやWeb予約の最適化、FAQの追加など、コールセンターのチームで随時改良しています。
――キャンセル受付も自動化されていますよね。
中尾:はい。IVRyの音声録音機能を活用し、予約した日付・時間・お名前を残していただくことで、キャンセルを受け付ける形にしています。患者様からも好評です。
ごく稀に、カルテに登録している電話番号と違うなどの理由で確認が必要になるケースもあるのですが、ほとんど問題なく機能しています。
――今後、電話業務のさらなる改善に向けてどのような取り組みを考えていますか?
中尾:人員を増やしてより多くの電話に対応したいという思いはありますが、現状のスタッフで業務を効率的に進めるためには、IVRyの機能を最大限に活用し、対応漏れを防ぐ体制を整えることが重要だと考えています。
池水:人員を増やす前に、まずはシステムを活用し、効率化を進めながら人の介入が必要な部分を見極めていきたいと考えています。もちろん、人員を増やせると理想的ですが、システムを活用して効率的に対応できる仕組みがさらに充実すると良いと思っています。
――IVRyに期待することはありますか?
池水:分岐を多くすることで悩ましいのが、最初のアナウンスがどうしても長くなってしまうことです。例えば、患者様が最初に用件を伝えることで、AIが自動で適切な分岐へ誘導してくれるようになれば、よりスムーズな予約受付や問い合わせ対応が可能になるのではないかと考えています。それに伴って、当クリニックの顧客満足度もさらに向上すると期待しています。
――最後に、IVRyの導入を検討しているクリニックや企業にアドバイスをお願いします。
池水:まず、IVRyの活用で確実に業務効率化を実現できますので、導入を検討している方にはぜひおすすめしたいです。また、データ分析ができるクリニックや企業であれば、電話業務の効率化だけでなく、WebサイトやWeb予約システムの改善にもつながるはずです。皆様には、データに基づいた改善を積み重ねることが導入成功の鍵になるということをお伝えしたいですね。