50%以上の自動化に成功。インバウンド顧客にも対応する一蘭のIVRy活用法とは
忙しい飲食店にとって、ピークタイムであっても容赦なくかかってくる電話は、お客様にも現場のスタッフにもストレスを与えかねない悩みの種のひとつです。IVRyによる電話応答の自動化で、お客様とスタッフの双方に大きなメリットをもたらした株式会社一蘭のIVRy導入事例をご紹介します。
動画インタビュー
とんこつラーメンを世界一研究し続ける会社として、「天然とんこつラーメン」一本で業界を牽引する株式会社一蘭(以下、一蘭)。日本全国に約80店舗、海外に7店舗の直営店を展開しています(2024年5月時点)。
こだわりの味もさることながら、周りを気にせずにラーメンを楽しめる「味集中カウンター」や、日本語だけでなく英語・韓国語・中国語にも対応した「オーダー用紙」など、「五つの元祖」と呼ばれるオリジナルシステムを擁することから、昨今、世界各国から訪日外国人観光客も押し寄せています。
そんな一蘭では、IVRy導入後、電話で最も多かったお問い合わせを、約50%以上、自動化することに成功。自動音声の多言語化により、インバウンド顧客からの電話にも、スムーズに対応されています。
本記事では、同社 飲食事業部 中村弘一さんに伺った、IVRyの導入背景から活用方法と成果、そして今後の展望までをご紹介します。
一蘭が抱えていた電話業務にまつわる課題とは
——中村さんはデジタル化を推進するチームに所属されているとのことですが、どのような取り組みをされているのでしょうか。
デジタルを用いていかに現場を効率化できるか、AI化を進めていかに作業工数を減らすかといった取り組みを進めています。今後進めていきたいところとしては、オーダー用紙をデジタルに置き換えることで作業効率を上げられないかといったことを考えています。
あとは、一蘭では「空席案内板」という、空いている席が一目でわかるシステムを導入しているのですが、滞在時間をリアルタイムで可視化するなど、デジタル化で実現できることを模索しています。
——電話業務について伺います。ふだん、電話応答はどなたがされていますか?
厨房内のスタッフが対応しています。研修の中に電話応答に関するものがあり、その試験に合格したスタッフだけが電話に出られるようになっています。
——IVRy導入前には、電話業務に関して、どのような課題をお持ちでしたか。
特に、年末年始やゴールデンウィークなどの長期休暇期間中には、お客様からのお問い合わせ電話が非常に多くなります。電話回線は各店舗に1つしかありませんので、1件の電話に出ると、その間にかかってきた電話は通話中になってしまい、お客様をお待たせしてしまう状況がありました。
また、スマートフォンで電話に出られるようクラウドPBXを導入していたのですが、機能面で不満な点があり、代わりとなるサービスを探していました。
現場のスタッフでも設定変更できるシンプルな操作性がIVRyの魅力
——IVRy導入の決め手となったのは、どんな点でしたか。
操作がシンプルにできるので、私たち飲食事業部のニーズとマッチした点です。現場のスタッフが対応することになるので、シンプルに操作ができて、自分たちですぐに変更できるところが良いと思いました。
また、課題となっていた、スマートフォンのアプリで受電することに関しても、品質に問題がないことが確認できました。
約50%の自動化に成功、現場のオペレーションに注力できるように
——IVRyを導入して、どのような効果がありましたか。
電話の内容で圧倒的に多いのが店舗の営業時間に関するものなのですが、そのお問い合わせを約50%以上IVRyで自動化できました。自動化に関しては、営業時間を音声案内で流すようにしたほか、店舗の住所や公式サイトのご案内をSMSで送信するようにしています。何よりも、電話がつながらないことでお客様をお待たせすることがなくなったのが良かったですね。
また、現場のスタッフからは、「電話の鳴る回数が大幅に減った分、本来行うべき接客やラーメンをつくる作業に注力できるようになった」という声が上がっています。
IVRyを導入したことで、お客様にとっても、現場のスタッフにとっても、大きなメリットがあったと感じています。
——ほかにご活用いただいている点を教えてください。
店舗運営をする中で設備のメンテナンスが入るなど、突発的な要因による臨時休業や営業時間の変更が度々発生します。そうしたときにはすぐにIVRyの設定を変えて、お客様に周知できるようにしています。
また、海外からのお客様が8〜9割を占める店舗「道頓堀 別館」においては、最もお問い合わせの多い営業時間に関して、日本語・英語・韓国語・中国語での音声案内を用意しています。
——今後、IVRyの活用をどのように広げていきたいですか。
電話業務に関しては、IVRyによって一部自動化することができましたので、この対応範囲を今後も広げていけたらと考えています。
これからIVRyも進化していくと思いますので、そうした情報をキャッチしながら、お客様と現場のスタッフ双方にメリットのあるものは、積極的に取り入れていきたいです。