7割の電話を削減。湖池屋がIVRyで実現した、代表電話における業務効率化とは

湖池屋は、代表電話にIVRyを導入。新規取引先や個人の顧客からの電話をSMSを活用して自動応答にすることで着電数を大幅に削減、本来の業務に集中できる環境を実現しています。

「カラムーチョ」「すっぱムーチョ」「スコーン」「ポリンキー」「ドンタコス」など、世代を超えて愛されるロングセラー商品を数多く生み出し、日本のスナック菓子業界を牽引してきた湖池屋。1953年の創業以来、日本で初めてポテトチップスの量産化に成功するなど、常に挑戦を続けてきた同社。2017年には、老舗としてのプライドをかけた“本当においしいポテトチップス”「湖池屋プライドポテト」を発売し、高付加価値ポテトチップスという新たな市場を開拓。近年では、“スナック=軽食”と捉えた新機軸商品「ランチパイ」を投入するなど、おやつ以外の新しい食シーンも提案しています。


そんな湖池屋は、代表電話にIVRyを導入。新規取引先や個人の顧客からの電話をSMSを活用して自動応答にすることで着電数を大幅に削減、本来の業務に集中できる環境を実現しています。

IVRyの導入背景から活用方法、成果まで、総務部の村田さん、高橋さん、檜森さん(以下、敬称略)の3名にお話を伺いました。

どの職種においてもDXによる業務改善の可能性がある

湖池屋様での皆様の役割について教えてください。

村田:私たちが所属する総務部は、会社全体の業務を円滑に進めるための様々な業務を担っています。代表電話や来客対応といった日常業務はもちろんのこと、本社ビルの営繕、従業員食堂の運営、社有車管理、BCP(事業継続計画)対策など、その業務内容は多岐にわたります。従業員一人ひとりが働きやすい環境を整備し、快適に業務に集中できるようサポートする、いわば会社の縁の下の力持ち的な存在と考えています。

DX推進について、具体的にどのような取り組みをされていますか?

村田:程度の差はあれど、どのような職種においてもDXによる業務改善の可能性があると考えています。各領域において、担当者一人ひとりがどのようなことができるのかを考え、試行錯誤を繰り返しながら、DXを推進しているのが現状です。

具体的な取り組みとしては、社内の稟議承認プロセスを効率化するワークフローシステムや経費精算システムの導入、日々の受注管理や生産管理、SCM(サプライチェーンマネジメント)のシステム化などが挙げられます。また、EC事業にも力を入れておりますので、OMS(オーダーマネジメントシステム)の導入も進めています。さらに、生成AIの活用など、業務内容の整理・見直しと並行して、業務の最適化を図っています。

月500件のうち8割が新規営業電話。多くの時間を取られていた

——電話業務について、IVRyの導入前は、どんな課題をお持ちでしたか。

村田:以前は部署ごとに固定電話が配備されていたのですが、効率化の観点で各自が携帯電話を持つ形に切り替えました。それにより、本社及び営業拠点においては、対外的に公開される固定電話番号はお客様センターを除くと、代表電話番号、ECお問い合わせ電話番号並びに開示に関するお問い合わせ電話番号になり、既存の取引先からの電話は各自の携帯電話で直接受けるようになりました。

電話の取次ぎが減ったことで、全体的な効率化は進んだのですが、新規の営業電話に関しては、全て代表電話に集約される形になりました。

その結果、代表電話にかかってくる月500件の電話のうち、8割が新規営業電話となり、その対応に多くの時間を取られることが課題となっていました。

新規の営業電話はお繋ぎしないルールになっているのですが、なかなか納得していただけないことが多いです。当然、無理やり電話を切ったり、そっけない対応はできませんので、通話時間がどうしても長くなってしまうのです。

——IVRyを導入しようと思ったきっかけは何ですか?

村田:先述の通り、総務部は少人数体制で、多岐にわたる業務を担っているため、電話の対応に追われると、他の業務に支障をきたしてしまいます。

その時間を別の業務に充てることができれば、従業員へのサービスレベルの向上にもつながると考えたのがきっかけでした。

電話業務の効率化の手段をリサーチする中でIVRyを知ったのですが、IVRyは我々の目的である省人化を実現するうえで、十分な機能を備えていたことと、競合他社と比較しても機能面やコスト面で優れていたことから導入することにしました。

すでにPBXを導入していたので、当初はそれにIVRや録音機能を追加する形も検討したのですが、リサーチを進める中でIVRyを導入したほうが、より業務の最適化を図れるのではないかという結論に至りました。

新規営業電話の7割を削減。ほかの業務に時間を使えるように

——IVRy導入後、どのような効果がありましたか?

高橋:IVRy導入後は、新規営業電話の対応件数が大幅に減少しました。導入前と比べて約7割は削減できたと感じています。

私の業務は従業員社宅や社有車の管理、保険関係が中心なのですが、事務所にいるときは郵便・宅配便対応や電話も多く発生していました。

宅配便の対応をしていたら電話が鳴って、新規営業電話の場合だと相手が話し始めてしまい、電話を切ったらまた鳴って…という形で、すぐに自分の業務に戻れないことが多かったのです。そのため、業務が中途半端になってしまったり、計算していたものなどを最初からやり直したりと、非常に非効率な状況でした。

電話の対応が完全になくなったわけではありませんが、電話に時間を取られることはだいぶ減ったので、本当に助かっています。

檜森:私も高橋と同様に本数が減ったことを実感していて、助かっています。それから、

代表電話にかかってきた電話を従業員の携帯電話などに転送することはお受けしていないのですが、以前は納得していただけないことも多かったのです。でも、IVRyを経由するようになってからは、電話を転送できないことにすぐに納得いただけるようになりました。

おそらく、IVRyでワンクッション挟んでいることで、1度転送されているような認識になり、納得していただきやすくなったのだと思います。

村田:IVRyを導入したことで、全ての電話を取らなくても良い体制が構築できました。それにより他の業務に時間を費やせるようになり、従業員に対するサービスレベルの向上を図れたことが大きいと感じています。

高橋:従業員が総務部に来たときに、対応できなかったり、待たせてしまったりすることがなくなったので、ES(従業員満足度)の向上に繋がっていれば、ありがたいですね。

当然ですが、電話はこちらの都合の良いタイミングでかかってくるわけではありませんので、以前は対応に追われているときでも電話に出る必要がありました。それにより、従業員からの頼まれごとを後回しにして、待たせてしまうことも度々あったのです。

電話が減ったことで、待たせてしまうようなことは減りましたし、精神的にも余裕を持って対応ができるようになったと感じています。自分の業務に集中したいときに、営業電話の対応が立て続けにあると、どうしてもストレスが溜まってしまうこともありましたので。

——今後、どのようなことに取り組んでいきたいですか?

村田:今後の取り組みとしては、電話業務を含めた業務全般において、現状に満足することなく、常に効率化を追求していきたいと考えています。

従来のやり方に固執することで効率化は停滞してしまいますので、いまある業務をどうすればさらに改良できるかを常に考え、ジョブクラフティングの手法を活用して、仕事をよりやりがいのあるものに組み替えていけるようにしたいですね。
この取り組みにより、総務部だけでなく、会社全体の業務効率化に繋げていけたらと考えています。

——今後、IVRyに期待することはありますか?

村田:現状の機能で十分満足なのですが、ずっと利用するものなので、コスト面では更なる低減を期待しています。

また、本社に残っている固定電話に関してもIVRyを導入することで、業務の改善や効率化に繋げられないかなど検討できればと思っています。