基本料金の安さと対応の早さが導入の決め手に。フロントスタッフのストレスを軽減した東横インのIVRy活用

1986年に東京・蒲田に1号店を開業し、2020年には総客室数7万室を突破した東横イン。2022年7月には「出発するホテル。東横INN」としてリブランディングを宣言し、「全国ネットワークの基地ホテル」という新たなブランドコンセプトを体現するサービス・設備の導入を進めています。

1986年に東京・蒲田に1号店を開業し、2020年には総客室数7万室を突破した東横イン。2022年7月には「出発するホテル。東横INN」としてリブランディングを宣言し、「全国ネットワークの基地ホテル」という新たなブランドコンセプトを体現するサービス・設備の導入を進めています。

ホテルの「外」で活躍する人・楽しむ人を応援するためのサービスとして、より上質な宿泊体験を提供する「プレミアムプラスルーム」や、元気な出発を応援する「無料元気朝食」、電動キックボード「LUUP」など、新たなサービスも続々と導入しています。

「『目の前のお客様』と『電話先のお客様』、どちらも大切にしたいからこそ、電話自動応答サービスが必要だった」と語る株式会社東横イン 店舗サポート本部 業務支援部 主任 橋本 晃さんに、IVRyの導入背景から活用方法と成果、そして今後の展望を伺いました。

現場の声を大切にしたDX推進

——まずは橋本さんの役割を教えていただけますか。

私の所属部署は、国内外350以上におよぶ店舗のサポート業務を行っています。具体的には、業務の効率化を図ったり、問い合わせの対応をしています。「どこの部署に問い合わせたらよいか分からない」といった問題も吸い上げて、解決をサポートしています。特に私は、IVRyのようなDX関連サービスの導入を担当しています。

——DX推進という観点では、どのような取り組みを行っていますか。

今回の電話の自動応答サービスのほか、自動チェックイン機の導入や、事前カード決済の促進などを行っています。また、店舗の帳票類のペーパーレス化も実施し、クラウドで管理できるようにしました。

——そうしたDX関連のサービスを導入するうえで、大切にされていることを教えてください。

私がいつも大切にしているのは、現場の声です。導入したものが本当に現場にとって良いものなのかどうかを常に考えています。実際に使ってみて、「こうしたほうが使いやすい」といった現場の声があれば、それをしっかりと反映させながら改善を図っています。東横インでは、現場の支配人やフロントスタッフから出た意見を集約、フィードバックし、導入後も問題がないか確認しながら運用しています。

IVRyで電話業務のストレス軽減を実現

——電話業務について、IVRyの導入前は、どんな課題をお持ちでしたか。

「目の前のお客様に対して丁寧な接客をしたいけれど、その間に電話がかかってきたら取らないわけにはいかない」というジレンマがありました。その結果、接客中に電話が鳴ること自体がストレスになってしまうフロントスタッフが多くいました。

店舗の規模によってフロントスタッフの人数は異なりますが、ごく少人数の店舗もあり、「本当はロビーの清掃をしたいけれど、電話が鳴ったら飛んで戻らなければいけないので離れられない」という声もあります。電話予約の比率が高い店舗では、1日に数十件かかってくることもあったので、この課題を解決するには、電話自動応答サービスが必要だということで、検討を始めました。

——お客様からの電話の内容としては、どんなものが多いですか。

予約の確認や到着時間の変更連絡、あとは道案内も多いと聞いています。特に、道案内は応答時間が長くなるケースもあるので、悩みの種のひとつでした。

——数ある電話自動応答サービスのなかで、IVRyを選ばれた理由を教えてください。

電話自動応答サービスには設置型とクラウド型の2種類がありました。まず、設置型のサービスについて検討したのですが、イニシャルコストが非常に高額で、さらに設置後の設定も外部業者に依頼しなければならず、追加コストがかかることが分かりました。全店舗に導入するのは現実的ではないと判断しました。

一方、クラウド型のサービスを比較検討したところ、IVRyは基本料金が安く、コスト面で優れていました。また、トライアルを申し込んだ際に迅速に対応してくれたことも好印象でした。

IVRyはまだ若い会社ということもあり、「一緒に成長したい」という思いもありましたね。

——実際にIVRyを導入されて、現場からはどんな声がありましたか。

導入後の効果として、「電話が取れなくても音声自動応答してくれる安心感があり、目の前のお客様に集中して丁寧な接客ができるようになった」という声が多く聞かれました。お客様からの電話がIVRyにつながると録音する旨のアナウンスが流れるため、「用件が不明瞭な電話が減った」という声もありました。

また、フロントスタッフにアンケートを実施したところ、「満足」の結果が多く得られています。
さらに、新しい機能や分岐の追加についてのアイデアも出てきており、今後の改善に役立てたいと考えています。

店舗の状況に応じて自動応答できる領域を広げていきたい

——具体的に、どのような内容をIVRyの自動応答で対応されていますか。

到着遅延や当日の空室状況、駐車場の案内を自動音声で案内しています。あとは、翌日以降の新規予約をご希望の場合やアクセス情報を知りたい方には、SMSで公式サイトを案内しています。

対人によるご案内をご希望されるお客様は、フロントの電話につながるようにしていますので、フロントでの電話業務がゼロになったわけではありません。
現場から「こういう分岐をつくってほしい」という声も上がってきていますので、今後、さらにバリエーションを増やす可能性もあります。

——IVRyで録音されたデータを何かに活用されていますか。

そうですね。まず、新人研修に使っています。一緒に録音データを聞きながら、「ここはこういう言い方にしたほうが良かったね」と指導するような使い方ですね。また、予約内容の確認にも使っています。自分でメモした内容と録音データをすり合わせることで、間違いが減ったと聞いています。

——その他、IVRyの機能で役立っているものはありますか。

録音機能と、その録音を自動で文字起こしし、さらに要約してくれるところが非常に役立っています。音声をそのまま聞き直すと時間がかかりますが、文字起こしがあると必要な箇所だけを確認できるので便利です。

基本的に本社側で録音データを聞くことはないのですが、ごくまれにクレームになった対応を確認するうえで活用しています。

——今後、IVRyの活用において、どのような取り組みをしていきたいですか。

今はほぼ全店舗で同じ設定にしているので、今後は各店舗の状況に合わせた分岐を作成していけたらと考えています。特に対応したいのは駐車場に関することで、店舗によって駐車場の有無や台数、先着順か予約制かといった違いがあるため、各店舗に合わせた分岐にしていきたいです。あと、シャトルバスのある店舗では、乗り場の案内や運行頻度などの案内にも、IVRyを活用していきたいですね。

分岐以外の観点では、現状「着信から15秒の間に電話を取れなければIVRyに転送する」という設定にしているのですが、いずれこの時間をもっと短くして、一次応答はIVRyに任せる体制を作りたいと考えています。

各店舗の支配人の意向にも耳を傾け、IVRyの皆さんにもご協力いただきながら、今後もより良い運用につなげていけたらと思います。