AI電話対応とは?仕組みから比較ポイントまで徹底解説

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「AI電話対応」の導入で業務を効率化する方法を解説します。基本的な仕組みから、IVRとの違い、導入するメリット・デメリットまで、基礎から丁寧に説明します。おすすめサービスの料金や機能の比較、失敗しないための選び方のポイントも。GoogleやPixelでの利用方法など、よくある質問にもお答えします。

ビジネスの現場では、日々多くの電話対応が発生します。特にコールセンターや受付窓口では、定型的な問い合わせや予約対応などに多くの手間が割かれており、人手不足や対応のばらつきといった課題が顕在化しています。

こうした状況のなか、電話業務を効率化する手段として注目されているのが「AI電話」です。

本記事では、AI電話の仕組みをはじめ、導入するメリットや活用が進む業界、おすすめのAI電話サービスをご紹介します。電話業務の効率化や人手不足対策を検討している企業の担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

AI電話とは?仕組みや主な機能

AI電話とは、人工知能が人間に代わって電話対応を行うシステムです。音声認識のほか、自然言語処理(NLP)、大規模言語モデル(LLM)、音声合成などの技術を用いて、電話をかけて来た方が話した内容を理解し、自動で適切な返答をします。

仕組みとしては通話の音声をテキストに変換し、その内容を解析して回答を生成、さらに合成音声で返答するプロセスが基本です。AIは機械学習により対応精度を継続的に向上させるため、複雑な質問にも答えられる柔軟性があります。

主な機能

AI電話の主な機能は以下の通りです。

  • 音声自動生成(音声合成) :AIが作成したテキスト回答を自然な音声に変換し、発信者へ返答する機能。
  • 音声認識・自動文字起こし :通話内容をリアルタイムでテキスト化する機能。記録や分析、議事録作成などに活用できます。
  • 自然言語理解・対話生成 :電話をかけてきた方の話した内容をAIが理解し、最適な回答を自動生成する機能。

IVR(電話自動応答)との違い

IVR(電話自動応答)は、あらかじめ設定された音声ガイダンスに従い、番号をプッシュして操作する仕組みです。そのため、シナリオにない問い合わせには対応できません。

一方、AI電話は音声認識などの技術を使い、発信者の言葉を理解した上で応答できる点が大きく異なります。AIが内容を解析して回答するため、IVRよりも柔軟な対応が可能です。

比較項目

IVR(Interactive Voice Response)

AI自動音声

システムの種類

コンピュータによる自動音声応答システム

AIを活用した自動音声応答システム

対応可能時間

曜日や時間帯を問わず対応可能

曜日や時間帯を問わず対応可能

操作方法

自動音声ガイダンスに従いプッシュボタン操作で進める

自然な会話で質問や要望を伝えることができる

質問の自由度

事前に用意された選択肢の中から選ぶ必要があり、自由な質問は困難

AIが質問内容を解析し適切な回答を行うため、自由な質問が可能

対応の柔軟性

事前に設定されたシナリオに沿った対応のみ

状況に応じて柔軟な対応が可能

詳しくは関連記事の「IVR(電話自動応答)とは?仕組み・費用・比較ポイントを解説」をご覧ください。

AI電話で対応するメリット

電話対応の自動化は、DX推進の第一歩として取り組みやすい領域です。電話業務をAI電話に置き換えることで、以下のようなメリットがあります。

電話対応業務を効率化できる

AI電話は、問い合わせ内容を音声解析によって理解し、自動で適切な回答をします。オペレーターはAIが収集した事前情報をもとに、効率的な対応が可能となり、業務負荷の軽減を図れるでしょう。

AI電話では複雑なシナリオ設計が不要で、問い合わせ内容の変化にも柔軟に対応できるため、業務効率の向上に寄与します。また、通話音声がリアルタイムで文字起こしされることで、対応履歴の記録や社内共有がスムーズになり、対応漏れの防止やナレッジの蓄積にもつながります。

営業時間外の機会損失を防げる

AI電話は24時間365日稼働できるため、営業時間外の問い合わせにも即時応答できます。夜間や休日の問い合わせにも、基本的な内容であればAIが即座に解決でき、顧客満足度の向上につながります。

人件費を削減できる

AI電話を導入し、定型的な問い合わせ対応を自動化すれば、オペレーターの稼働を必要最小限に抑えることが可能です。

顧客への一次対応をAI電話が担い、複雑な内容のみを人間が引き継ぐ体制を構築できます。有人・無人の切り分けができるようになることで、オペレーターの配置数を減らせるため、人件費の削減につながります。

AI電話で対応するデメリットと対策

AI電話は多くのメリットがある一方、導入前に知っておくべきデメリットも存在します。ここでは、AI電話の主なデメリットとその対策について解説します。

音声認識の精度は100%ではない

AIの音声認識技術は日々向上していますが、完璧ではありません。周囲の騒音、話者の滑舌や方言、専門用語など、認識精度が落ちる要因はさまざまです。AIが言葉を正しく聞き取れないと、用件を正確に把握できず、かえって顧客満足度を下げてしまう可能性もあります。

対策として、AIとの通話内容を人が確認できるサービスを選ぶ ことが重要です。例えば、文字起こしがチャットに通知される機能があれば、誤認識にも担当者が気づきやすくなるので的確なフォローが可能です。

詳しくは関連記事の「音声認識IVR完全ガイド!導入メリットから費用まで徹底解説」をご覧ください。

学習に手間がかかる場合がある

AI自動音声の効果は、学習データの質と量に大きく左右されます。学習が不十分だと、顧客の発言を正しく認識できなかったり、意図を汲み取れなかったりするため、ストレスの原因になりがちです。

対策として、手厚いサポート体制や導入実績を持つサービスを選ぶことが重要です。

AI電話は人とのハイブリッド運用がおすすめ

AI電話の導入を成功させるには、全てをAIに任せるのではなく、人とAIの役割分担を明確にすることが大切です。

例えば、予約の受付や不要な営業電話はAIが担当して業務を効率化し、個別相談やクレーム対応といった問い合わせにはスタッフが対応します。

このように、AIを最初の窓口として活用し、必要な場合にのみ人へスムーズに引き継ぐ体制を整える ことで、対応品質を落とさずに業務全体の生産性を向上させることが可能になります。

【業界別】AI電話代行サービスの活用事例

ここでは、AI電話代行サービスを活用して成果を上げている企業の事例を3つ紹介します。

観光業: AI電話代行と有人応答の併用で電話業務を効率化

オリーブ製品の製造・販売を手掛ける小豆島ヘルシーランド株式会社では、1日に20件近くかかってくる営業電話によって、本来の業務が中断されてしまうことが課題でした。

そこで電話自動応答サービス「アイブリー」を導入。サービスに関する問い合わせはAI電話代行サービスがヒアリング し、取引業者からの電話は担当者へ転送する体制を整えました。

AI電話と有人対応を使い分けることで、不要な営業電話は大幅に削減され、必要な電話だけに効率よく対応できるようになっています。

【導入事例】AI電話応答と有人応答の併用で電話業務を効率化!営業電話対応を大幅に削減

クリニック:AI電話の活用で応答漏れの解消とコスト半減

菅野歯科医院では、他社の電話自動応答サービスを利用していましたが、着信履歴の確認がPC限定であったり、システムの更新が手動であったりと使い勝手に課題を抱え、応答漏れが発生していました。

そこで「アイブリー」に切り替えたところ、AI電話代行サービスが用件を伺い、その内容を自動で文字起こし・要約 。LINEですぐに通知されるため、迅速に着信内容を把握できるようになり、折り返し対応もスムーズになりました。

結果、応答漏れは解消され、以前のサービスと比べてコストを半減することにも成功しました。

【導入事例】他社の電話自動応答サービスからIVRyに切り替え。AI電話代行サービスの活用で応答漏れの解消とコスト半減を実現【菅野歯科医院】

IT業界:有人代行からAI電話代行へ切り替えコスト削減

株式会社クラウドワークスでは、有人電話代行サービスからAI電話代行サービスへの切り替えで、スムーズかつ大幅なコスト削減に成功しています。

導入当初はAIによる対応品質への懸念があったものの、一次応答後にSlackで内容が通知される運用フローは従来と変わらず、AIからの取次も有人対応と遜色ないレベル でした。

「アイブリー」へ切り替えたことで、これまでかかっていた営業電話への対応コストなどが削減され、想定以上の費用対効果が生まれています。

【導入事例】有人代行からIVRyのAI電話代行サービスへ切り替え。コストと対応工数の大幅削減を実現!【株式会社クラウドワークス】

AI電話サービスの選び方・比較ポイント

AI電話サービスを選ぶ際は、自社の状況や目的に合わせ、多角的な視点から比較検討することが重要です。ここでは、選定時にチェックしたいポイントを6つ紹介します。

自社の状況に合っているか

飲食店の予約受付やよくある質問への自動応答機能など、自社の業種や解決したい課題に特化した機能があるかを確認しましょう。

音声認識の精度は十分か

専門用語や固有名詞を多用する業界では、辞書登録機能などで認識精度を高められるかが重要です。また、ピーク時の入電数に対応できるか同時接続数も確認しましょう。

サポート体制は手厚いか

AI電話の応対に問題がないかを検証することは顧客体験を左右する重要な要素です。専門スタッフによる導入支援や、運用開始後のコンサルティングサービスがあると安心です。

セキュリティ対策は万全か

顧客情報を取り扱う上で、PマークやISMS認証などを取得している信頼性の高いベンダーを選びましょう。契約期間や解約条件も事前に確認が必要です。

外部ツールと連携できるか

将来的にCRM(顧客管理システム)などとの連携を考えている場合は、API連携が可能かを確認しましょう。サービスのアップデート頻度も将来性を見極める上で参考になります。

料金・費用で比較する

AI電話サービスの料金体系は、提供するベンダーによって大きく異なります。自社の予算や利用規模に合ったサービスを選ぶためには、複数のサービスを比較検討することが不可欠です。

一般的に、料金は「初期費用」「月額基本料金」「従量課金(通話料など)」で構成されます。月額料金が安くても、通話時間や回数に応じて費用が加算されるプランもあるため、表面的な価格だけで判断するのは危険です。

まずは自社で想定される月間の受電件数や通話時間を算出し、いくつかのサービスの料金プランに当てはめてシミュレーションしてみましょう。必要な機能とコストのバランスを見極めることが、失敗しないサービス選びの鍵となります。

AI電話自動応答サービス6選

ここではAI電話自動応答サービスを6つご紹介しましょう。

AI電話代行サービス「アイブリー」(株式会社IVRy)

AI電話代行サービス「アイブリー」は、AIオペレーターが電話対応し、通話内容を自動でテキスト化・要約してLINE、Slack、Chatwork、メールなどへ通知する機能を備えています。これにより、電話業務と情報共有の効率化を図れます。

電話対応時の音声はAIによって自動生成され、人間らしい自然な会話が可能です。電話相手に違和感を与えにくく、スムーズな電話対応を実現します。

また、ハルシネーション(AIの誤認識)を防ぐ仕組みを導入しており、用件を聞き取れない場合は聞き返します。さらには誤認識が発生しないように通話内容を確認する対策(読み上げ)もされています。

VoiceX AI(株式会社コムスクエア)

「VoiceX AI」は、通話内容を高精度にテキスト化し、ChatGPTと連携して自動で要約・分析するサービスです。AIとの連携により、通話後の入力作業や内容確認の手間を大幅に削減できます。

RecACE plus(株式会社アセンド)

「RecACE plus」は、固定電話の通話内容をAIが自動で文字起こし・要約し、スマートフォンアプリやメールで共有できるサービスです。重要な問い合わせはプッシュ通知で即時に把握でき、全拠点の通話内容も一括管理できます。

KDDI Voice Viewer(KDDI株式会社)

「KDDI Voice Viewer」は、通話録音データをクラウド上で管理するサービスです。生成AIによる音声通話テキストの要約やToDoリストの自動作成機能を備え、業務効率化とタスク管理の最適化を実現できます。

DXでんわ(メディアリンク株式会社)

「DXでんわ」は「電話対応をゼロにする」を掲げる自動音声応答サービスです。AIが通話内容の文字起こし・解析をし、要点を自動で要約・通知します。

MooA CommNavi(モビルス株式会社)

「MooA CommNavi」は、通話内容をリアルタイムで文字起こしし、生成AIによる要約やQAドラフトの作成、対応評価などを行うオペレーター支援ツールです。CRM連携によるACW(平均後処理時間)の削減や、対応品質の均一化も実現できます。

AI電話に関するよくある質問

GoogleのAI電話(Pixelの自動応答など)とは?

GoogleのAI電話は、主にGoogle Pixelスマートフォンに搭載されている個人向けの機能です。「Googleアシスタント」を活用し、ユーザーに代わって電話に応答します。

代表的な機能に「通話スクリーニング(旧:代わりに待ってて)」があり、知らない番号からの着信に応答すると、Googleアシスタントが相手の用件を聞き取り、リアルタイムで文字起こしします。 これにより、ユーザーは迷惑電話や営業電話に対応することなく、重要な電話だけを選んで出ることが可能です。

ただし、これはビジネス向けのAI電話サービスとは異なり、あくまで個人のスマートフォン利用を補助する機能です。

iPhoneやAndroidスマホでAI電話は使えますか?

スマートフォンのOSに標準搭載されている機能としては、Google PixelシリーズのAI電話が代表的です。 一般的なAndroidスマートフォンやiPhoneには、同様の標準機能は搭載されていません。

ただし、本記事で紹介しているようなビジネス向けのAI電話サービスの多くは、専用のスマートフォンアプリを提供しています。これらのアプリを利用すれば、外出先でもAI電話の応答内容を確認したり、設定を変更したりすることが可能です。

迷惑電話対策が目的であれば、キャリアが提供するブロックサービスや、サードパーティ製の迷惑電話対策アプリを検討するのも一つの方法です。

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AIが用件をヒアリング、文字起こしをチャットに通知

アイブリー」では、AI(ボイスボット)が顧客の用件をヒアリングし、通話内容を自動で文字起こしします。更にメールやチャットツールへ通知する機能も提供しています。

AIの音声認識技術を活用して顧客の声を正確にテキスト化し、理解・分析することで、適切な対応を自動で行います。顧客はまるで人と会話しているかのように自然でスムーズなやり取りを体験できます。

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アイブリー編集部のプロフィール画像

アイブリー編集部

(株式会社IVRy / アイブリー編集部)

アイブリー編集部です。電話に関する様々な情報をわかりやすく解説します。 【アイブリーとは?】 アイブリーは月額 3,317円(※1)から利用できるAI・IVR電話自動応答サービスです。AIが設定をサポートし、営業電話・顧客からの問い合わせ・注文・予約等の様々なシーンを自動化します。最短1分で利用開始でき、30着電まで無料でお試しいただけます。 ※1: 年払いの場合/電話番号維持費除きます

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