【フリーランス・個人事業主向け】仕事用の電話番号を取得するにはどうするのが良い?

ビジネスを円滑に進めるうえで、電話は欠かせないツールです。とはいえ、市外局番や090など多様な番号があり、取得方法も豊富なため、どの方法を選ぶべきか悩むフリーランスや個人事業主の方も少なくありません。
電話番号を取得する際は、選ぶ番号の種類によって顧客や取引先への印象が変わります。さらに、機能やコストも異なるため、あらかじめ要件を整理し、最適な方法を選ぶことが大切です。
本記事では、フリーランスや個人事業主向けに、仕事用の電話番号を取得する流れ、取得できる電話番号の種類、種類ごとの取得方法を解説します。
個人事業主に仕事用の電話番号は必要?
結論から言うと、個人事業主が仕事用の電話番号を持つことは、ビジネスを円滑に進めるうえで非常に重要です。プライベートの電話番号を仕事で使うことも可能ですが、顧客や取引先に「事業として真剣に取り組んでいるのか」という不安を与えかねません。
特に、法人口座の開設や金融機関からの融資を検討している場合、固定電話番号の有無が社会的信用度を測る一つの指標となることがあります。 プライベートとビジネスを明確に分けることは、事業の信頼性を高め、将来の成長を見据えた重要な投資といえるでしょう。
仕事とプライベートを分けるメリット・デメリット
仕事用の電話番号を持つことで、多くのメリットが生まれます。一方で、わずかながらデメリットも存在するため、両方を理解したうえで判断することが大切です。
メリット
* プライベートの時間を確保できる: 営業時間を設定し、時間外は留守番電話や自動応答に切り替えることで、仕事の連絡にプライベートな時間を邪魔されなくなります。
* 経費管理がしやすい: 事業専用の電話であれば、月額料金や通話料をすべて経費として計上できます。プライベートと兼用の場合は、複雑な家事按分が必要です。
* 電話業務の管理・引継ぎがスムーズ: 連絡先が一本化されているため、顧客管理がしやすくなります。将来的に従業員を雇用した場合でも、スムーズに電話対応業務を引き継げます。
デメリット
* コストがかかる: 新たに電話番号を取得・維持するための初期費用や月額料金が発生します。
* 管理の手間が増える: 管理する電話番号が一つ増えます。
コスト面が懸念点となりがちですが、後述するように、現在ではIP電話アプリやクラウドPBXなど、低コストで手軽に導入できるサービスも増えています。
仕事用の電話番号の取得ステップ
仕事用の電話番号は、次の2ステップで取得可能です。
電話番号を取得するサービスを決める
番号の種類を決めたら、電話番号を取得するサービスを選びます。NTT系列やドコモといった通信事業者やIVRサービスが代表的な選択肢です。サービスによって使用できる機能が異なるため、自身のニーズに合ったものを選びましょう。
詳しくは関連記事の「【2025年】電話番号取得サービスの最安値は?10社を徹底比較!」をご覧ください。
番号の種類を決める
まずは、利用する電話番号の種類を決めましょう。選択肢には、03や06などの市外局番からはじまる固定電話、050からはじまるIP電話番号などがあります。
電話番号の取得方法
ここでは、仕事用の電話番号を取得する方法について解説します。
通信事業者(NTT、KDDI、ソフトバンクなど)から取得する
NTTなどの通信事業者からは、次の電話番号を取得できます。
- 固定電話番号(市外局番:例「03」「06」など)
- 携帯電話番号(090・080・070)
- フリーダイヤル番号(0120・0800)
- ナビダイヤル番号(0570 )
IVRサービスから取得する
IVRサービスからは、次の電話番号を取得できます。
- 固定電話番号(市外局番:例「03」「06」など)
- IP電話番号(050)
- フリーダイヤル番号(0120・0800)
- ナビダイヤル番号(0570)
サービスによって取得できる電話番号の種類は異なりますが、選択の幅が広い点が特徴です。
詳しくは関連記事の「IVR(電話自動応答)とは?仕組み・費用・比較ポイントを解説」をご覧ください。
IP電話サービスから取得する
IP電話サービスからは、次の電話番号を取得可能です。
- 固定電話番号(市外局番:例「03」「06」など)
- IP電話番号(050)
ただし、IP電話サービスから取得した固定電話番号は、電話回線では使用できません。IP回線での利用のみとなりますのでご注意ください。
仕事用に利用できる電話番号の種類
固定電話番号(市外局番)
固定電話番号は「03」「06」といった地域の市外局番が付いた番号です。
- メリット
- 特に大企業や法人との取引において、高い信頼性を得られる点が特徴です。顧客や取引先に対して事業者からの電話であることを認識してもらいやすくなるほか、金融機関への事業の実在性を証明する手段として有効です。
- 携帯電話番号と比べて、顧客からの折り返し電話が期待できる点も大きなメリットです。
- デメリット
- 住所が変わると電話番号を変更する必要があり、継続性が損なわれる場合があります。
また、設置に初期費用がかかり、毎月の利用料も発生することから、予算を考慮して選択しなければなりません。さらに、IVRサービスで利用可能かどうかは、サービス提供会社により異なるため、事前に確認が必要です。
IP電話番号(050)
IP電話番号は、インターネット回線を利用して発信・着信を行う番号で、コストパフォーマンスに優れています。
- メリット
- 固定電話番号と比べて、初期費用や月額費用が低い点が魅力です。柔軟性も高く、オフィス移転時にも番号を変更する必要がありません。
- デメリット
- IP電話番号は一般的にネット通販やプライベート用途のイメージが強く、事業用としての信頼性に欠ける点がデメリットです。
- 通信品質がインターネット環境に依存するため、ネットワークが不安定な場合には通話が途切れるリスクもあります。
詳しくは関連記事の「固定電話を新規契約する完全ガイド|最も安く手間なく導入する方法」をご覧ください。
携帯電話番号(090,080,070)
携帯電話番号は「070」「080」「090」から始まる番号です。外出が多いフリーランスやリモートワーカーに向いています。
- メリット
- 携帯電話ショップが非常に多いため、店舗で契約手続きをスムーズに行えます。
- 外出先でも電話を受けることができ、利便性の高さが大きな魅力です。
- デメリット
- 携帯電話番号は、事業での利用においては信頼性の面で課題があります。迷惑電話と誤解されるケースが多く、顧客からの折り返し電話を得られないおそれがあります。
- 一部の番号にはフリーダイヤルなどへの発信制限があるほか、通話料金が高めなこともデメリットです。
取得方法・種類ごとの料金比較
仕事用の電話番号を取得する主な方法として、「固定電話(NTT加入電話)」「IP電話(050番号)」「クラウドPBX」の3つが挙げられます。それぞれの料金や特徴を比較し、自身の事業に合った方法を選びましょう。
取得方法 | 初期費用の目安 | 月額料金の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
固定電話(NTT) | 30,000円~40,000円 | 2,500円~ | 社会的信用度が最も高い。通話品質が安定。 |
IP電話(050番号) | 0円~数千円 | 0円~1,000円程度 | 低コストで導入可能。インターネット回線を利用。 |
クラウドPBX | 0円~10,000円 | 1,000円~5,000円 | 低コストで固定電話番号が持てる。スマホアプリで利用可能。 |
コストを抑えつつ信頼性も確保したい場合はクラウドPBX、とにかく手軽に始めたい場合はIP電話(050番号)が有力な選択肢となります。
個人事業主が固定電話番号を取得するメリット
個人事業主が事業用の電話番号として固定電話を選ぶことには、多くのメリットがあります。ここでは、特に重要な3つのポイントを解説します。
顧客や取引先からの信頼獲得
「03」や「06」といった市外局番から始まる固定電話番号は、携帯電話番号や050番号に比べて社会的な信頼性が高い(※1) とされています。
特に法人との取引では、会社の所在地がわかる市外局番付きの番号が好まれる傾向にあります。携帯電話番号はプライベートな印象を与えたり、050番号は営業電話と誤解されたりする可能性があるため、ビジネスの「顔」として信頼感のある固定電話番号は大きな武器となるでしょう。
融資を受けやすくなる
事業を拡大していく上で、金融機関からの融資は重要な選択肢の一つです。法人口座の開設や融資の申し込み時、固定電話番号の有無が審査項目に含まれることは珍しくありません。
固定電話番号は、事業の実在性や継続性を証明する要素の一つとして評価されるため、取得しておくとスムーズな資金調達につながりやすくなります。
固定電話並みの音声品質
ビジネスにおける電話は、重要な内容を正確に伝えるためのコミュニケーションツールです。IP電話はインターネット回線の状況によって音声が不安定になることがありますが、固定電話番号は総務省により「アナログ回線と同等のレベル」という厳格な品質基準が設けられている(※2) ため、安定した高い通話品質を保つことができます。
クリアな音声で通話遅延もほとんどなく、聞き間違いなどのトラブルを防げるため、顧客や取引先にストレスを与えることなく円滑なコミュニケーションが実現します。
おすすめは「固定電話番号」×「IVRサービス」
仕事用の電話番号としておすすめなのは、固定電話番号とIVRサービスの組み合わせです。その理由について解説します。
固定電話番号の信頼感
固定電話は、迷惑電話と誤解されにくく、顧客からの折り返し率が高いことが特徴です。また、金融機関の口座開設や契約時にも、固定電話番号があれば事業の実在性を証明しやすく、フリーランスや個人事業主の開業時にも重要な役割を果たします。
初期費用・月額費用が安い
初期費用は0円から数千円程度と手軽に導入でき、月額費用も数千円程度です。
また、IVRサービスはインターネット回線を利用するため、遠距離での通話料も電話回線より格段に安くなります。
多機能でビジネス効率化を実現
IVRサービスは、自動応答や転送機能により、営業時間外や不在時の顧客対応を効率化できます。さらに、通話履歴の管理や顧客情報の統合など、顧客対応を強化するための機能も充実しています。迷惑電話対策のための機能も備えており、日常業務の負担を軽減しながら生産性を向上させることが可能です。
【独自調査】IVR導入で電話対応の効率化「非常に実感」「やや実感」が80%
編集部では、経営者や役員を含む会社員を対象に、IVR(電話自動応答)に関するアンケートを実施しました。「IVRを導入する前と比べて電話対応業務の効率化を実感しているか?」との問いには、「やや実感している」と答えた方が65.2%と最も多くなりました。
「非常に実感している」(14.8%)と合わせると80.0%の方が、IVRの導入によって電話対応業務の効率化を実感していることになります。
Q:IVRを導入する前と比べて電話対応業務の効率化を実感していますか?

(調査名:IVR導入企業向けアンケート調査、調査対象:25〜65歳の経営者・役員・会社員、有効回答数:230件、調査実施日:2025年9月29日、調査手法:インターネット調査、調査実施会社:株式会社IVRy)
個人事業主の電話番号に関するよくある質問
ここでは、個人事業主の方が電話番号を取得する際によく抱く疑問にお答えします。
開業届に記載する電話番号は?
開業届の電話番号欄には、プライベート用の番号を記載しても手続き上は問題ありません。しかし、税務署や金融機関からの連絡が入る可能性を考慮すると、事業用の電話番号を記載する方が望ましいです。 事業の実在性を示す一つの要素となり、信頼性の向上につながります。
電話料金は経費にできる?
事業を運営するためにかかった電話料金は、経費(通信費)として計上できます。
仕事専用の電話番号であれば、月額料金や通話料の全額を経費にできます。 一方、プライベートと兼用の電話番号の場合は、事業で使った分だけを按分計算(家事按分)して計上する必要があり、手間がかかります。経理処理をシンプルにするためにも、仕事用の電話番号を別途取得するのがおすすめです。
無料で仕事用の電話番号を取得できる?
完全に無料で、かつビジネス利用に耐えうる品質と信頼性を備えた電話番号を取得するのは難しいのが現状です。
無料の電話番号アプリなども存在しますが、通話品質が不安定であったり、広告が表示されたり、サービスが突然終了したりするリスクがあります。顧客からの大切な連絡を受けるビジネスの窓口として利用するには、信頼性の面で推奨できません。 低コストで運用したい場合は、月額数百円から利用できるIP電話(050番号)サービスなどを検討しましょう。
アイブリーとは?
「アイブリー」はIVR(電話自動応答・Interactive Voice Response)を活用したサービスで、電話の着信に対して自動音声ガイダンスが応答し、顧客のボタンプッシュ操作や音声認識をもとに 適切な内容を返答するクラウド型の電話自動応答システムです。
日本全国どこからでも利用でき、初期費用不要・月額3,317円*〜で導入できることから、電話業務の負担軽減や人手不足解消のツールとして利用されるケースが増えています。
*年払いの場合/電話番号維持費を除きます
どんな業種のどんな用件でも電話の一次対応が可能
「アイブリー」はAIによるテキストの自動読み上げで電話の一次対応を行います。自動応答用のテキストは自由に作成できるため、どんな業種のどんな用件でもスムーズに対応できるのが特徴です。
複雑な問い合わせや担当者への確認が必要な用件は音声録音(留守電)やAI電話(ボイスボット)が一次対応し、メールやSMSで通知を受け取ることができます。
コールセンターや電話代行よりも導入が簡単
「アイブリー」は導入の手間が少ないこともメリットのひとつです。コールセンターや電話代行サービスの場合、オペレーターへの事前インプットや綿密なコミュニケーションが必要になり、運用開始までに時間がかかることが多くあります。
「アイブリー」は申し込み手続き完了後、利用デバイスに応じてアプリをインストールするか、ブラウザからログインして電話対応のルール(分岐)を設定するだけです。
月額3,317円*〜最短即日から利用可能
「アイブリー」は電話の自動応答のほかにも、迷惑電話対策や多言語対応など、電話業務を便利にする機能が 豊富にあり、月額3,317円*~という低コストで導入可能です。申し込み後は最短当日から使い始めることができるので、すぐに利用したいケースにも対応できます。
電話対応の効率化や品質向上、業務改善をお考えなら、ぜひ「アイブリー」をお試しください。
*年払いの場合/電話番号維持費を除きます
※2025年11月1日、料金プランの月額料金およびサービス内容を改定させていただきました。今後もお客さまに安心してご利用いただけるサービスを提供してまいります。
料金プランの改定内容については、下記のURLからご確認ください。
