水戸市の中小企業振興支援補助金とは？新製品開発やDX化などを支援

茨城県水戸市内で事業を営む中小企業の経営者のなかには、新製品開発やDX化、人材育成などに取り組みたいものの、コスト面で課題を抱えている方もいるのではないでしょうか。水戸市では、市内にある中小企業のこうした前向きな取り組みを後押しするため、「中小企業振興支援補助金」を設けています。

本記事では、この補助金の具体的な内容、対象事業、申請の流れについてわかりやすく解説します。

水戸市の中小企業振興支援補助金とは

水戸市の「中小企業振興支援補助金」は、市内の中小企業が直面する経営課題の解決を支援する制度です。企業の多様なニーズに応えるため、目的別に5つの事業区分が設けられています。

対象となる事業者と主な目的

この補助金の対象となるのは、以下の要件を満たす中小企業者です。

• 水戸市内に事業所を有し、事業を営んでいる
• 市税を完納している

エネルギー価格の高騰や人材不足、デジタル化への対応といった現代的な課題に対処することなどを主な目的としています。

「中小企業振興支援補助金」の主な交付要件

補助金の対象となる5つの事業について、それぞれの要件、補助率、上限額は異なります。自社の取り組みがどの事業に該当するのか、以下の表でご確認ください。

新製品・新技術開発事業

企業の独自技術や新製品の開発を支援する事業です。開発に必要な原材料の購入費、機械・工具の購入・レンタル費用、試作品の製作を外部に委託する費用などが対象です。

デジタルツール導入事業

労働生産性の向上や、新たな営業・生産体制の構築を目的としたデジタルツールの導入を支援します。キャッシュレス決済端末や自動精算機、生産管理システム、AI（人工知能）の導入などにかかる経費が対象です。

人材確保・育成事業

従業員のスキルアップや、新たな人材の確保・育成に関する取り組みを支援します。従業員が技術向上のために受講する講座の費用、資格の受験料、インターンシップの受け入れ費用などが対象です。

販路拡大事業

製品やサービスの販路拡大を目的とした広報活動などを支援する事業です。展示会や商談会への出展料、ブースの装飾費、配布用パンフレットの作成費、ホームページの新規作成や更新を外部に委託する費用などが対象です。

ISO等認証取得事業

ISO（国際標準化機構）やJIS（日本産業規格）といった規格の認証を新たに取得する際の取り組みを支援します。認証取得に必要な管理マニュアルの作成、審査登録機関に支払う経費などが対象です（更新は対象外）。

補助金の申請方法と流れ

中小企業振興支援補助金の申請から交付までの主な流れは、以下の通りです。交付決定前に事業を開始したり、経費を支払ったりすると補助対象外となるため注意しましょう。

1. 交付申請：必要書類を揃えて、水戸市商工課に提出します。
2. 審査・交付決定：市による審査が行われ、採択されると「交付決定通知書」が届きます。
3. 事業実施：交付決定後、計画に沿って事業を開始します。
4. 実績報告：事業が完了したら、速やかに実績報告書と経費の支払いを証明する書類を提出します。
5. 完了検査・補助額確定：市が実績報告を検査し、補助金の最終的な金額が確定します。
6. 請求・交付：確定した金額を市に請求すると、指定の口座に補助金が振り込まれます。

申請に必要な書類と提出先

申請には、主に以下の書類が必要です。様式は、水戸市の公式ウェブサイトからダウンロードできます。

• 交付申請書
• 実施計画書
• 事業所の所在地が分かる書類（登記事項証明書の写しなど）
• 市税等完納証明書
• 経費の内訳が分かる見積書の写し
• 事業の概要が分かる書類（導入する設備のカタログなど）

提出先・問い合わせ窓口 部署：水戸市 商工課 中小企業振興係 / 住所：〒310-8610 水戸市中央1-4-1 / 電話：029-232-9185

「中小企業振興支援補助金」の申請に向けた準備のポイント

補助金を有効に活用するために、申請前に押さえておきたい3つの重要なポイントを紹介します。

第一に、この補助金は厳格な事前申請制です。必ず市の交付決定通知を受け取ってから、事業を開始してください。

第二に、同一年度内に申請できるのは一事業者につき一事業のみです。複数の事業を計画している場合は、最も優先順位の高いものに絞って申請しましょう。

最後に、受付は先着順で、予算がなくなり次第終了となります。特に「新製品・新技術開発事業」や「デジタルツール導入事業」といった人気の高い事業は、早期に受付が終了する可能性もあります。公募が開始されたら、なるべく早く申請できるよう、事前に準備を進めておくことが採択の鍵です。

専門家への相談も検討しよう

申請にあたっては、事業の目的、内容、経費の内訳などを詳細に記した「実施計画書」の作成が必要です。

計画書の説得力は、審査において重要な要素となります。もし作成に不安がある場合や、より確実に採択を目指したい場合は、中小企業診断士などの専門家に相談することも有効な選択肢の一つです。

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