高島屋が発表した「カスハラ」に対する方針とは?具体的な定義も紹介
高島屋が「カスタマーハラスメントに対する基本方針」を策定し、7月8日にその内容を発表しました。
「いつも、人から。」を経営理念とし、「こころに残るおもてなし」などを指針に掲げて顧客との信頼関係を構築することを目指している同社ですが、一部の顧客による心無い言動により職場環境が害される事案が発生しています。これに対処し、取引先を含む高島屋グループで働く全ての人々が働きがいを感じ、安心して働ける環境を構築するために、今回の策定に至ったとのことです。
カスタマーハラスメントとは
カスタマーハラスメントは、商品やサービスを利用する客が従業員に対して、正当な理由がない過度な要求をするなどの不当な行為や、暴行や脅迫などの違法な行為といった、著しい迷惑行為を指します。
近年、客という立場を利用して、不当な要求をすることが問題となっており、労働環境を守るためにその対策の必要性が高まっている問題です。
高島屋が発表した方針とは
高島屋は、2022年2月に厚生労働省がまとめた「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(PDF)」に基づいて、カスタマーハラスメントに該当する行為を以下のように定義しています。
以下の記載は例示であり、これらに限られるものではないとしています。
- お客様による暴力
- お客様による不当・過剰な要求
- お客様による合理的範囲を超える対応の強要・長時間の拘束
- お客様による従業員への誹謗中傷・つきまとい行為
- お客様による威嚇・脅迫行為
- お客様による従業員の人格の否定・差別的な発言
- 会社・従業員の信用を棄損させる内容、従業員の個人情報等の SNS 等への投稿
- 土下座の要求 等
今後の取り組み
高島屋は、カスタマーハラスメントへの対応として、社内外でさまざまな取り組みとして以下をあげています。
社内対応としては、カスハラに関する知識や対処方法についての研修を実施するほか、相談窓口の設置やカスハラ発生時の対応体制の構築、より適切な対応を行うために警察や外部の専門家(弁護士など)と連携するとしています。
社外対応としては、合理的な解決に向けて理性的な話し合いを行い、より良い関係の構築に努めていく一方で、カスハラと判断した場合は対応を打ち切り、以降の来店を断る場合があるとしています。さらに悪質な場合は、警察や外部の専門家に連絡し、適切に対処していく方針です。
高島屋は顧客へのメッセージとして以下のようにコメントしています。
「髙島屋グループは、これからも、お客様のご要望にお応えし、サービスの向上に努めることを通して、お客様との信頼関係を築き上げることを目指しています。しかしながら、万が一、お客様からカスタマーハラスメントに該当する行為がありましたら、本方針に則って毅然と対応いたしますので、ご理解とご協力をよろしくお願い申しあげます」
カスハラへの対応に関しては、東京都が「カスハラ防止条例」の策定を進めているほか、厚生労働省が労働施策総合推進法を改正し、従業員を守る対策を企業に義務づける検討を進めていることが報じられている。対応方針に関しても、JRやソフトバンクのほか、ANAとJALが共同発表するなど、各所で積極的に整備が進められています。
ソース:髙島屋グループ「カスタマーハラスメントに対する基本方針」(髙島屋)
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