カスハラ・クレーム電話の適切な切り方とは?効果的な対応方法を解説

公開日:
更新日:
執筆者 : IVRy編集部
「クレーム」と「カスハラ」の違いを明確にし、それぞれの状況に応じた適切な対応方法と、最終的な手段としての電話の切り方について具体的に解説します。

企業活動において、顧客からの声はサービス改善や商品開発につながる貴重な財産です。しかし、その声の中には、正当な意見や要望である「クレーム」だけでなく、従業員を心身ともに疲弊させる「カスタマーハラスメント(カスハラ)」も含まれているのが現状です。

クレームとカスハラを混同し、不適切な対応をしてしまうと、顧客満足度を低下させるだけでなく、従業員のモチベーション低下や離職にもつながりかねません。

この記事では、「クレーム」と「カスハラ」の違いを明確にし、それぞれの状況に応じた適切な対応方法と、最終的な手段としての電話の切り方について具体的に解説します。

カスハラとクレームの違い

カスハラとクレームは、いずれも顧客が商品やサービスに不満を表明する点で共通しておりますが、その主張の正当性により区別されます。具体的には、要求内容が妥当であるか、または言動が適切であるかといった基準で正当性が判断されます。

  • クレーム:商品やサービスへの正当な不満や改善要望
  • カスハラ:商品やサービスに対する度を越した要求や行動


企業はこの線引きを明確にし、適切な対応を行うことが重要です。

見分けるポイント

  • 要求内容の妥当性:要求されていることに、社会通念上、合理的な理由があるか。
  • 言動の相当性:暴言、脅迫、侮辱など、人格を否定するような言動がないか。
  • 目的:真の問題解決を目指しているのか。それとも、嫌がらせや不当な要求が目的なのか。
  • 時間や頻度:必要以上に長時間拘束されたり、執拗に連絡が繰り返されていないか。


これらの点を冷静に観察し、対応方針を判断しましょう。

【クレーム電話】への適切な対応方針と電話の切り方

お客様からの正当なクレームは、真摯に受け止め、丁寧に対応することが重要です。

基本姿勢:冷静で落ち着いた対応

受話器を取る際には、冷静で落ち着いた態度を保つことを心がけましょう。初めから身構えるのではなく、顧客の立場に立って話を聞くことが大切です。以下の点に注意しましょう。

  • 深呼吸をして落ち着く:急いで対応しようとせず、一度深呼吸してから電話を取りましょう。
  • 笑顔で対応:顔が見えない電話でも、笑顔で話すことで相手に良い印象を与えられます。
  • 丁寧な言葉遣い:敬語を使い、相手に対して丁寧な態度を保ちましょう。

1. クレーム内容の確認

顧客の話をしっかりと聞き、クレームの内容を正確に理解することが重要です。この段階では、以下のポイントを押さえましょう。

  • メモを取る:話の要点をメモすることで、後の対応がスムーズになります。
  • 確認質問をする:不明点があれば、具体的な質問をしてクレーム内容を明確にします。
  • 共感を示す:顧客の気持ちに寄り添い、「おっしゃるとおりですね」などの言葉で共感を示しましょう。

2. 解決策の提示

クレームの内容が把握できたら、迅速に解決策を提示します。この際、現実的で実行可能な提案をすることが大切です。

  • 具体的な解決策を提示:解決までのステップを具体的に説明します。
  • 期限を伝える:解決にかかる時間を伝え、具体的な期限を設けます。
  • フォローアップの約束:解決状況を定期的に報告する旨を伝えます。

3. クレーム電話の終了

解決策を提示し、顧客が納得したら、電話を終了する準備をします。ここでは、次の点に注意しましょう。

  • 感謝の言葉を述べる:クレームを伝えてくれたことに対して感謝の意を示します。
  • 再確認する:提示した解決策に対して再度確認し、顧客が納得しているか確認します。
  • 電話を終了する旨を伝える:「それでは、こちらで対応させていただきますので、失礼いたします」といった形で電話を終了します。

【カスタマーハラスメント(カスハラ)電話】への適切な対応方針と電話の切り方

一方、カスハラに対しては、従業員の人権と安全を守るため、毅然とした態度で対応する必要があります。

基本姿勢:冷静かつ毅然とした対応

  • 相手の感情的な言動に引きずられず、常に冷静さを保ちましょう。深呼吸をすることなども有効です。
  • 相手のペースに巻き込まれず、主導権を渡さない意識を持ちます。
  • 「個人」としてではなく、「組織・会社」として対応しているという意識を持つことが重要です。

1. 初期対応と要求内容の確認

  • まずは相手が何を要求しているのか、冷静に聞く姿勢を見せます。ただし、一方的な主張を長時間聞き続ける必要はありません。時間を区切ることも検討しましょう。
  • 感情的な言葉の裏にある、具体的な要求内容を把握しようと努めます。

2. 不当な要求への線引き

  • 暴言、脅迫、侮辱、人格否定といった言動に対しては、決して同調したり、怯んだりせず、はっきりと「そのような言葉遣いでは電話をお受けできません」と伝えます。
  • 社会通念上不相当な要求や、会社のルール・方針から逸脱する要求に対しては、「申し訳ございませんが、そのご要望にはお応えいたしかねます」「弊社の規定により、できかねます」と明確に断ります。理由を簡潔に説明することも有効です。長々と言い訳をする必要はありません。

3. エスカレーション(組織的対応)

  • 一人で抱え込まず、速やかに上司や担当部署に相談し、対応を引き継ぐか、指示を仰ぎましょう。
  • 組織として定められた対応マニュアルや方針に基づき、一貫性のある対応をとることが重要です。

4. 警告と電話の切り方(最終手段)

  •  警告: 不当な言動(暴言、脅迫、執拗な要求など)が続く場合、このままでは電話対応を継続できないこと、場合によっては電話を切る可能性があることを明確に予告します。
    例:「お客様、大変恐れ入りますが、そのような言葉遣いを繰り返されるようでしたら、これ以上の対応は困難となります。誠に不本意ながら、お電話を切らせていただくこともございますので、ご了承ください。」
  • 最終通告: 警告しても状況が改善されない場合は、明確に電話を切る意思を伝えます。
    例:「再三のお願いにもかかわらず、お聞き入れいただけませんので、大変申し訳ございませんが、これ以上の対応はいたしかねます。これにてお電話を切らせていただきます。」
  • 実行: 冷静に、しかし躊躇せず電話を切ります。相手が話している最中であっても、予告と最終通告を経ている場合は、切断もやむを得ません。

カスハラ電話を切る際の重要ポイント

  • 感情的にガチャ切りしないこと。あくまで冷静に、予告した手順を踏んで切ります。
  • 切断した理由(暴言がやまなかったため、不当要求が続いたため等)と、警告・最終通告の事実、切断時刻などを必ず詳細に記録に残します。録音があれば、該当箇所を明確にしておきましょう。

まとめ

お客様からのクレームは、サービス改善につながる貴重なご意見ですが、従業員の尊厳を傷つけ、心身を疲弊させるカスタマーハラスメント(カスハラ)とは明確に区別し、断固として対応する必要があります。

クレームに対しては「傾聴・共感・丁寧な解決」、カスハラに対しては「冷静・毅然・組織的対応」を基本とし、状況に応じた適切なコミュニケーションと、最終手段としての適切な電話の切り方を身につけることが重要です。

そして何より、従業員が安心して働けるよう、組織全体でカスハラ対策に取り組むことが、顧客満足度の向上と企業の持続的な成長につながります。

電話でのクレーム対策ならIVRy

電話のクレーム対策なら、電話自動応答サービスIVRy(アイブリー)がおすすめです。IVRyは、かかってきた電話に自動で対応し、「〇〇のお問合せは1番を押してください…」と案内するシステムを提供しています。

自動で音声録音される

IVRyではすべての電話を録音しており、なにかあった時には改めて聞き返して確認したり、万が一の際に証拠として利用することもできます。録音データはクラウド上で安全に管理されているため、いつでもアクセスできます。

通話の履歴は日時順、顧客順というように、用途に合わせて確認できるので、顧客ごとに電話の件数をチェックしたり、今日1日でどんな電話があったか、と振り返るなど、必要なデータをすぐに見つけることができます。

自動音声ガイダンスで相手を待たせない

IVRyは、かかってきた電話に自動で対応し、AIによる音声ガイダンスが流れる仕組みになっています。相手を長時間待たせることがないので、カスハラの防止になるほか、顧客にとっては利便性が高まることになり、顧客満足度向上も期待できます。

担当部署へ自動転送できる

IVRyは、用件に応じて適切な部署に電話を転送できる機能を備えています。発信者がガイダンスに従って番号を選ぶと、指定された部署に自動で電話が転送されます。

顧客にとっては待ち時間が短縮され、何度も同じことを繰り返し説明する必要がなくなるため、クレームやカスハラの防止にも効果的です。

顧客対応履歴を残してスムーズに対応

IVRyでは、かかってきた電話番号ごとに、自動的に電話履歴が記録されます。過去の通話履歴を見ながら対応できるので、つねにスムーズな対応ができます。誰が電話に出ても安定した対応ができるので、クレームやカスハラを防ぐのにつながります。

IVRy編集部のプロフィール画像

IVRy編集部

(株式会社IVRy / IVRy編集部)

IVRy編集部です。電話に関する様々な情報をわかりやすく解説します。 【IVRyとは?】 IVRy(アイブリー)は1日100円から利用できる電話自動応答サービス(IVRシステム)です。自由な分岐設定と自動応答・SMS返信・電話の転送(リダイレクト)・録音機能を活用し、営業電話・顧客からの問い合わせ・注文・予約等の様々なシーンを自動化します。また、営業時間内と営業時間外でルールを変えることや、電話履歴の確認や顧客登録機能等、多数の便利な機能が存在しています。

XFacebooknoteSNSリンク