NTT東西が4月に開始した「ワイヤレス固定電話」とは?

「ワイヤレス固定電話」は、メタルケーブルの老朽化などにより従来の固定電話サービスを提供し続けるのが困難になった地域において、その代替手段として携帯電話の電波を利用して提供する新たな固定電話サービスです。

NTT東日本とNTT西日本は、人口が少ない地域においても、継続して固定電話のサービスを提供するべく、新たに「ワイヤレス固定電話」を2024年4月から開始しました。

この記事では「ワイヤレス固定電話」を提供する背景や仕組み、提供エリア、料金などをまとめて紹介します。

「ワイヤレス固定電話」とは

「ワイヤレス固定電話」は、メタルケーブルの老朽化などにより従来の固定電話サービスを提供し続けるのが困難になった地域において、その代替手段として携帯電話の電波を利用して提供する新たな固定電話サービスです。

「ワイヤレス固定電話」を提供する背景

NTT東西は、これまで山間部や離島などのルーラルエリアを含めて、全国で固定電話の安定提供をするべく、設備投資の抑制や人員削減、効率化を進めてきましたが、その努力も限界に達してきています。加えて、今後さらなる加入者の減少が見込まれていることから、メタルケーブルの再敷設コストの削減などにより、赤字拡大の回避を目指し、今回の「ワイヤレス固定電話」のサービス開始に至っています。

どのような仕組み?

「ワイヤレス固定電話」は、電話機に「ワイヤレス固定電話ターミナルアダプタ」を接続することで、利用できるサービスです。通話する際は、設置したターミナルアダプタから携帯電話網に接続し、NTT東日本網・NTT西日本網を経て、相手先の電話機に繋がります。

従来の電話機や電話番号をそのまま使用することができ、ナンバー・ディスプレイやボイスワープなどのオプション機能も利用できます。

ワイヤレス固定電話の仕組み

提供エリアは?

提供エリアに関しては、「山村・半島・離島振興法などの対象地域かつ加入電話回線密度が18回線/km2未満のエリア」「特別な事情によりメタルケーブルでの提供が著しく不経済なエリア」「災害時などにより一時的に電話の提供が困難となるエリア」のいずれかに該当するエリアとなっています。

サービス開始当初の提供エリアは、北海道・青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島・茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・新潟・山梨・長野の山間部や離島などを中心とした一部エリアとなっています。

今後も利用者への影響を踏まえながら、サービス提供エリアを順次拡大していく計画です。

料金は高くなる?

基本料金や通話料金は、従来の固定電話とほとんど変わりません。ただし、初期費用として、契約料880円、工事費22,000円※がかかります。

※ 2024年9月30日までは工事費が3,300円となる割引サービスを実施しています。

<料金表>

ワイヤレス固定電話の料金比較

現在「ワイヤレス固定電話」はWebからの申し込みは受け付けておらず、問い合わせ・申し込みに関しては「局番なしの116」で受け付けています。その他、ワイヤレス固定電話の利用上の注意や解約についてはNTT東日本の公式サイトで確認できます。

ソース:NTT東日本総務省(PDF)