固定電話のIP網移行とは?背景や影響・IP網のこれからを解説

近年、日本の通信インフラに大きな変革が訪れています。NTT東日本およびNTT西日本は、固定電話及びINSネットを、従来のアナログ回線やISDNからIP網へと移行する作業を進めています。2024年から2025年にかけて、新しいIP網へ全面的に置き換わる見通しです。  このような背景から、企業への影響を懸念している方も多いでしょう。 そこで本記事では、IP網移行の概要や背景、メリット、既存回線への影響について詳しく解説します。

近年、日本の通信インフラに大きな変革が訪れています。NTT東日本およびNTT西日本は、固定電話及びINSネットを、従来のアナログ回線やISDNからIP網へと移行する作業を進めています。2024年から2025年にかけて、新しいIP網へ全面的に置き換わる見通しです。

このような背景から、企業への影響を懸念している方も多いでしょう。

そこで本記事では、IP網移行の概要や背景、メリット、既存回線への影響について詳しく解説します。

1. NTT固定電話(加入電話・INSネット)のIP網移行の概要

まず、NTT固定電話のIP網移行の概要やスケジュール、移行後のサービス概要について解説します。

NTT固定電話のIP網移行とは?

NTT東日本とNTT西日本は、固定電話(加入電話・INSネット)の通信インフラを、IP網へ移行するプロジェクトを進めています。2024年から2025年にかけて、段階的にインターネットプロトコル(IP)を用いた新しい通信環境への移行が実施される予定です。

この移行では、電話番号や通話機能は従来どおり利用可能で、利用者が混乱しないよう十分に配慮されています。移行後は、安定した通信サービスの提供を継続しつつ、次世代の通信環境への対応を目指すとしています。

参考:固定電話(加入電話・INSネット)のIP網移行(NTT東日本)

IP網移行のスケジュール

IP網移行は、2024年1月1日から地域ごとに段階的に実施されており、2025年初頭までに完了する予定です。NTTは、利用者の混乱を最小限に抑えるため、詳細なスケジュールや影響範囲について公式サイトで情報提供を行っています。最新の情報を確認し、必要に応じて対応を検討しましょう。

参考:固定電話(加入電話・INSネット)IP網移行 工事完了状況のご案内(NTT東日本)

IP網への移行後のサービス概要

IP網移行後は、安定した通信が可能になるほか、ネットワーク管理の効率化や耐久性の向上が期待されています。また、料金体系が全国一律となることで、利用者の負担軽減が見込まれます。

詳細は後述しますが、移行後も現在の電話番号や通話機能を継続利用でき、特別な手続きや工事は不要です。ただし、一部の付加サービスは終了または仕様変更されるため、最新情報を確認してください。

2. IP網移行の背景とこれから

IP網移行が実施された背景と導入のメリット、ユーザーに与える影響、今後の展開について解説します。

移行の背景

IP網移行の背景には、通信インフラの老朽化と維持管理の課題があります。従来の公衆交換電話網は1970年代に導入され、現在では部品供給の終了や設備の老朽化によって運用維持が困難となっている状況です。また、インターネットの普及や携帯電話の利用増加に伴い、固定電話の利用が減少し、既存インフラの整理・効率化が急務となっています。

IP網への移行は、これらの課題を解決すると同時に、ネットワークの柔軟性と効率を向上させることが目的です。IP網は従来のシステムに比べて管理が容易で、デジタル技術にも対応可能な基盤を提供します。これにより、持続可能な通信環境の構築を目指しています。

IP網導入による主なメリット

通信の効率化とコスト削減

IP網では、音声やデータをパケット化して送受信するため、ネットワークを効率的に使えます。

また、従来の公衆交換電話網に必要だった専用設備が不要となり、既存のインターネットインフラを活用することで設備投資や維持管理のコストを削減できます。

柔軟性と拡張性

IP網は標準化されたプロトコルを採用しているため、新技術やデジタル通信などの追加が容易です。将来的なサービス拡張にも対応できる、柔軟な通信環境を提供します。

耐障害性の向上

パケット通信方式を採用しているため、障害が発生した場合でも迂回路を活用して通信を継続できます。そのため、信頼性が向上し、安定したサービスが提供されます。

次世代サービスへの対応

IP網を基盤とすることで、音声通話だけではなく、ビデオ会議やデジタルデータ連携といった次世代サービスの導入が可能となります。多様な通信ニーズに柔軟に対応できる環境が整うでしょう。

ユーザーに与える影響

上述したとおり、IP網移行によりユーザーは通信環境の安定性向上や、全国一律の料金体系の導入といった恩恵を受けます。これにより、従来の距離に依存する通話料金が解消され、ユーザーのコスト負担が軽減されます。

電話番号や通話機能はそのまま利用できるため、日常的な利用に大きな影響はありません。ただし、一部の付加サービスが終了または変更されるため(次章参照)、利用中の機能について事前の確認が必要です。

新たなサービスの展開の可能性

IP網移行により、ビデオ会議やデータ共有、クラウドサービスとの連携など、新たなサービスが展開される可能性があります。スマートホーム技術などIoTデバイスとの連携も期待されており、従来の固定電話のイメージを超えた、次世代のデジタルサービスが登場するでしょう。

3. 利用者の既存回線と対応方法

今回のIP網移行は、あくまでNTT内部の設備の移行にあたるため、利用者は現在の電話番号や通話機能を引き続き利用でき、特別な手続きや工事は不要です。

ただし、INSネットのディジタル通信モードとマイラインは段階的に終了します。したがって大多数の利用者は対応不要ですが、上記該当の利用者は対応が必要です。

IP網移行の背景には主にコストメリットがあります。同様に、企業で使用するPBXもクラウド型に移行すると、コスト削減に加えて音質向上、耐障害性の強化といったさまざまなメリットを得られます。企業のPBXは、IP技術を活用したクラウドPBXへの移行がおすすめです。

NTTの固定電話IP網移行は、通信インフラの老朽化を解消するとともに、次世代のネットワーク基盤を構築する大きな転換点です。このIP化の波は、企業にとっても効率化のチャンスといえるでしょう。

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