電話とAIで脳の健康状態が確認できる「脳の健康チェック」とは ー NTTコムが提供
NTTコミュニケーションズは、電話で脳の健康状態を確認できる法人サービス「脳の健康チェック」の提供を4月4日から開始しました。
2022年より順次トライアルを実施していた「脳の健康チェックフリーダイヤル」や「脳の健康チェックplus」の機能を拡張し、自治体や保険業などの法人を対象に提供するものです。
NTTコミュニケーションズの「脳の健康チェック」サービスとは
「脳の健康チェック」サービスは、認知症への不安を感じる人を対象に、電話の自動応答とAIを活用し、脳の健康状態を確認できる法人サービスです。
NTTコミュニケーションズは、一般の人を対象に2022年9月21日よりフリーダイヤルを活用したサービス「脳の健康チェックフリーダイヤル」を無償トライアルとして提供しているほか、より詳細に確認できるサービスとしてナビダイヤルによる「脳の健康チェックplus」を有償トライアル(通話料は発信者の負担)として提供しており、今回のサービスはこの2つの機能を拡張して、法人向けサービスとして事業化するものとなります。
サービスを開始した背景
2025年には、国民の4人に1人が75歳以上の超高齢化社会を迎えます。厚生労働省がまとめた「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」によると、同年には65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症になると予測されています。
認知症は誰にとっても身近な病気であり、早期発見と予防対策が求められる中で、NTTコミュニケーションズは「認知症で不安になる本人・家族・企業が少なくなる社会へ」をコンセプトにこのプロジェクトをスタートしています。
具体的にどんなサービスなのか
「脳の健康チェック」は、電話の自動応答による簡単な問いに答えることで、AIが脳の健康状態をチェックしてくれるサービスです。
2022年9月から提供している「脳の健康チェックフリーダイヤル」「脳の健康チェックplus」と同様のアルゴリズムを採用し、フリーダイヤルとナビダイヤルを活用したサービスで、引き続き提供します。
現在提供している2つのサービスがどのような仕組みかを説明すると、「脳の健康チェックフリーダイヤル」では、電話をすると自動応答音声により「本日の日付」と「自身の年齢」という2つの質問をされるので、発話で回答することで、脳の健康チェックができます。結果はその電話ですぐに伝えられるほか、SMSで送ってもらうこともできます。
そして、より早期かつ詳細に脳の健康状態を確認するサービス「脳の健康チェックplus」は、「本日の日付」のほか、少し複雑な複数の質問に4分程度の発話で回答することで、AIが認知機能の状態を判別するサービスとなっています。
これまでNTTコミュニケーションズが一般に直接サービスを提供していましたが、今回は自治体や保険業などの法人と契約をする形とし、その住民や加入者が利用できるサービスとして提供します。
新たに提供するサービスでは、SMSでチェック結果を送信する際に、結果に合わせた脳の健康を維持するコンテンツを掲載することも可能になるほか、利用者が利用履歴を確認できるWebサイトも新たに用意されます。
導入した法人には管理画面で利用状況を確認できるようにし、チェック結果に応じた認知症予防のイベント企画や新しい保険商品の考案などに繋げることを想定しています。
電話を採用した理由は、高齢者が慣れ親しんだインターフェースであることが挙げられています。
今後の展望
自治体、保険業への導入を中心に、2028年度までに累計20億円以上の収益を目指しています。
なお、今回のサービス開始に伴い、「脳の健康チェックフリーダイヤル」と「脳の健康チェックplus」は2024年6月30日をもって提供を終了する予定です。