IP電話機とは?IP電話で使用できる端末とセキュリティ&システム構築について解説

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IP電話機とは、IPネットワークを利用して通信する電話機です。従来の電話回線を利用しないため、通話料を抑えられるメリットがあります。また、クラウドPBXでも利用できるため、幅広いニーズに対応可能です。 この記事では、IP電話機の概要や、アナログ電話をIP電話で使用する方法、導入時の注意点などを解説します。

IP電話機とは、IPネットワークを利用して通信する電話機です。従来の電話回線を利用しないため、通話料を抑えられるメリットがあります。また、クラウドPBXでも利用できるため、幅広いニーズに対応可能です。

この記事では、IP電話機の概要や、アナログ電話をIP電話で使用する方法、導入時の注意点などを解説します。

1.IP電話とは?

IP電話とは、インターネットプロトコルを使い、音声データをデジタル化して通信する電話サービスです。通話時に音声を電気信号に変換し、VoIP技術を使ってデジタルデータとして通信します。IP電話はインターネット経由で利用するため柔軟性が高く、基本的に設置工事も必要ありません。

このIP電話に利用する電話機のことを、IP電話機といいます。IP電話機には、固定電話と同じ番号を使える「0ABJ番号型」や、低コストの「050番号型」などがあります。

IP電話については、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてお読みいただくと、より理解が深まります。

参考:IP電話とは?固定電話との違いやメリットとデメリットも簡単に説明!

IP電話とアナログ電話の仕組みの違い

IP電話とアナログ電話の最も大きな違いは、音声データをどのようにして相手に届けるかという仕組みにあります。

アナログ電話は、銅線で作られた従来の電話回線(アナログ回線)を使い、音声を電気信号に変換してそのまま伝達します。一方、IP電話はインターネット回線を利用し、音声を一度デジタルデータ(パケット)に変換してから相手に送信する点が特徴です。この技術はVoIP(Voice over Internet Protocol)と呼ばれています。

メリット・デメリット比較

IP電話とアナログ電話は、仕組みの違いからそれぞれ異なるメリット・デメリットがあります。自社の状況に合わせて最適なものを選びましょう。

比較項目

IP電話

アナログ電話(固定電話)

初期費用

◎ 安い(工事不要な場合が多い)

△ 高い(電話加入権や工事費が必要)

月額料金

◎ 安い

△ 比較的高い

通話料

◎ 安い(特に長距離・国際通話)

△ 距離に応じて高くなる

音質

◯ ネット環境に依存する

◎ 安定している

機能性

◎ 豊富(スマホ連携、録音など)

× 限定的

信頼性

◯ 番号(050)によっては低く見られることも

◎ 社会的信用度が高い

緊急通報

△ できない場合がある

◎ できる

IP電話を法人で導入するメリット

法人がIP電話を導入するメリットは、単なるコスト削減だけではありません。業務の効率化や、多様化する働き方への対応にも大きく貢献します。

  • コスト削減: 従来の固定電話と比較して、初期費用や月額料金、通話料を大幅に削減できます。特に、拠点間や従業員同士の通話が多い場合は、内線扱いとなり無料で通話できるサービスも多く、経費削減に直結します。
  • 業務効率化と多様な働き方への対応: PCやスマートフォンをビジネスフォンとして利用できるため、場所を選ばずに会社の番号で電話対応が可能です。
    テレワークや外出先からでも内線・外線対応ができるため、スムーズな業務連携を実現します。また、クラウドPBXと連携すれば、自動応答(IVR)や通話録音といった豊富な機能を活用し、電話業務全体の効率を高められます。
  • 信頼性の確保: IP電話サービスの中には、「03」や「06」といった市外局番付きの電話番号(0ABJ番号)を取得・利用できるものもあります。これにより、IP電話の利便性と、固定電話番号が持つ社会的な信頼性を両立させることが可能です。

2.IP電話で使える電話機の種類

IP電話はインターネットを介し、音声通話を行う技術です。以下のように、さまざまな端末で利用できます。

端末

メリット

デメリット

IP電話機

従来のオフィスに設置して利用するビジネスフォンと類似した操作性で使いやすい

機能が限定的
(従来のビジネスフォンの一般的な機能のみ利用可能)

スマートフォン

・持ち運びが容易

・出先やリモートワークなど社外で使いやすい

インターネット環境が音質に影響を与える場合がある

タブレット

・大画面でのビデオ通話が可能

・視認性が高い

・インターネット環境が音質に影響を与える場合がある

・携帯するにはやや重い

PC

ヘッドホンをつないでPCを操作しながら通話ができる

マイクやスピーカーがうまく接続できない場合がある

IP電話機

専用デバイスで、LANケーブルを使ってインターネットに接続します。通話品質が高いため、ビジネス環境で広く利用されています。

スマートフォン

IP電話専用のアプリを使うことで、IP電話として機能します。リモートワークや外出先での通話に適しています。

タブレット

専用アプリをインストールすれば、手軽にIP電話を利用できます。大画面でビデオ通話ができるため、会議やプレゼンテーションに便利です。

PC

VoIPソフトウェアを使えば、デスクトップやノートパソコンでもインターネット経由で音声通話が可能です。通常、マイクとスピーカーが内蔵されているため、追加ハードウェアは必要ありません。

【法人向け】IP電話機の選び方

法人向けにIP電話機を選ぶ際は、単に電話機本体のスペックだけでなく、利用する電話番号の種類やサービス形態、将来的な事業拡大の可能性まで見据えて、総合的に判断することが失敗しないためのポイントです。

価格で選ぶ

IP電話の導入・運用コストは、主に「初期費用」「月額基本料」「通話料」で構成されます。コストを最優先するなら、初期費用や月額基本料が0円から提供されている050番号のIP電話アプリが有力な選択肢です。

ただし、社会的信用度も考慮したい場合は、月額550円程度から利用できる「ひかり電話」のような0ABJ番号サービスや、豊富な機能が月額数千円から利用できるクラウドPBXサービスも視野に入れると良いでしょう。自社の電話利用状況を分析し、最も費用対効果の高いサービスを選ぶことが重要です。

機能で選ぶ

ビジネスの現場では、単に電話をかける・受けるだけでなく、様々な機能が求められます。自社の業務内容を洗い出し、必要な機能を明確にすることが、最適なサービスを選ぶための鍵となります。

例えば、顧客からの問い合わせが多い場合は自動応答(IVR)機能、営業活動の振り返りやトラブル防止には通話録音機能、テレワークを推進するならスマートフォン連携機能が不可欠です。これらの機能が標準で備わっているか、オプションで追加できるかを確認しましょう。

メーカーで選ぶ

IP電話機を提供しているメーカーは国内外に多数ありますが、パナソニックのような国内大手メーカーの製品は、品質の高さや日本語での手厚いサポート体制に定評があり、安心して利用できる点が魅力です。

多機能で複雑な設定が可能な海外メーカー製品も魅力的ですが、導入後のトラブルシューティングやサポートのスムーズさを重視するなら、国内での実績が豊富なメーカーを選ぶのが良いでしょう。

3.IP電話はアナログ電話機でも使えるのか?

VoIPゲートウェイを設置すれば、アナログ電話機でIP電話を利用できます。VoIPゲートウェイとは、アナログ信号を受信し、IPパケットに変換する仕組みです。

ここでは、アナログ電話でIP電話を利用するステップを解説します。

1.VoIPゲートウェイの導入 

VoIPゲートウェイを設置し、アナログ電話機をIPネットワークに接続しましょう。これにより、アナログ信号がデジタル信号に変換され、インターネット経由で送信可能となります。

2.接続設定

VoIPゲートウェイをインターネットに接続し、プロバイダー情報の入力やネットワーク設定を行います。これらの設定が完了すると、アナログ電話機がIPネットワークに参加できるようになります。

3.アナログ電話機の接続

VoIPゲートウェイの「PHONE」ポートとアナログ電話を接続することで、アナログ信号をデジタル信号に変換でき、インターネットを経由して通話可能です。

4.通話の開始

設定終了後、通常通りアナログ電話機から発信ができます。VoIPゲートウェイを介し、通話の際の音声データがインターネット経由で送信されるので、受信者も同様に通話ができます。

4.IP電話を利用するうえでの注意点

IP電話を利用するにあたっては、いくつかの注意点があります。以下の項目を確認し、柔軟に対応できる電話環境を整えましょう。

通話品質

回線が不安定だったり容量が少ない場合、音質が低下したり通話が途切れたりするおそれがあります。通話品質が悪いと、スムーズな会話ができず、ビジネスのチャンスを逃しかねません。トラブルを未然に防ぐためには、インターネット回線の増強やQoS(Quality of Service)設定などが重要です。

他の業務でも使用する回線を利用する場合、業務での利用量が多いと一時的に音質が低下するリスクが高まります。そのため、IP電話のみで利用する専用回線を用意することもおすすめです。

緊急通報への対応

IP電話では、110番や119番への緊急通報ができない場合があります。緊急時に備えて、別の連絡手段を用意しておきましょう。たとえば、アナログ電話回線の併用や、携帯電話の利用などの対策が有効です。

停電対策

IP電話は電源供給が必要であることから、停電時には利用できません。停電時でも通信可能な体制を整えるために、無停電電源装置(UPS)の導入を検討しましょう。また、停電時の対応策をマニュアルで共有し、突発的な事態にも慌てずに対処できる体制を整えることも重要です。

5. IP電話のセキュリティ対策

最後に、セキュリティ対策について解説します。

IP電話システムへの不正アクセスのリスクを考慮し、ファイアウォールの設置や不要なポートの閉鎖などの防御策を講じましょう。音声データを暗号化し、企業内の機密情報が盗聴されるリスクに備えることも効果的です。

加えて、定期的にアクセス履歴を確認し、不正利用やセキュリティインシデントの早期発見に努めてください。日頃から従業員のセキュリティ教育を徹底し、外出先やテレワーク時には必ずVPN(仮想プライベートネットワーク)を使用するなどの安全対策が重要です。

アイブリーは最短即日にIP電話番号を取得できます

IP電話番号の取得には、クラウドPBXサービスや無料アプリの利用など複数の方法がありますが、電話自動応答「アイブリー」の導入により、最短即日にIP電話番号を取得できます。

050番号や市外局番、フリーダイヤルも取得可能

「アイブリー」では、050番号をはじめ、市外局番、フリーダイヤルまで、さまざまな番号種別の選択肢があり、幅広いビジネスニーズに対応できます。

電話番号種別

取得できる電話番号

IP電話

050番号

フリーダイヤル

0120番号、0800番号

市外局番

東京03番号、大阪06番号をはじめとした全国の市外局番

※番号の在庫により、ご希望に添えない場合があります

※050番号の発行は即日、フリーダイヤル・市外局番は数営業日かかります

最短即日から利用できるアイブリー導入の流れ

「アイブリー」は、初期費用不要で月額2,980円から利用できるクラウド型のIVR(自動音声応答)サービスを提供しています。以下の4STEPで、簡単に導入可能です。

STEP1:基本情報の入力

アカウント登録ページよりメールアドレス、パスワード、氏名などの基本情報を入力してください。

STEP2:会社情報の入力

会社名、住所などの会社情報を入力してください。アカウント登録が完了すると、すぐにアイブリー設定画面を利用できます。

STEP3:分岐ルールの作成

電話対応のルール(分岐)を作成してください。業種やユースケースのテンプレートから作成することもできます。

STEP4:本人確認

「携帯電話不正利用防止法」「犯罪収益移転防止法」に基づき、アイブリーのお申し込み時には「本人確認」を行う必要があります。必要情報を入力し、本人確認書類と写真を提出していただくと、最短1〜3営業日で本人確認が完了します。

自動応答(IVR)により電話業務も効率化できる

「アイブリー」は、IVRを活用したクラウド型の電話自動応答サービスで、着信時に自動音声ガイダンスが応答し、顧客のボタンプッシュ操作や音声認識に基づいて、適切な案内を自動提供します。

複雑な問い合わせや確認が必要な用件は、音声録音(留守電)やAI電話(ボイスボット)が一次対応し、メールやSMSで内容が通知されるため、電話対応にかかる時間を削減し、業務効率を高めることができます。

PC・スマホから固定電話番号で発信可能

「アイブリー」の導入時に「固定電話番号発信オプション」を利用すれば、PCやスマホからアイブリーのアプリを使って固定電話番号による発信が可能になります。インターネット環境さえあれば、外出先やリモートワーク中でも固定電話番号を利用できるため、スムーズな顧客対応や電話対応履歴の一括管理に役立ちます。

また、社会的信用度の高い固定電話番号を利用することで、顧客との信頼関係も構築しやすくなるでしょう。

簡単にIP電話を取得したい、電話業務を効率化したい方は、まずは「アイブリー」の無料トライアルをお試しください。

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アイブリー編集部のプロフィール画像

アイブリー編集部

(株式会社IVRy / アイブリー編集部)

アイブリー編集部です。電話に関する様々な情報をわかりやすく解説します。 【アイブリーとは?】 アイブリーは月額 3,317円(※1)から利用できるAI・IVR電話自動応答サービスです。AIが設定をサポートし、営業電話・顧客からの問い合わせ・注文・予約等の様々なシーンを自動化します。最短1分で利用開始でき、30着電まで無料でお試しいただけます。 ※1: 年払いの場合/電話番号維持費除きます

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