スマートフォンでもIP電話は使えるのか?利用方法を解説

執筆者 : IVRy編集部
スマートフォンの普及によって、ビジネスにおける電話業務でも携帯電話を活用したいと考える企業が増えています。IP電話は、スマートフォンでも利用可能で、場所にとらわれない働き方を実現できる技術です。 一方で、スマートフォンでの利用は、端末の紛失や盗難時のセキュリティリスクなどがあり、対策が求められます。 また、「110番」などの緊急発信ができない点も注意が必要です。 本記事では、スマートフォンでIP電話を利用するメリットや導入方法、注意点を詳しく解説します。

スマートフォンの普及によって、ビジネスにおける電話業務でも携帯電話を活用したいと考える企業が増えています。IP電話は、スマートフォンでも利用可能で、場所にとらわれない働き方を実現できる技術です。

一方で、スマートフォンでの利用は、端末の紛失や盗難時のセキュリティリスクなどがあり、対策が求められます。

また、「110番」などの緊急発信ができない点も注意が必要です。

本記事では、スマートフォンでIP電話を利用するメリットや導入方法、注意点を詳しく解説します。

1.スマートフォンでもIP電話は使えるのか?

基本的には、IP電話に対応したアプリをインストールすれば、スマートフォンでもIP電話を簡単に利用可能です。ただし、利用するサービスやアプリによって、使える電話番号が異なります。

IP電話で利用できる固定電話番号

  • 0AB-J(東京03や大阪06などの市外局番から始まる電話番号)
  • 050から始まるIP電話特有の電話番号

電話番号のタイプによって顧客が抱く印象は大きく変わるため、ビジネスの内容や顧客層に合わせた電話番号を選択することが重要です。

一般的には、市外局番は代表電話や固定電話の印象を与え、050は営業マンが持つ携帯電話番号と捉えられています。

そのほか、ビジネスではあまり利用されませんが、LINEのように電話番号なしでアカウントを指定して相手と通話するアプリもあります。

2.スマートフォンでIP電話を利用するメリットと方法

スマートフォンでIP電話を利用するメリットと、具体的な利用方法について解説します。

スマートフォンでIP電話を利用するメリット

スマートフォンでIP電話を利用すると、従来の固定電話機と比較して、以下のようなメリットを得られます。

  • オフィス内の固定電話機をスマートフォンに置き換えることで、フリーアドレス対応や省スペースなど、レイアウトの柔軟性が高まる
  • スマートフォンでそのまま通話(1分あたり約40円)するよりも内線の通話料金を抑えられる(3分あたり約8円)
  • 会社の代表電話をスマートフォンからも利用できる
  • 外出先からも会社の電話番号で受発信できる
  • リモートワーク時にもオフィスと同じ環境で電話を利用できる

このように、スマートフォンの携帯性・サイズを活かしつつ、より便利にビジネスフォンの機能を利用できます。

スマートフォンでIP電話を利用する方法

スマートフォンでIP電話をビジネス用途として利用する場合、クラウドPBXなどのビジネス向けサービスを利用するケースが一般的です。

クラウドPBXを利用することで、固定電話番号をスマートフォンで発着信できるほか、外出先でもオフィスと同様の電話環境を実現できます。

サービス契約後に、以下の流れで設定を進めることで、簡単にスマートフォンでIP電話を利用できます。

1. 専用アプリのインストール

クラウドPBXを契約した事業者が提供する専用IP電話アプリを、スマートフォン(iOS/Android)にインストールします。アプリは、App StoreやGoogle Playからダウンロード可能です。

2. アカウント情報の設定

事業者から発行されたID・パスワードやネットワークの設定情報(SIPサーバーのアドレス、ポート番号、ユーザー名、認証情報など)を、アプリ内に入力します。これにより、スマートフォンがオフィス電話の一部として機能するようになります。

3. ネットワーク接続の確認

Wi-Fiやモバイルデータ通信に接続できることを確認します。特に外出先で利用する場合は、安定したインターネット環境が必要です。

セキュリティ強化のために外出先でも利用できるVPN接続を用意すると良いでしょう。

4. ビジネス電話の利用開始

設定が完了したら、スマートフォンから固定電話番号での発着信が可能になります。

3.スマートフォンでIP電話を利用する際の注意点

スマートフォンでIP電話を使う際には、以下のような注意点もあります。

発信できない番号がある

0120などから始まるフリーダイヤルや、110番・119番などは、IP電話からはかけられない可能性があります。

<対策>

  • アプリやサービス事業者を選ぶ際に、上記のような電話番号に発信できるかを確認する
  • 110番などへの緊急発信は、個人のスマートフォンから発信する(110番通報は通話料無料)
  • 固定電話機も設置して併用できるようにしておく
  • 緊急発信時の運用ルールを定めておく

通話品質がインターネット接続環境に依存する

IP電話は、通話品質がインターネットの接続環境の影響を受けやすく、接続が不安定になると、雑音が入る、ブツブツと音声が途切れる、音声が遅れて届くといった事象が発生するおそれがあります。

<対策>

  • 無料トライアルなどを活用して、実際の利用環境(社内、社員の在宅勤務環境など)での通話品質をチェックする
  • 社内のWiFiルーターの増設やインターネット回線を拡張する
  • IP電話専用の回線を用意して、ネットワーク品質を担保する

セキュリティリスクがある

スマートフォンの紛失や盗難による情報漏洩、不正利用・不正接続などのセキュリティリスクにも注意しなければなりません。

<対策>

  • IP電話アプリの多要素認証など、ログイン管理を厳格化する
  • 社員教育によるITリテラシー・意識向上、紛失防止ストラップの着用などの対策を講じる
  • リモートロックなどの端末管理ソフトを導入する
  • エンドポイントセキュリティソフトを導入する

また、ビジネスにおけるIP電話では、会社支給のスマートフォンを使うのか、従業員が個人で所有しているスマートフォンを使うのかによって、運用ルールや必要なセキュリティ対策、費用補填などが異なります。

クラウドPBXの導入事例などを参考に、利用シーンや従業員からの想定Q&Aを踏まえた導入計画を立てることが重要です。導入実績が豊富なサービス事業者であれば、導入計画のサポートや支援も期待できるでしょう。

この記事では、スマートフォンにおけるIP電話の利用の流れや注意点、対策について解説しました。

スマートフォンでIP電話を利用すれば、コストを抑えて手軽に電話を利用でき、コミュニケーションの向上が期待できます。さらに、サービス事業者によっては、通常の固定電話番号を利用できるため、ビジネスにおける信頼性も損ないません。

IP電話の利用に際しては、ネットワーク環境の整備と運用ルールの策定を行うことが重要です。クラウドPBXでIP電話を利用すると、電話業務の効率化につながる多様な機能も利用可能です。

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(株式会社IVRy / IVRy編集部)

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