クラウドPBXで保留機能は使えるのか？ 各種機能も徹底解説

クラウドPBXの導入が進むなか、従来のPBXにあった便利な機能をクラウド環境でも利用できるのか気になる方も多いでしょう。特に「パーク保留」と呼ばれる通話の一時保留・転送機能は、オフィス内外を問わず、さまざまな拠点での柔軟なコミュニケーションを実現する重要な機能です。

本記事では、クラウドPBXにおけるパーク保留機能を使えるのか、使い方やメリットも含めて、それ以外のクラウドPBXの便利な機能などについて解説します。

1.クラウドPBXでパーク保留は使えるのか？

パーク保留とは、通話を一時的に保留し、ほかの人が別の電話機から通話を再開できる機能です。保留中の通話には専用のピックアップ番号が割り当てられ、この番号を押すことでほかの人が通話に参加できます。

クラウドPBXでは、パーク保留機能の利用が可能です。ただし、特にスマートフォンで利用する場合、機種やOSによって操作方法が異なることがあるため注意しましょう。

通話を迅速に転送して引き継ぐパーク保留は、業務効率化において重要な役割を果たします。

保留との違い

パーク保留は、英語ではコール・パーキング（call parking）といい、パーク（park）は駐車するという意味合いです。 つまり、車を駐車場に止めて、ほかの人にその車を渡すことを、通話を渡すことにたとえています。

通常の保留との違いは「保留解除の仕方」にあります。通常の保留では、その電話機の保留ボタンを押さなければ解除されません。一方でパーク保留の場合、PBXを介していればどの電話機でも、指定されたピックアップ番号を押すだけで通話を再開できます。

パーク保留のメリット

通話フローの効率化

最初の受電者が対応できない内容でも、その内容に詳しいほかの担当者が迅速に引き継げます。通話対応が途切れることがないため、顧客満足度や業務効率の向上につながります。

リモートワーク連携の向上（クラウドPBXの場合）

クラウドPBXのパーク保留であれば、転送先がオフィス外でも対応可能なため、リモートワーク中の担当者にも転送できます。リモートワークメンバーとの連携がスムーズになり、柔軟な働き方が実現できるでしょう。

パーク保留の主な使用シーン

受付スタッフが担当者に転送するケース

受付スタッフが代表電話で受電後、担当部門に通話を転送することで、顧客や問い合わせ内容に応じた適切なスタッフへつなげられます。迅速な対応を実現でき、顧客満足度の向上が期待できます。

部門内で営業チームや技術サポートチームに転送するケース

顧客対応部門の直通電話で受電後、内部連携を行う営業チームや技術サポートチームに転送し、専門性を活かした迅速なチーム対応を行えます。

2.保留以外のクラウドPBXの便利な機能

クラウドPBXは、保留以外にも多彩な機能を備えており、業務効率化や顧客対応力の向上に貢献します。自動応答（IVR）や通話履歴、スマートフォンを内線化する機能、ビデオ通話機能などが代表的です。これらの便利機能を活用することで、スムーズなコミュニケーションと柔軟なリモート業務が実現できます。

自動応答（IVR: Interactive Voice Response）

自動応答（IVR: Interactive Voice Response）は、顧客が電話をかけた際に音声ガイダンスに従ってメニューを選択することで、適切な部門や担当者に自動転送される便利な機能です。また、時間外対応や条件に応じた分岐設定が可能なサービスもあり、顧客への案内精度を向上させます。

さらに、企業の営業時間や重要なアナウンスを自動で流す設定も可能です。

転送機能

転送機能は受電した電話を他の電話機に振り分ける機能です。転送機能は以下のようにさまざまな種類があります。

• 手動転送：手動で他の内線番号を指定して転送する機能
• 自動転送：外部からの着信を事前設定された転送先に自動的に転送する機能
• 無応答転送：外部からかかってきた電話に一定時間応答がなかった場合に、設定した転送先に自動で転送する機能
• 話し中転送：通話中のビジネスフォンに別の電話がかかってきた場合、その電話を事前に登録しておいた別の電話機に転送する機能
• ツインコール外線転送：外部からの着信を複数の電話機に同時に通知する機能

  
  

転送機能については、以下の記事で詳しく解説しています。

参考：ビジネスフォンの転送設定とは？代表的な5つの転送機能を解説

通話履歴と録音機能

通話履歴と録音機能は、すべての通話内容をシステムに記録し、必要に応じて再生や検索ができる機能です。コールセンターや顧客対応部門では、通話データを参照することで、各通話の詳細や担当者の対応を追跡でき、対応の透明性を確保します。

また、蓄積された通話履歴を分析し、顧客対応の傾向を把握して改善点を特定したり、マーケティングに活用したりすることが可能です。これらの機能は、トラブル対応や内部連携をスムーズにするほか、顧客満足度の向上やサービス拡大にも寄与します。

スマートフォンを内線化する機能

クラウドPBXはさまざまなデバイスに対応しており、登録した端末間での内線通話が可能です。従来のビジネスフォンは固定電話間でしか内線通話ができず、外出先の社員には外線発信が必要でした。

クラウドPBXでは専用アプリをスマートフォンにインストールするだけで、どこからでも内線通話を行えます。外出中やテレワーク中の社員、他拠点との連絡も内線扱いにできるため、通話コストの大幅な削減が可能です。

ビデオ通話・会議機能

クラウドPBXには、音声通話だけではなく、リモートでのビデオ会議や画面共有機能を備えているものもあります。これにより、場所を問わず視覚的な情報を共有しながら、会議を行うことが可能です。

また、音声通話からビデオ会議へスムーズに移行できるシームレスな機能もあり、途切れのないコミュニケーションを実現します。これらの機能は、リモートワークや多拠点業務でのチーム連携を強化し、業務効率と生産性を向上させます。

この記事では、クラウドPBXにおけるパーク保留機能の利用可否や使用ケース、その他の便利な機能について詳しく解説しました。

パーク保留は、業務効率を向上させるために欠かせない機能であり、近年導入が進んでいるクラウドPBXでも利用可能です。加えて、自動応答機能やスマートフォン内線化など、クラウドPBXならではの機能を活用することで、柔軟な働き方に対応する強力なツールとなるでしょう。

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