PBXの価格を徹底比較!種類別の費用相場や導入の 注意点も解説

企業の通信インフラに欠かせないPBX(Private Branch Exchange)は、電話応対の効率化やコスト削減を実現する重要なシステムです。しかし、PBXの価格は種類や導入形態、機能によって大きく異なるため、自社に最適なシステムを選ぶには慎重な検討が必要です。
本記事では、PBXの種類別の価格相場や、費用に影響を与える要素、導入時のチェックポイントなどを解説します。PBXの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
PBXの種類と特徴
PBXとは、企業や組織内に設置される電話交換システムのことです。主な機能として、外線との発着信管理、内線同士の通話、通話転送、通話録音などが挙げられるでしょう。これらの機能により、企業の電話応答を効率化でき、コスト削減と顧客サービスの向上にも役立ちます。
PBXの種類は、主に「オンプレミスPBX」「IP-PBX」「クラウドPBX」の3つです。それぞれの特徴やメリット・デメリットについて、下表にまとめました。
オンプレミスPBX | IP-PBX | クラウドPBX | |
|---|---|---|---|
特徴 | 電話回線を使用 | インターネット回線を使用 | クラウド上でシステムを使用 |
メリット | ・高品質な通話 | ・通話コスト削減 | ・導入が容易 |
デメリット | ・導入と運用コストが高額 | ・追加コストが発生しやすい | ・通信環境によって通話品質が低下する可能性がある |
導入を検討する際は、それぞれの特徴を理解したうえで、自社のニーズや予算、必要な機能に応じた適切なPBXを選ぶことが大切です。
PBXの価格を比較!種類別の費用相場
PBXは種類によって費用相場が異なります。なお、利用サービスによっても料金体系が大きく異なるため、事前に確認しましょう。
オンプレミスPBX
オンプレミスPBXは、初期費用が高額になる傾向があります。初期費用は数百万円から数千万円程度です。機器費用に50万円〜数百万円、設備工事費に1台あたり1万~2万円がかかります。
ランニングコストとして、保守費用や回線使用料があり、それぞれの費用は月額数万円~数十万円です。オンプレミスPBXは、機能や規模、回線の種類によって価格が大きく変動するほか、メンテナンスを外部に委託する場合は追加の月額費用が発生する点に注意しましょう。
IP-PBX
IP-PBXは、オンプレミスPBXよりも初期費用を抑えられます。初期費用の相場は数万円から百万円程度で、機器費用(ハードウェアタイプの場合)に10万円〜数百万円、設置工事費はオンプレミスPBXと同程度です。
ランニングコストとして、保守費用やライセンス費用、通話料などが必要です。それぞれの費用は月額数千円〜数万円です。IP-PBXにかかる総費用は、接続する端末数、回線容量、必要な機能によって変動します。
クラウドPBX
クラウドPBXは、初期費用が無料の場合が多く、PBXの中でもっとも導入しやすい形態といえます。機器の購入は不要ですが、1回線あたり数千円程度の月額利用料と 、通話料が発生します。メンテナンス費用は事業者側が負担するため、ユーザー側の負担が少ないことがメリットです。
詳しくは関連記事の「クラウドPBXとは?電話DX実現のヒントとなる特徴やメリットなどを解説!」をご覧ください。
PBXの価格を左右する要素とは?
PBXの価格を左右する要素は、サービスの品質や機能をはじめ、以下のような点があります。
PBXの種類
オンプレミスPBX、IP-PBX、クラウドPBXでは、それぞれ価格帯が異なります。オンプレミスは初期費用が高く、IP-PBXはオンプレミスより初期費用は安価ですが、クラウドPBXが最も初期費用を抑えられることが多いです。
初期費用
PBXの導入にかかる初期費用は、主に機器の購入費や設置工事費で構成されます。種類によってその額は大きく異なり、オンプレミスPBXでは数百万円以上かかることも珍しくありません。具体的な内訳としては、機器費用に50万円〜数百万円、設備工事費に1台あたり1万~2万円ほどが見込まれます。
一方、IP-PBXはオンプレミスPBXよりも費用を抑えられ、数万円から百万円程度が相場です。ただし、ハードウェアタイプの場合は機器費用として10万円〜数百万円がかかることもあります。
クラウドPBXの場合、物理的 な機器が不要なため初期費用は無料のサービスも多く、最も手軽に導入できる選択肢といえるでしょう。
ランニングコスト
ランニングコストには、保守費用やライセンス費用、回線使用料や通話料などが含まれ、これもPBXの種類によって変動します。 自社運用となるオンプレミスPBXは、月額数万円〜数十万円の保守費用や回線使用料が発生します。
IP-PBXは月額数千円〜数万円が目安で、保守費用やライセンス費用、通話料などがかかります。
クラウドPBXは、1回線あたり月額数千円程度に加えて通話料が発生する料金体系が一般的です。メンテナンス費用は事業者が負担するため、ユーザー側のコストを抑えられる点が大きなメリットです。
機能
通話録音、音声メール、会議機能、多言語対応など、必要な機能の数と種類によって価格は大きく変動します。高機能なほど価格も高くなる傾向があります。
詳しくは関連記事の「PBXの機能一覧!導入方法や選び方を解説」をご覧ください。
ユーザー数
利用するユーザー数が多いほど、価格が高くなる傾向があります。必要な内線数や同時通話数など、想定されるユーザー数に基づいて検討する必要があります。