デジタル電話交換機とは?PBXのリプレイス方法を徹底解説

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「社内の電話交換機(PBX)が古くなってきた」「メーカーの保守サポートがもうすぐ切れてしまう」このような課題を抱えていませんか?従来のPBXを使い続けることには、事��業継続を脅かす重大なリスクが潜んでいます。本記事では、PBXの老朽化や保守切れに悩む担当者の方へ向け、レガシーPBXを使い続けるリスクから、IP-PBXやクラウドPBXといった新しいデジタル電話交換システムへ移行するための具体的な選択肢、その選定ポイントまでを網羅的に解説します。

「社内の電話交換機(PBX)が古くなってきた」「メーカーの保守サポートがもうすぐ切れてしまう」

このような課題を抱えていませんか?従来のPBXを使い続けることには、事業継続を脅かす重大なリスクが潜んでいます。

本記事では、PBXの老朽化や保守切れに悩む担当者の方へ向け、レガシーPBXを使い続けるリスクから、IP-PBXやクラウドPBXといった新しいデジタル電話交換システムへ移行するための具体的な選択肢、その選定ポイントまでを網羅的に解説します。

デジタル電話交換機とは?従来型との違い

PBXのリプレイスを検討する上で、まずはデジタル電話交換機の基本的な仕組みと、従来型との違いを正確に理解しておくことが重要です。ここでは、その技術的な違いがビジネスにどのような影響を与えるのか解説します。

デジタル電話交換機とは?

デジタル電話交換機とは、音声データをIPパケットに変換し、LANなどのIPネットワーク(インターネット回線網)を使って通話を接続する仕組みの電話交換機を指します。

代表的なものに、自社内にサーバーを設置する「IP-PBX」と、インターネット経由で機能を利用する「クラウドPBX」の2種類があります。

従来型(レガシーPBX)との仕組みの決定的な違い

従来型のレガシーPBXとデジタル電話交換機の決定的な違いは、通話の接続に「電話線」を使うか、「IPネットワーク」を使うかという点です。

レガシーPBXが電話機ごとに物理的な配線を必要とするのに対し、デジタル電話交換機は既存の社内LANを活用できます。この仕組みの違いが、導入コストや機能の拡張性、運用の柔軟性など、あらゆる面に大きな差を生み出しています。

従来型の電話交換機(レガシーPBX)を使い続ける3つのリスク

「まだ使えるから」と古いPBXを使い続けることは、コスト、セキュリティ、そして事業の成長機会において、無視できない3つの大きなリスクを抱え込むことになります。

リスク1:保守切れによるセキュリティ・故障リスクの増大

PBXの法定耐用年数は6年と定められており、これを超過すると故障の可能性が急激に高まります。

さらに深刻なのが、メーカーの保守サポートが終了した場合です。故障時の修理部品が入手困難になったり、新たなセキュリティの脅威に対応する更新プログラムが提供されなくなったりと、事業停止に直結するリスクが放置されることになります。

万が一PBXが停止すれば、企業の電話機能は完全に麻痺し、ビジネスに甚大な損害を与えかねません。

リスク2:機能拡張が困難で、新しい働き方に対応できない

レガシーPBXは、その設計の古さから現代の多様な働き方に対応できません。

スマートフォンを内線端末として利用したり、リモートワーク中の社員が会社の番号で発着信したりすることは基本的に不可能です。

また、CRM(顧客管理システム)と連携して着信時に顧客情報を表示するといった、業務効率を向上させるための機能拡張も困難といえます。

リスク3:高額な運用・保守コストの継続

レガシーPBXは月額利用料こそかかりませんが、ハードウェアの維持管理や専門業者によるメンテナンスに継続的なコストが発生します。

特に保守サポートが終了した後の故障は、修理費用が全額自己負担となり、部品が希少な場合は非常に高額になるケースも少なくありません。

結果的に、計画的にシステムを刷新するよりも、場当たり的な修理を繰り返す方がトータルコストは高くなる可能性があります。

主要なデジタル電話交換機は2種類!IP-PBXとクラウドPBX

レガシーPBXからの移行先となるデジタル電話交換機には、大きく分けて「IP-PBX」と「クラウドPBX」の2つの選択肢があります。それぞれの特徴を理解し、自社に合った方式を見極めましょう。

IP-PBX:自社内にサーバーを設置するオンプレミス型

IP-PBXは、PBXの機能を持つ専用機器やサーバーを自社オフィス内に設置する「オンプレミス型」のシステムです。

社内ネットワーク上でシステムが完結するため、外部の通信環境に影響されにくい安定した通話品質や、自社のセキュリティポリシーに合わせた柔軟なカスタマイズが可能な点が特徴です。

ただし、高額な初期投資や、自社での資産管理・運用保守が求められます。

クラウドPBX:ベンダー提供のサーバーを利用するクラウド型

クラウドPBXは、ベンダーがクラウド上に構築したPBX機能を、インターネット経由で利用するサービスです。

自社内に機器を設置する必要がないため、物理的な配線工事が不要で、低コストかつ迅速に導入できるのが最大のメリットです。

また、システムの保守やアップデートはすべてベンダー側で行われるため、運用管理の負担を大幅に軽減できます。

IP-PBXとクラウドPBX、どちらを選ぶべきか

自社に最適なシステムを選ぶためには、コスト、機能、運用、セキュリティといった多角的な視点から両者を比較検討する必要があります。ここでは、それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく解説します。

比較項目

IP-PBX(オンプレミス型)

クラウドPBX

初期コスト

高額(数百万円以上の場合も)

低額(無料〜数万円程度)

運用コスト

保守費用、管理者の人件費

月額利用料(ユーザー数に応じる)

機能拡張性

サーバーの性能に依存

非常に高い(プラン変更で容易に追加)

運用・管理

専門知識が必要、自社で対応

容易(Web画面で設定)、ベンダーが保守

セキュリティ

自社ポリシーで高度に構築可能

ベンダーの対策に依存

リモート対応

可能(VPNなど追加設定が必要)

標準対応(場所を問わず利用可能)

事業継続性

△(オフィス被災時に停止)

◎(オフィスから独立して稼働)

比較1:初期導入コストと運用コスト

コスト構造が根本的に異なります。IP-PBXは機器購入や工事費で初期コストが高額になる一方、クラウドPBXは初期費用を抑えられます。

ただし、IP-PBXは資産となるため月々の支払いは保守費用などが中心ですが、クラウドPBXは利用する限り月額料金が発生します。長期的な視点で総所有コスト(TCO)を比較することが重要です。

比較2:機能の拡張性と柔軟性

事業の成長や変化への対応力では、クラウドPBXに大きな優位性があります。

ユーザー数の増減や機能の追加も、管理画面からの簡単な操作で即座に対応可能です。一方、IP-PBXで拡張を行う場合は、機器の増設や買い替えが必要になる可能性があります。

比較3:導入・運用の手間と必要な専門知識

IT部門の運用負荷を大幅に削減できるのがクラウドPBXの魅力です。

システムの維持管理やセキュリティアップデートは全てベンダーに任せることができます。対してIP-PBXは、サーバーやネットワークの専門知識を持つ担当者が自社で管理・運用する必要があります。

比較4:セキュリティと信頼性

セキュリティの責任範囲が異なります。

IP-PBXは自社ネットワーク内に閉じて運用できるため、独自のセキュリティポリシーを厳格に適用したい場合に適しています。クラウドPBXの場合はベンダーのセキュリティ対策に依存しますが、信頼できるベンダーは堅牢なデータセンターでサービスを運用しています。

比較5:拠点間の連携とリモートワーク対応

多拠点展開や多様な働き方への親和性は、クラウドPBXが非常に高いです。

インターネット環境さえあれば、国内外の拠点をシームレスに内線網で結び、社員のスマートフォンを内線端末として活用できます。IP-PBXでも拠点間接続は可能ですが、追加のネットワーク設定などが必要になります。

失敗しない!デジタル電話交換機への移行計画5ステップ

システムの入れ替えを成功させるためには、事前の準備と計画的な進行が不可欠です。ここでは、移行をスムーズに進めるための5つのステップを紹介します。

ステップ1:現状の課題と要求事項の洗い出し

まずは現在の電話システムが抱える課題(コスト、機能、運用面)を具体的にリストアップします。

その上で、新しいシステムに求める機能や解決したい課題といった要求事項を「必須」「推奨」に分けて整理し、優先順位を明確にします。

ステップ2:IP-PBXかクラウドPBXかの方向性決定

ステップ1で洗い出した要求事項と前述の比較を基に、どちらのタイプが自社に適しているかの方向性を決定します。

「コスト」「運用体制」「求める機能」「セキュリティポリシー」など、何を最も重視するかで選択は変わってきます。

ステップ3:複数ベンダーからの情報収集と見積もり取得

方向性が決まったら、複数のベンダーや製品・サービスをリストアップし、機能や料金プランを比較検討します。

この際、初期費用と月額費用だけでなく、5年程度の長期的な総所有コスト(TCO)で見積もりを依頼すると、より正確なコスト比較ができます。

ステップ4:PoC(概念実証)による通話品質・機能の検証

特にクラウドPBXを検討する場合は、必ず無料トライアルなどを活用し、実際の業務で利用するネットワーク環境でテストを行いましょう。

通話品質が安定しているか、必要な機能が業務フローに合っているかなどを事前に検証することで、導入後のミスマッチを防ぎます。

ステップ5:導入・切り替えと社内への周知

導入するシステムが決定したら、詳細な導入スケジュールを策定します。

既存の電話番号を引き継ぐ手続き(ナンバーポータビリティ)には時間がかかる場合があるため、余裕を持った計画が重要です。

また、新しいシステムの操作方法について従業員へのマニュアル配布や説明会を実施することも忘れてはいけません。

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クラウドPBXよりも手軽に導入できるため、海外に拠点を持つ企業におすすめの選択肢です。

アイブリー第2編集部のプロフィール画像

アイブリー第2編集部

(株式会社IVRy / アイブリー第2編集部)

アイブリー編集部です。電話に関する様々な情報をわかりやすく解説します。 【アイブリーとは?】 アイブリーは1日100円から利用できる電話自動応答サービス(IVRシステム)です。自由な分岐設定と自動応答・SMS返信・電話の転送(リダイレクト)・録音機能を活用し、営業電話・顧客からの問い合わせ・注文・予約等の様々なシーンを自動化します。また、営業時間内と営業時間外でルールを変えることや、電話履歴の確認や顧客登録機能等、多数の便利な機能が存在しています。

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