PBX(電話交換機)のリースとは?メリット・デメリットから費用相場、比較ポイントまで解説

PBX(電話交換機)の導入は、企業のコミュニケーション基盤を支える重要な投資ですが、高額な初期費用がかかるため、多くの企業が「リース契約」を選択肢に入れています。
本記事では、PBXのリース契約について、メリット・デメリット、レンタルや購入との違い、具体的な費用相場、そして信頼できるリース会社の選び方まで網羅的に解説します。自社に最適な導入形態を判断するための一助として、ぜひご活用ください。
PBXのリースとは
PBXのリース契約への理解を深めるため、まずは契約期間や他の導入形態との違いといった、基本的な知識から解説します。
PBXリースの契約期間
PBXのリース契約期間は多くの場合、機器の法定耐用年数である6年を基準に設定されます。多くのリース会社では、5年〜7年の範囲で契約期間を設けているのが一般的です。
この期間設定は減価償却の会計処理とも関連しており、長期的な利用を前提とした契約といえるでしょう。
レンタルや購入との違い
PBXの導入にはリース以外に、「レンタル」と「一括購入」という選択肢があります。それぞれの特徴は大きく異なり、企業の状況によって最適な方法は変わってきます。
導入形態 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
リース | リース会社が購入した新品のPBXを、月額料金で長期的に借りる契約です。 | ・初期費用を大幅に抑えられる | ・原則として中途解約できない |
レンタル | レンタル会社が所有する中古のPBXを、短期間借りる契約です。 | ・短期利用に適している | ・月額料金が割高 |
一括購入 | PBXを自社の資産として購入する方法です。 | ・長期的に見れば支払総額が最も安い | ・高額な初期費用が必要 |
PBXをリース契約するメリット
PBXのリース契約には、主に財務面や管理面でメリットがあります。ここでは、代表的な4つのメリットをご紹介します。
初期費用を抑えられる
リース契約の最大のメリットは、高額なPBXの購入費用や設置工事費といった初期投資を、大幅に抑制できる点です。
一括購入の場合は数百万円単位の現金支出が必要になることもありますが、リースであれば月々数万円程度の支払いで済むため、手元資金を他の事業投資に有効活用できます。
月々の支払いを経費計上できる
リース料金は、全額を「通信費」などの勘定科目で経費として処理が可能です。
毎月の支払額が一定のためコスト管理がしやすく、将来の資金計画も立てやすくなります。購入のように固定資産として計上し、複雑な減価償却計算を行う必要もありません。
資産管理や税務申告の手間を削減できる
リース契約の場合、PBXの所有権はリース会社にあります。
そのため、自社で固定資産台帳へ記載したり、固定資産税を申告・納付したりする必要がありません。資産の管理や保険の手続きなどもリース会社が行うため、総務・経理部門の事務負担を大幅に軽減できます。
最新機種への入れ替えが容易になる
リース期間が満了した際には、古い機器を返却し、最新のPBXで新たなリース契約を結べます。
技術の進歩が早い通信機器を、常に最新の状態で利用できるのは 大きなメリットです。定期的にビジネス環境を見直す、良いきっかけにもなるでしょう。
PBXをリース契約するデメリット
メリットの多いリース契約ですが、契約期間の縛りや総支払額など、事前に理解しておくべきデメリットも存在します。
原則的に中途解約できない
リース契約は単なるレンタルとは異なり、「ファイナンス契約(金融取引)」としての性質を持つため、契約期間中の中途解約は原則として認められません。
事業所の移転や事業内容の変更といった理由があっても解約はできず、万が一解約する場合は、残りの期間のリース料総額に相当する高額な違約金を、一括で支払う必要があります。
所有権はリース会社にある
リース期間が満了しても、PBXの所有権はリース会社にあります。
そのため、自社の判断で機器を売却したり、廃棄したりすることはできません。あくまで「借り物」であるという認識が必要です。
総支払額は購入より高くなる
リース料金には、機器本体の価格に加えて、リース会社の利益となる金利や手数料、動産総合保険の保険料などが上乗せされています。
そのため、最終的な支払総額は、一括で購入する場合よりも割高になります。
PBXのリース料金の相場
PBXのリース料金はどのように決まるのか、具体的な費用相場を導入・運用コストの観点から解説します。
PBXの導入にかかる費用
リース契約であっても、PBXの機種選定や設置工事は必要です。これらの費用総額が、リース料金の基になります。
- 主装置(PBX本体):企業の規模(接続する電話機の台数)によって価格が大きく変動します。
- 小規模(〜10人):10万〜30万円
- 中規模(10〜50人):30万〜100万円
- 大規模(50人〜):100万円以上
- 電話機本体:1台あたり1万5,000円〜5万円程度が相場です。
- 設置工事費:派遣費、設置・設定費、配線工事費などが含まれ、電話機1台あたり1万〜2万円程度が目安です。
PBXの運用にかかる費用
上記の導入費用総額に、後述する「リース料率」を掛けて、月々のリース料金が算出されます。
例えば、総額50万円のシステムを5年リース(料率2.0%)で契約した場合、月額料金の目安は以下のようになります。
500,000円 × 2.0% ÷ 12ヶ月 ≒ 約8,333円
ただし、これは単純計算であり、実際には保守費用などが含まれる場合もあります。
リース料率の目安
リース料率は、契約年数によって変動するのが一般的です。契約期間が長いほど、料率は低くなる傾向にあります。
契約期間 | リース料率(月間)の目安 |
---|---|
5年 | 約2.0% |
6年 | 約1.7% |
7年 | 約1.5% |
PBXのリース会社の選び方
PBXのリースで失敗しないためには、信頼できるリース会社・販売店を選ぶことが極めて重要です。ここでは、選定の際にチェックすべき3つのポイントをご紹介します。
導入実績や信頼性
自社と同業種・同規模の企業への導入実績が豊富にあるかを、確認しましょう。実績が多ければ、業界特有の課題やニーズを理解した提案が期待できます。
また、特定のメーカーだけでなく、NECやサクサ、岩通など複数のメーカーを取り扱っている販売店であれば、中立的な立場で最適な機種を提案してくれる可能性が高いでしょう。
契約形態や支払い方法の柔軟性
障害発生時のサポート体制は、必ず確認が必要です。リモートだけでなく訪問サポートに対応しているか、サポート費用がリース料金に含まれているのか、別途保守契約が必要なのかを明確にしましょう。
24時間365日対応のサポートデスクがあると、万が一の際も安心です。
見積もりの内容が明確か
複数の会社から必ず相見積もりを取得し、内容を比較検討しましょう。
その際、「一式」などの曖昧な項目で費用がまとめられている見積書には注意が必要です。機器の単価や工事内容の内訳など、詳細な明細を提示してくれる誠実な会社を選びましょう。
PBXリースの比較ポイント
リース会社や販売店を比較検討する際には、以下の4つのポイントに注目することで、より自社に合った契約を見つけやすくなります。
月々の料金・費用
月額料金の安さだけで判断するのは危険です。見積もりに含まれるサービス内容(特に保守サポートの範囲)を精査し、コストパフォーマンスを総合的に判断する必要があります。
隠れた費用がないか、契約書の内容を隅々まで確認することが重要です。
リースできるPBXの種類
販売店によって、取り扱っているPBXの種類やメーカーは異なります。オンプレミス型のPBXだけでなく、近年主流となっているクラウドPBXも選択肢として提案できるかどうかも、その会社の技術力や提案の幅広さを測る指標になります。
保守・サポート体制
前述の通り、サポート体制は非常に重要です。特に、PBXの設置工事を自社の専門スタッフが行うか、外部の業者に委託するかは確認しておきたいポイントです。
自社で一貫して対応する会社の方が、責任の所在が明確で、トラブル時の対応もスムーズな傾向にあります。
契約満了時の選択肢
リース期間が満了した後の選択肢についても、契約前に確認しておきましょう。
- 再リース:同じ機器を格安の料金で使い続ける。ただし故障リスクが高まり、修理費は自己負担になる。
- 返却:機器をリース会社に返却する。
- 新規リース:最新の機器で新たにリース契約を結ぶ。
- 買い取り:リースしていた機器を買い取る。契約によっては選択できない場合もある。
安易に再リースを選ぶと、老朽化した機器のトラブルに悩まされる可能性があります。契約満了が近づいたら、事業の状況に合わせて最適な選択をすることが重要です。
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