コールセンターを自動化する4つの方法!メリットと注意点、事例を解説

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近年のAIや自動化技術の発達により、コールセンターの課題を効果的に解決するソリューションが次々に登場しています。この記事では、業務効率化により運営コストを削減しながら、顧客満足度の向上を同時に実現できる、コールセンター自動化の方法を紹介します。

近年のAIや自動化技術の発達により、コールセンターの課題を効果的に解決するソリューションが次々に登場しています。この記事では、業務効率化により運営コストを削減しながら、顧客満足度の向上を同時に実現できる、コールセンター自動化の方法を紹介します。

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【監修】岩間 悠太

(株式会社IVRy / 事業統括マネージャー)

2002年ベルシステム24入社。 23年間のコンタクトセンター/BPO事業会社での経験を経て、2025年4月より現職。営業、マネジメント、ソリューション開発、海外事業立ち上げまで幅広く経験。労働集約型ビジネスからテクノロジー主導のSaaSビジネスへと転身し、対話型AIの社会実装を推進している。

【監修】岩間 悠太のプロフィール

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コールセンターにおける課題とは?

顧客のニーズが多様化し、情報技術が進化する中で、コールセンターを取り巻く環境は急速に変化しています。

問い合わせ件数の増加、オペレーターの不足、対応品質のばらつき、顧客情報の一元管理など、コールセンターが直面する課題は多岐にわたります。とりわけ、人手不足と運営コストの問題は、どの規模のコールセンターでも避けられない課題です。

こうした課題の解決策として注目されているのが、コールセンター業務の自動化です。自動化は単に業務を効率化するだけでなく、コスト削減や対応品質の向上に寄与し、最終的には顧客満足度の向上にもつながります。

自動化はコールセンターの課題解決において、欠かせない重要な手段となっています。

コールセンター業務を自動化する4つの方法

コールセンター業務を自動化する手段として、さまざまな技術が導入されており、業務効率化や対応の均一化を可能にしています。ここでは、コールセンターで活用できる4つの自動化手法について特徴とメリットを紹介します。

1. IVR

IVR(Interactive Voice Response)は、顧客の問い合わせに対して、音声ガイダンスが自動案内するシステムです。顧客のボタンプッシュ操作や音声認識に基づき、質問に対する適切な回答を自動的に提供します。

例えば、営業時間の案内や口座残高の照会など、簡単な問い合わせはオペレーターを介さずに、IVRだけで完結させることができます。

導入メリット
IVRを導入することで、オペレーターの業務負担を軽減し、顧客の待ち時間を短縮できます。簡単な質問はオペレーターに繋がる前に解決されるため、顧客側の利便性向上にもつながります。

導入時の注意点
IVRはメニューが多すぎると顧客にとって使いにくくなるため、設定時には適切なガイドを設けることが重要です。また、顧客がオペレーターと直接話したい場合に、スムーズに繋がるオプションを提供する必要があります。

【独自調査】IVR(電話自動応答)導入による自動化率、約半数が「50%以上」と回答

編集部ではIVR(電話自動応答)を導入したという経営者や役員を含む25歳〜65歳の会社員200人にアンケートを実施。システムを導入したことによる電話対応の自動化率に関する設問では「50%以上70%未満」と答えた方が最も多く31.6%、ついで「70%以上90%未満」と答えた方が20.9%いました。

IVRを導入した会社では、約半数の方が電話対応のうち50%〜90%未満を自動化できていると感じているようです。

Q:IVRによる自動化率はどの程度ですか?

IVRによる自動化率についてのアンケート画像

(調査名:IVR導入企業向けアンケート調査、調査対象:25〜65歳の経営者・役員・会社員、有効回答数:200件、調査実施日:2025年9月29日、調査手法:インターネット調査、調査実施会社:株式会社IVRy)

2. チャットボット

チャットボットはチャットを介した自動会話プログラムで、設定したルールに沿って回答するシナリオ型と、人工知能を活用したAI型があります。

シナリオ型は、顧客の入力内容を受け取り、あらかじめ設定されたルールに基づいて最適な回答を提示します。AI型のチャットボットは、機械学習によって自ら学習し、より自然な会話や複雑な質問への対応が可能です。

導入メリット
チャットボットの導入により、24時間体制の顧客対応が実現できます。また、複数の顧客を同時にサポートできるため、問い合わせが急増した際も安定した対応が可能です。オペレーターはより重要な業務に集中でき、コールセンター全体の業務効率にも大きく寄与します。

導入時の注意点
チャットボットのみで対応できない場合を想定し、オペレーターに引き継ぐ仕組みを用意する必要があります。また、設定した回答のデータベースを定期的に更新し、常に最新の情報を提供できるように管理することも欠かせません。

3. 音声認識による文字起こし

AIを活用した音声認識により、通話内容をリアルタイムでテキスト化し、自動的に記録するシステムです。通話内容が文章で保存されるため、クレーム対応やトラブルシューティングに役立ちます。

また、音声認識で取得したデータをCRM(顧客管理システム)と連携することで、コールセンター内で顧客情報をスムーズに共有でき、一貫した対応が可能になります。

導入メリット
オペレーターが手動で行っていた通話内容の記録作業が自動化されるため、作業効率の向上が期待できます。また、テキスト化された通話データをトレーニングやフィードバックに活用できるため、オペレーターの育成やパフォーマンス向上にも繋がります。

導入時の注意点
音声認識システムは、騒音環境や方言・話し方の癖に影響を受けやすく、認識精度が低下する可能性があります。導入前に通話環境の整備や音声認識精度を検証することが大切です。

4. RPA

RPA(Robotic Process Automation)は、繰り返し行われる定型的な事務作業を自動化するためのシステムです。データ入力や帳票の作成、異なるシステム間でのデータ転送のような作業を、人手を介さずに自動処理できます。

クライアント型とサーバー型があり、小規模な業務自動化にはクライアント型RPA、大規模な業務自動化や複数部署での利用にはサーバー型RPAが適しています。

導入メリット
CRMへの登録やレポート生成といった定型業務をRPAで自動化することで、オペレーターの作業負担を軽減できます。また、自動化により業務スピードが向上し、人為的なミスも防げるため、コールセンターの効率的な運営に大きく貢献します。

導入時の注意点
RPAの設定にはプログラミングやシステムに関する一定の知識が必要です。また、導入には初期費用や運用費用、保守費用が発生するため、費用対効果を十分に検討し、RPAを導入する範囲を適切に見極めることが重要です。

コールセンター業務を自動化するメリットとは?

上記のような方法を使い、コールセンター業務を自動化することで、顧客と企業の双方にとって多くのメリットがあります。主なメリットは以下の通りです。

業務効率の向上

コールセンターの自動化により、オペレーターが行っていた一部の業務をシステムが代行するため、業務効率の向上が期待できます。例えば、IVRやチャットボットを導入すれば、よくある問い合わせや簡単な質問への対応が自動化され、オペレーターはより高度な案件に集中できます。

また、RPAを活用することで、データ入力や帳票作成のような定型作業も自動化され、人的リソースを効率的に活用できるようになります。

対応時間の拡張

コールセンターの自動化によって、顧客対応時間を拡張することも可能です。例えば、IVRやチャットボットの導入で、オペレーター不在の深夜や早朝、休日でも、システムが自動で問い合わせに応じます。24時間365日体制で基本的な顧客対応が可能となるため、より充実したサービスの提供が実現します。

運営コストの削減

IVRやチャットボットを活用することで、オペレーターの稼働人数削減が可能になるでしょう。また、RPAを導入して定型業務を自動化すれば、オペレーターが顧客対応に専念できるため、より少ないスタッフで多くの顧客に対応でき、結果として運営コストの削減につながる可能性があります。

対応品質の向上

IVRやチャットボットの導入により、オペレーターの人数や対応速度に左右されることなく、常に安定した顧客対応を提供できます。さらに、音声認識による文字起こしを活用すれば、顧客対応のブラッシュアップや新人教育にも役立ち、コールセンター全体の品質向上にも貢献するでしょう。

従業員満足度の向上

自動化を進めることで、オペレーターが単調で繰り返しの多い作業から解放され、より専門性の高い業務に集中できる環境が整います。顧客対応の負担が軽減され、ストレス緩和につながる可能性があります。その結果、従業員満足度の向上や離職率の低下に貢献することが見込まれます。

コールセンターの自動化成功事例

ここでは、コールセンターの自動化に成功した企業の事例を紹介します。自社と似た課題を抱えている企業がどのように自動化を実現したのか、ぜひ参考にしてください。

IVRの導入事例

遊び・体験予約サイトを運営するアソビュー株式会社は、コールセンター運営コスト削減と業務効率化のため、電話自動応答サービス「IVRy(アイブリー)」を導入しました。

ログイン方法やポイント利用、キャンセル手続きなど、よくある問い合わせを自動化できたことで、電話による問い合わせの自動化率が大幅に向上。電話の自動化率は、導入から1か月目には50%を超え、現在では70%を超える日もあるといいます。

コールセンター業務の効率化が進み、運用コストも大幅に削減されました。

参考:電話の自動化率は最大70%。IVRyの導入でコールセンター運営コストを半減させたアソビューの活用術

チャットボットの導入事例

チューリッヒ生命保険は、顧客満足度向上と業務効率化のため、AIチャットボット「Cogmo Attend」を導入しました。自動応答機能に加え、対応中に有人チャットへ切り替える機能も備わっています。

住所変更や保険料控除証明書の再発行など、定型的な問い合わせが自動化され、オペレーターの対応時間が短縮されました。顧客が自分で問題を解決できる機会が増えたことで、コールセンターへの入電が減り、顧客満足度とサポート品質の向上につながっています。

参考:チューリッヒ生命 「ご契約者様向けサービスにAIチャットボットを導入」

音声認識による文字起こしの導入事例

レオパレス21は、応答品質の向上と業務効率化のため、AI音声認識システム「AmiVoice Communication Suite3」を導入しました。このシステムは、通話記録のテキスト化やFAQ検索、クレーム傾向分析機能などを備えています。

導入によって、オペレーターのスキル差が解消され、対応品質が均一化。通話記録のテキスト化により、年間約2,633時間の作業時間の削減を実現しています。

参考:PRタイムズ「レオパレス21 全国5拠点のコールセンター全席に 音声認識ソリューションAmiVoice® Communication Suite3を導入」

段階的な自動化がコールセンター改革のポイント

コールセンター業務の自動化は、コスト削減や業務効率の向上だけでなく、顧客満足度や従業員の働きやすさにも大きく貢献します。

IVR、チャットボット、文字起こし、RPAといった自動化ツールをうまく組み合わせることで、限られたリソースでも高品質な顧客対応を提供できるでしょう。

ただし、コールセンター業務を自動化する際には、導入コストや運用面での負担、システムが現場に浸透するまでの時間が必要です。すべてを一気に自動化するのではなく、優先度の高い業務から段階的に自動化を進めることが、コールセンター改革を成功させるポイントです。


小規模なコールセンターのマネージャーが今、取るべき戦略について、まずはテクノロジーの活用を積極的に検討することです。特に、低コストで始められるクラウド型のサービスは、小規模なセンターにとって有効な手段となります。

例えば、時間外アナウンスの自動化から始めるなど、小さな成功体験を積み重ねることが次のステップに繋がります。


初めての電話対応ツールはアイブリーがおすすめ

コールセンターシステムの導入を検討しているものの、「オペレーターが3人しかいない…」「大規模コールセンターを作りたいわけじゃない…」とお悩みの方には、AI電話自動応答サービスのアイブリーをおすすめします!

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便利な顧客管理機能(CRM)付き

アイブリーの顧客管理機能(CRM)は、顧客の電話番号と氏名・住所・性別などの個人情報を管理できるほか、電話による問い合わせ履歴なども紐づけて管理できます。

通話しながらメモを残すこともできるので、ひとりひとりの顧客に寄り添ったきめ細かい対応が実現できます。

顧客対応の通話履歴を分析できる

アイブリーならAIを使った通話履歴分析ができるため、どの時間帯にどんな電話が多いのか、などの分析だけでなく、顧客が何を求めているのか、ニーズを把握でき、より顧客が求める商品・サービスの開発に役立てることができます。

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