ダイヤルインとは?ビジネスフォンで使うメリットと設定方法を解説

代表電話への着信が集中して、担当者への取り次ぎに時間を取られていませんか。その課題を解決するのが、ビジネスフォンの「ダイヤルイン」機能です。
本記事では、ダイヤルインの基本的な仕組みから関連サービスとの違い、利用するメリットを解説します。
ダイヤルインの仕組み
ダイヤルインとは、1つの電話回線契約で複数の電話番号を追加できるサービスです。
通常、電話回線1つにつき電話番号は1つしか割り当てられませんが、ダイヤルインを利用すれば、物理的な回線を増設することなく、部署や担当者ごとの「直通番号」が持てます。
この仕組みは、オフィスに設置されたPBX(構内交換機)が、着信した電話番号を識別し、あらかじめ設定された内線電話機へ直接つなぐことで実現します。これにより、代表電話での取り次ぎ業務が不要になり、電話対応が円滑になります。
代表組・直通電話(DIL)との違い
ダイヤルインと混同されやすいサービスに「代表組」や「直通電話(DIL)」があります。それぞれの違いを理解し、自社に最適なサービスを選びましょう。
多くの中小企業では、複数番号を利用できる「ダイヤルイン」と、複数回線で同時通話を可能にする「代表組」を組み合わせた「代表ダイヤルイン」が、最も効果的かつ現実的な運用方法として採用されています。
サービス名 | 機能 | 特徴 |
---|---|---|
ダイヤルイン | 1つの回線で複数の番号を利用 | 部署や個人ごとの直通番号により、電話の取り次ぎを効率化できます。回線数を抑え、コスト削減にも繋がります。 |
代表組 | 複数の回線を1つの代表番号に集約 | 複数の着信に同時対応でき、「話し中」を防いで機会損失を低減します。 |
直通電話(DIL) | 1つの番号を1台の電話機に直結 | 特定の担当者専用の電話番号です。役員用電話など、高い秘匿性が求められる用途で利用されます。 |
ビジネスフォンでダイヤルインを利用するメリット
ダイヤルインを導入することで、3つのメリットを得られます。
電話取次業務の効率化
ダイヤルイン導入による最も直接的な効果は、電話取次業務の効率化です。
担当部署や個人の直通番号へ直接電話がかかるため、代表電話での一次対応や、内線で担当者を探してつなぐといった一連の作業が不要になります。
これにより、これまで電話対応に追われていた従業員は自身のコア業務に集中できるため、組織全体の生産性向上に繋がります。
コスト削減への貢献
ダイヤルインは、コスト削減にも大きく貢献します。
通常、電話番号を増やすには、その数だけ物理的な電話回線を契約する必要があり、月額基本料金が大きな負担になりがちです。
しかしダイヤルインを利用すれば、1つの回線契約に複数の番号を追加できるため、月々の通信コストを大幅に抑制できます。
特に、IP電話(ひかり電話など)向けのダイヤルインサービスは、従来のISDN回線向けに比べて格段に安価で、コストメリットはさらに大きくなります。
顧客満足度の向上
問い合わせの際、保留で待たされることなく担当者に直接、迅速につながることで、ストレス軽減につながり、企業の対応力への信頼を高めます。
また、担当者から折り返し電話をする際も、所属部署の番号が表示されるため、誰からの着信かが一目で分かり、円滑なコミュニケーションを促進します。
ビジネスフォンでダイヤルインを導入する方法
ダイヤルインのメリットを最大限に活かすには、導入プロセスを正しく理解することが重要です。ここでは、必要な契約から費用の目安、信頼できる業者選びのポイントまで、具体的な導入方法を3つのステップで解説します。
必要な回線と契約形態
ダイヤルインは、従来のアログ回線やISDN回線、そして現在の主流であるIP電話(ひかり電話など)のいずれでも利用可能です。
ただし2024年以降、NTTのISDNサービス「INSネット」はIP網への切り替えが進められており、2028年12月31日にはサービス提供が完全に終了することが決定しています。将来的な運用を考えると、これから導入する場合はIP電話(ひかり電話)を基盤としたサービスを選択するのが最も合理的でしょう。
また、ダイヤルインの利用には、着信番号を識別して内線に振り分けるには、主装置が必須です。そのため、現在使用しているのビジネスフォンがダイヤルインに対応しているか、事前に確認が必要です。
導入にかかる費用(初期費用・月額料金)
ダイヤルインの導入費用は、「初期費用」と「月額料金」に分けられます。
費用項目 | 内容 | 料金目安(税込) |
---|---|---|
初期費用 | 工事費:通信キャリアに支払う費用 | 基本工事費:2,200円 |
主装置設定費:業者に支払う設定作業費 | 22,000円~33,000円程度 ※ | |
月額料金 | ダイヤルイン利用料:通信キャリアに支払う費用 | ISDN回線:880円/番号 |
※ 主装置設定費はあくまで目安です。工事の規模や内容によって変動するため、詳細は業者に見積もりを依頼してください。
特筆すべきは、IP電話(ひかり電話)向けの月額料金が、従来のISDN回線に比べて8分の1と圧倒的に安い点です。これは、コスト面からもIP化への移行が有利であることを明確に示しています。
信頼できる業者の選び方
ダイヤルインの導入を成功させるには、信頼できるパートナー選びが不可欠です。以下の5つのポイントをチェックリストとして活用し、最適な業者を選びましょう。
- 技術力と提案範囲: 複数のメーカー(NTT、NECなど)に対応し、クラウドPBXといった幅広い選択肢を提案できるか。
- 見積もりの透明性: 「工事一式」のように曖昧でなく、項目ごとに内訳が明記されているか。
- 導入実績: 自社と同規模・同業種の企業への導入実績が豊富か。
- サポート体制: トラブル時の受付時間や保守契約の範囲は明確か。
- 専門資格の有無: 国家資格「工事担任者」が在籍しているか。
安さだけでなく、長期的な視点で自社の通信環境を支えてくれる、信頼性の高い業者を選ぶことが重要です。
ダイヤルイン導入時に注意すべきポイント
ダイヤルインは非常に便利な機能ですが、導入前に知っておくべき注意点もあります。導入で失敗しないために、必ず確認しておきたい3つのポイントを解説します。
自社に必要な番号数の見極め
まず、自社にとって本当に必要な番号数を見極めることが重要です。
部署ごと、あるいは特定の役職者ごとなど、どこまでの範囲で直通番号を割り当てるかを明確にしましょう。追加する番号ごとに月額料金が発生するため、無計画に増やすと、かえってコストが増大する可能性があります。
将来的な組織変更も見据えつつ、過不足のない最適な番号数を算出することが、コスト効率の高い運用につながります。
既存の電話番号は使えるか
現在使用している代表番号などを、ダイヤルイン環境でも継続して利用できるかは重要なポイントです。
多くの場合、既存の電話番号をそのまま契約番号として利用し、それに追加番号を紐付ける形でダイヤルインを構築できます。
しかし、契約している通信キャリアやサービス内容によっては、番号の引き継ぎ(番号ポータビリティ)に制約がある場合もあります。導入を依頼する業者に、現在利用中の番号がそのまま使えるか、必ず確認しましょう。
セキュリティ対策の確認
IP電話を利用してダイヤルインを構築する場合、インターネット経由で通信を行うため、セキュリティ対策は不可欠です。
特に、通話内容の盗聴や不正アクセスを防ぐために、通信が暗号化されているかを確認する必要があります。具体的には、「TLS」と「SRTP」という2つの暗号化技術に対応しているサービスを選びましょう。
- TLS: 通話の接続情報(誰が誰にかけたか)を暗号化
- SRTP: 通話の音声データそのものを暗号化
法人向けの信頼できるサービスであれば、これらのセキュリティ機能は標準で備わっていますが、念のためベンダーに確認することをおすすめします。
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