厚生労働省が公開した「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」とは?

近年、顧客による従業員への著しい迷惑行為、いわゆる「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が深刻化しています。厚生労働省の調査(※1)によると、カスタマーハラスメントを経験した労働者の割合は2023年度で27.9%に達し、2020年度の19.5%から大幅に増加しています。カスタマーハラスメントは、もはや一部の企業だけの問題ではなく、社会全体で取り組むべき課題となっています。企業は、従業員を守り、健全な職場環境を維持するために、効果的な対策を講じる必要があります。

近年、顧客による従業員への著しい迷惑行為、いわゆる「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が深刻化しています。厚生労働省の調査(※1)によると、カスタマーハラスメントを経験した労働者の割合は2023年度で27.9%に達し、2020年度の19.5%から大幅に増加しています。

カスタマーハラスメントは、もはや一部の企業だけの問題ではなく、社会全体で取り組むべき課題となっています。企業は、従業員を守り、健全な職場環境を維持するために、効果的な対策を講じる必要があります。

(※1)厚生労働省「職場におけるハラスメントに関する実態調査」(令和5年度)

厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」とは?

厚生労働省は2022年2月に「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を公開しました。このマニュアルは、企業にカスタマーハラスメント対策の必要性を理解してもらうとともに、自主的な取り組みを促進するためのガイドラインとしてまとめられたものです。

マニュアルには以下の内容がまとめられています。

  • カスタマーハラスメントの定義
  • カスタマーハラスメント対策の必要性
  • 企業が取り組むべきカスタマーハラスメント対策
  • 企業の取り組みのきっかけやメリット

マニュアルは、厚生労働省の公式サイトで公開されています。

カスタマーハラスメントの定義

厚生労働省は、マニュアルでカスタマーハラスメントを以下のように定義しています。

顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの

カスタマーハラスメントは、クレーム全てを指すものではなく、妥当性と照らし合わせて、不当・悪質だと認められるものに対して該当するものとしています。

マニュアルでは、このほかにも「顧客等の要求の内容が妥当性を欠く場合」の例や、「要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当な言動」の例も紹介されています。

企業におけるカスタマーハラスメント対策の必要性

マニュアルでは、カスタマーハラスメント対策の必要性について解説しています。従業員や企業、他の顧客に及ぼす影響と弊害を詳細にまとめた上で、不適切な対応により賠償責任が生じた事例や、適切な対策を実施していたために損害賠償請求が否決された事例も紹介されています。

企業が取り組むべきカスタマーハラスメント対策

企業が取り組むべき「カスタマーハラスメント対策」と「カスタマーハラスメントが実際に起こった際の対応」に関して、以下の項目を挙げており、それぞれの項目について具体的な事例を紹介しながらまとめています。

カスタマーハラスメント対策

  • 基本方針・基本姿勢の明確化、従業員への周知・啓発
  • 従業員(被害者)のための相談対応体制の整備
  • 対応方法、手順の策定
  • 社内対応ルールの従業員等への教育・研修

カスタマーハラスメントが実際に起こった際の対応

  • 事実関係の正確な確認と事案への対応
  • 従業員への配慮と措置
  • 再発防止のための取組
  • 上記の措置と併せて講ずべき措置

マニュアルではほかにも、「時間拘束型」「暴言型」「威嚇・脅迫型」などのハラスメント行為別の対応例や具体的な対応事例がまとめられています。カスタマーハラスメント対策を策定する際にぜひ参考にしましょう。

厚生労働省が配布しているカスタマーハラスメントを啓蒙するポスター(配布元

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