カスタマーセンターとは?その役割と重要性を徹底解説

事業が拡大し、顧客からの問い合わせが増えてくると、これまでの兼務体制では対応が困難になります。顧客満足度の低下や機会損失を防ぐには、専門の「カスタマーセンター」の立ち上げが有効な解決策です。
本記事では、カスタマーセンターの役割や立ち上げ方法、運営にかかる費用まで、中小企業の経営者や事業責任者が知っておべき情報を解説します。
カスタマーセンターとは?
まず、カスタマーセンターの基本的な役割と、現代のビジネスで重要視される理由を解説します。カスタマーセンターを成功させるには、次の3つのポイントを理解することが重要です。
カスタマーセンターの定義
カスタマーセンターとは、電話、メール、チャット、SNSなど、様々なチャネルを通じて顧客からの問い合わせに対応する組織です。
かつては電話対応が中心の「コールセンター」が主流でしたが、顧客との接点が多様化した現代では、より広範なコミュニケーションを担う「カスタマーセンター」または「コンタクトセンター」へと進化しています。
カスタマーセンターの役割と企業への影響
カスタマーセンターの役割は、単に問い合わせに答えるだけではありません。顧客から寄せられる質問や要望、クレームといった「顧客の声(VoC)」は、商品開発やサービス改善に活かせる貴重な情報資産です。
この「顧客の声」を分析・活用することで、カスタマーセンターはコストを消費する部門から、企業の成長に貢献する「プロフィットセンター(利益創出部門)」へと変貌を遂げる可能性を秘めています。優れた顧客対応は顧客満足度を高め、長期的なファンを育み、企業の収益向上に直結します。
カスタマーセンターの立ち上げ方:内製と外注の比較
カスタマーセンターを立ち上げる方法は、自社で運営する「内製」と、専門業者に委託する「外注(アウトソーシング)」の2つに大別されます。
それぞれにメリット・デメリットがあり、自社の事業規模や目的、予算に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。
比較項目 | 内製 | 外注(アウトソーシング) |
|---|---|---|
品質・ノウハウ | ◎ 品質管理がしやすく、社内にノウハウが蓄積される | △ 委託先に依存し、ノウハウが蓄積しにくい |
セキュリティ | ◎ 自社管理下で情報漏洩リスクを管理できる | △ 外部と情報を共有するため、リスク管理が必須 |
コスト | △ 初期投資・人件費が高額になりやすい | ◎ 初期投資を抑え、コストを変動費化できる |
導入スピード | △ 人材採用やシステム構築に時間がかかる | ◎ 専門業者の活用で迅速な立ち上げが可能 |
柔軟性 | △ 繁閑の差に対応しにくい | ◎ 繫忙期や夜間休日など柔軟な対応が可能 |
内製は、品質やセキュリティを重視し、長期的な視点で顧客対応を自社の強みにしたい企業に向いています。一方、外注は、コストを抑えて迅速に体制を整え、本業にリソースを集中させたい企業に適した選択肢と言えます。
カスタマーセンターの業務内容
カスタマーセンターの役割を理解した上で、次は具体的な業務内容を解説します。顧客との主要な3つの接点における業務は、以下の通りです。
電話対応の重要性とその流れ
電話は、顧客の感情やニュアンスが伝わりやすく、今なお重要なコミュニケーションチャネルです。迅速かつ共感のこもった対応は、顧客の不安を解消し、信頼関係を築く上で欠かせません。
基本的な流れは、丁寧な挨拶から始まり、用件のヒアリング、解決策の提示、そして必要に応じた専門部署へのエスカレーション(引き継ぎ)となります。
メールやチャットでの顧客対応
メールやチャットは、顧客が時間を気にせず、自分のペースで問い合わせられる利点があります。また、やり取りがテキストとして残るため、「言った言わない」のトラブルを防ぎやすいのも特徴です。
対応の際には、問い合わせ内容を正確に理解し、簡潔で分かりやすい文章を心がけることが重要です。
SNSを活用したカスタマーサポート
X(旧Twitter)やLINEなどを活用したサポートは、特に若い世代の顧客との関係構築において効果的です。問い合わせへの対応だけでなく、企業側から積極的に情報発信を行うことで、ブランドイメージの向上やファンの育成にも繋がります。
リアルタイムでのフランクなコミュニケーションが求められる一方、公 の場でのやり取りになるため、慎重な運用が必要です。
カスタマーセンターとコールセンターの違い
カスタマーセンターへの理解を深めるため、混同されがちな「コールセンター」との違いを2つのポイントから解説します。
サービスの範囲と対応手段の違い
最も大きな違いは、対応するチャネルの範囲です。
コールセンターが主に電話(コール)での対応に特化しているのに対し、カスタマーセンターは電話に加えて、メール、チャット、SNSなど、複数のチャネルを統合して顧客対応を行います。
このため、カスタマーセンターは「コンタクトセンター」と呼ばれることもあります。
業務の目的と顧客体験の違い
コールセンターの主な目的は、電話を通じて顧客の問題を効率的に処理することに重点が置かれています。
一方、カスタマーセンターは、多様なチャネルを通じて顧客一人ひとりに最適化された体験を提供し、顧客満足度(CS)や顧客生涯価値(LTV)を高めることを目指します。
単なる問題解決だけでなく、顧客との長期的な関係構築を視野に入れている点が大きな違いです。
カスタマーセンターで求められるスキル
質の高いカスタマーセンターを運営するには、スタッフに専門的なスキルが不可欠です。現場を支える「オペレーター」と、チームを率いる「スーパーバイ ザー」それぞれに必要なスキルを解説します。
オペレーターに必要なコミュニケーションスキル
オペレーターは、企業の「顔」として顧客と直接向き合うため、以下のような高度なコミュニケーションスキルが不可欠です。
- 傾聴力: 顧客の話を丁寧に聞き、真の課題や要望を正確に理解する力。
- 言語化能力: 専門的な内容も、誰にでも分かりやすい言葉で説明する力。
- 共感力: 顧客の感情に寄り添い、安心感を与える力。
- 問題解決能力: 状況を素早く把握し、適切な解決策を導き出す力。
スーパーバイザーに求められるマネジメント能力
スーパーバイザー(SV)は、オペレーターをまとめ、センターの品質を管理する重要な役割を担います。優れたSVには、以下のようなマネジメント能力が求められます。
- リーダーシップ: チームの目標を設定し、メンバーのモチベーションを高め、目標達成に導く力。
- 人材育成能力: オペレーター一人ひとりのスキルや課題を見抜き、的確な指導やフィードバックで成長を支援する力。
- 分析能力: KPI(重要業績評価指標)などのデータを分析し、課題を発見して改善策を立案する力。
クレーム対応に必要な冷静さと判断力
クレーム対応は、カスタマーセンター業務の中でも特に高度なスキルが求められます。感情的になっている顧客に対し、まずは冷静に話を聞き、不快な思いをさせたことに対して真摯に謝罪する姿勢が重要です。
その上で、状況を的確に把握し、迅速に解決策を提示する判断力が求められます。毅然とした態度と、顧客に寄り添う共感性のバランスを取ることが、クレームを信頼回復の機会に変える鍵となります。
カスタマーセンターでのキャリアパス
カスタマーセンターでは、多様なキャリアパスを築くことも可能です。ここでは、代表的な2つのキャリアパスを紹介します。
オペレーターからスーパーバイザーへの道
多くの人は、まずオペレーターとしてキャリアをスタートさせます。顧客対応の経験を積み、高いパフォーマンスを発揮することで、チームリーダーやスーパーバイザー(SV)へとステップアップが可能です。
SVには、オペレーターの指導・育成や品質管理、二次クレーム対応など、より高度なマネジメントスキルが求められます。
専門職や管理職へのキャリアアップ
SVとして経験を積んだ後は、センター全体の運営を統括するマネージャーや、研修を専門に行うトレーナー、応対品質を分析・改善する品質管理者(QA)など、より専門的な職種への道が開かれます。
また、顧客対応で培った課題発見力やコミュニケーション能力は、マーケティングや商品開発など、他の部署でも活かせます。
カスタマーセンターの業務における 課題
カスタマーセンターは企業の成長に不可欠ですが、その運営には特有の課題も存在します。多くのセンターが直面する2つの大きな課題と、その対策を解説します。
高いストレスとその対策
顧客からのクレームや厳しい要求に日常的に対応するオペレーターは、精神的なストレスを感じやすい傾向にあります。高いストレスは離職率の増加に直結し、採用・育成コストの増大やサービス品質の低下を招くため、対策が不可欠です。
定期的な面談によるメンタルヘルスケア、ストレス管理研修の実施、相談しやすい職場環境の整備などが有効です。
顧客の多様なニーズへの対応
現代の顧客は、自分に合ったチャネルで、パーソナライズされた迅速な対応を期待しています。全ての顧客ニーズに個別に対応することは、センターにとって大きな負担となり得ます。
この課題に対しては、FAQサイトを充実させて自己解決を促したり、よくある質問にはAIチャットボットで自動対応したりするなど、テクノロジーを活用して業務を効率化することが有効な対策です。
カスタマーセンターの進化
テクノロジーの進化は、カスタマーセンターのあり方を大きく変えつつあります。ここでは、AIの活用と、それがもたらす未来の顧客体験について展望します。
AIと自動化
AIの導入は、カスタマーセンターの業務効率を飛躍的に向上させます。
- AIチャットボット・ボイスボット: 簡単な問い合わせに24時間365日対応し、オペレーターの負担を軽減します。
- オペレーター支援AI: 通話内容をリアルタイムで分析し、オペレーターの画面に最適な回答候補を提示します。
- 通話内容の自動要約・分析: AIが通話内容をテキスト化・要約し、VOC分析を効率化します。
AIが定型業務を自動化することで、人間のオペレーターは、より高度な判断や共感が求められる複雑な相談に集中できるようになります。
顧客体験の向上に向けた取り組み
テクノロジーの活用は、最終的に顧客体験(CX)の向上に繋がらなければ意味がありません。
蓄積された顧客データを分析し、顧客が問い合わせをする前に課題を予測して先回りしたサポートを提供する「プロアクティブ・サポート」など、よりパーソナライズされた質の高いサービスが未来のカスタマーセンターには求められます。
AIと人間がそれぞれの強みを活かして協働することが、これからの時代の顧客満足度を創造していくでしょう。
カスタマーセンターの重要性と今後の展望
カスタマーセンターは、単なるコスト部門ではありません。顧客満足度の向上を通じて企業の評判を高め、リピート購入を促進し、収益に直接貢献する戦略的な役割を担っています。
内製か外注か、自社の状況に合った最適な方法を選択し、戦略的にカスタマーセンターを運営することが、持続的な企業成長の鍵を握っています 。
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- 信頼の実績: 電話DXクラウド導入シェアNo.1、累計30,000アカウントを突破しています。(2025年5月時点)
さらに、オプション機能の「ダッシュボード(AI解析)」をご活用いただくと、AIが通話内容を分析し、お客様満足度やコンバージョン率など、通話品質に関する指標の可視化も可能です。
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※2025年11月1日、料金プランの月額料金およびサービス内容を改定させていただきました。今後もお客さまに安心してご利用いただけるサービスを提供してまいります。
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