カスハラの具体的な事例とは?電話のカスタマーハラスメント対策も紹介!

「カスハラ」(カスタマーハラスメント)とは、顧客による不当な要求や過剰な言動などを指します。近年、このようなカスハラは増加傾向にあるため、企業として事前の対策を講じておくことが重要です。
本記事では、カスハラの具体的な事例を紹介するとともに、その有効な対策について解説します。対策をご検討中の企業様は、ぜひご参考にしてください。
また、「カスハラ対策奨励金」募集開始に伴い、奨励金の概要や申請のポイントをわかりやすく解説する無料セミナーをご視聴いただけます。ぜひご参加くださいませ。
-4.webp?fm=webp)
カスタマーハラスメント(カスハラ)とは
カスハラとは、提供した商品やサービスに明らかな過失がないにもかかわらず、不当な要求を受けること、あるいは過失があった場合でも、その対応として過剰な要求をされることを指します。
カスハラが発生すると、スタッフが強いストレスを抱え、場合によっては離職につながるおそれがあります。また、対応を誤れば、商品やサービスの評判が悪化するなど、企業にとっても大きな損失となりかねません。
こうしたリスクを避けるためにも、カスハラへの事前対策を講じ、従業員が安心して働ける環境を整えることが重要です。
カスハラの内容とは?
過剰な要求をされる
カスハラの「過剰な要求」とは、商品やサービスに落ち度がないにもかかわらず謝罪や補償を求めたり、業務とは無関係な要望を押し付けたりするケースを指します。法外な金銭や土下座での謝罪を強要するなど、悪質な事例も少なくありません。
このような要求はスタッフの心身を疲弊させ、職場環境を大きく損なう原因となります。業務の範囲を超え、従業員に強い精神的苦痛を与える著しい迷惑行為は、カスハラとして正しく認識し、対応することが不可欠です。
クレームとカスハラの境界線は、その主張に正当性があるかという点にあります。要求内容が妥当であり、社会通念上、言動が適切な範囲であれば、それはサービス改善にもつながる正当な「クレーム」です。一方で、商品やサービスに対して度を越した要求や行動は「カスハラ」に該当します。
企業は従業員を守るため、この線引きを明確にし、たとえ顧客からの申し出であってもカスハラには毅然と対応すべきです。その姿勢こそが健全な組織づくりにつながります。
暴言を吐かれる
スタッフ個人への暴言、差別的な発言などもカスハラのひとつです。具体的には「死ね」「辞めろ」「バカ」「クズ」などの例が挙げられます。
執拗に土下座を要求したり、何度も繰り返し暴言を吐くなども、カスハラの具体的な事例と言えるでしょう。
長時間の拘束をされる
長時間拘束される、もしくは長時間拘束しようとするのも、カスハラのひとつです。特にカスタマーサポートやお客様相談センターなどのコールセンターで多く、一時間以上に渡って文句を続ける、怒鳴り散らす、といったストレス発散目的、嫌がらせ目的などの悪質な電話も事例があります。
脅迫される
法外な金銭を要求し、要求が通らないと分かると「SNSで拡散してやる」などの脅迫を行うのもカスハラのひとつです。脅迫的なカスハラは、とくに新人スタッフや外国人スタッフなど、業務に慣れないスタッフに多いと言われており、精神的に耐え切れず、離職してしまう例も少なくありません。
実際にあったカスハラ事例
実際にあったカスハラの事例をいくつかご紹介します。
脅迫の事例
衣料品チェーン店に来ていた子連れの主婦が、着用済みの衣服を返品したいと要求しました。それが受け入れられないと分かると、次に「交通費を出せ」と脅迫を始めました。
さらにそれも受け入れられないと分かると、店員を土下座させ、その写真をSNSへ投稿しています。このケースでは、衣料品チェーン店側が警察に被害届を出して刑事事件として立件され、主婦は逮捕されることになりました。
不当な謝罪要求の事例
コンビニエンスストアで起こったカスハラでは、子どもが誤ってお酒のビンを割ってしまい、母親が「子どもの手の届くところに陳列しているのが悪い」「子どもの安全を考えていない」「配置換えすべきだ」「本部に言ってクビにしてやる」と激怒。最終的には、コンビニの店長が菓子折りを持って自宅まで謝罪へ行く事態になったそうです。
こうしたケースは確かに、近年よく聞くようになりました。特にめずらしくもない、と感じるのではないでしょうか。つまり誰がいつ経験してもおかしくないのです。

電話でのカスハラ事例
電話を繰り返しかけてくる事例
あるカスタマーセンターでは、定期的に連絡してくる男性がいました。毎回「あの商品の〇〇を直した方がいい」「〇〇は発売しない方がいい」と意見を言ってきます。
そのたびに、担当者はマニュアル通りに「貴重なご意見ありがとうございます」と対応していましたが、電話の数があまりに多く、意見も的を得ていないものばかりだったそうです。こうした電話は長時間になることもあり、何度も繰り返し対応している担当者は気が滅入ってしまうことも。
多いものだと、1週間で400回以上の電話をかけてきたケースもあり、業務妨害が認められ逮捕事件となっています。
電話での脅迫の事例
また、カスタマーセンターの別の事例では、「商品が壊れた!金返せ!」と、脅迫まがいの言葉で電話がかかってきました。話をよく聞いてみると、その商品は他社のものだったとのこと。「それは他社の製品だ」と言っても全く話を聞こうとせず、長時間にわたって暴言を聞かされることになったと言います。
コールセンターでは、顔が見えない点や、匿名で電話をかけられるという点、相手が女性であることが多い、といった理由から相手がヒートアップしてしまうケースが多いと言われます。数時間にわたって苦情を言い続けるケースなどもあり、ニュースになった事例も数多くあります。
企業がカスハラ対策をすべき理由
業績悪化につながるため
カスハラでは、長時間の拘束を強いられたり、金銭的な損失も発生します。場合によっては評判が落ちてしまうなど、ブランドイメージに関わる事態もあり得るので、最終的には業績全体に悪影響を及ぼすでしょう。あらかじめカスハラ対策をしておくことが求められます。
従業員のモチベーション低下・離職につながるため
カスハラを体験したスタッフは、モチベーションが低下したり、精神的にダメージを受けて体調不良になったり、離職に追い込まれてしまう可能性もあります。自社の大切なスタッフを守るためにも、カスハラには事前に対策をしておくのが良いでしょう。
安全配慮義務違反になるため
労働契約法では、労働者に対する安全配慮義務が定められています。そのためカスハラを放置すると、安全配慮義務違反になってしまう可能性もあるのです。
カスハラを放置して、スタッフに十分な対応を取らなかった事例の中には、スタッフが企業を訴えたパターンもあります。
あらかじめカスハラを予防する対策をするのと合わせて、カスハラが起こった時、スタッフから相談があったときに適切な対応ができるよう、体制を整えておくことが大切です。
企業でのカスハラの対策方法
カスハラは業績悪化につながる恐れもあり、スタッフのモチベーション低下や離職につながる可能性があります。したがって、あらかじめ企業側でカスハラ対策をしておくのが良いでしょう。
具体的には、カスハラが起こった時に備えてマニュアルを作成したり、専門の相談窓口を設置したり、カスハラにあったスタッフのケアをする、といった対策があります。
必要に応じて、外部の弁護士や警察などの機関へ相談できるようにしておいたり、産業医や産業カウンセラー、医療機関と連携できるようにしておきましょう。カスハラの対策について、詳しくは以下の記事で紹介しています。合わせて参考にしてくださいね!
電話でのカスハラ対策の具体的な方法
近年、電話でのカスタマーハラスメント(カスハラ)が深刻化しており、その対策は企業にとって急務となっています。
ここでは、従業員の心身を守り、組織として毅然と対応するための、具体的な電話応対のポイントをご紹介します。
1. カスハラ対応マニュアルを策定する
まず、担当者によって対応が異なるという事態を避けるため、対応マニュアルを策定しましょう。正当なクレームとカスハラの線引きを明確にし、初期対応から上長への報告、さらには法的措置に至るまでの具体的な流れを定めます。これにより、組織として一貫した対応が可能になります。
2. 従業員研修を実施する
マニュアルが形骸化しないよう、従業員向けの研修も重要です。実際のカスハラ場面を想定したロールプレイングや、自身の感情をコントロールするためのストレスマネジメント研修などを通じて、従業員の実践的な対応スキルを高めていきます。
3. 相談窓口を設置し、適切に運用する
従業員が精神的な苦痛を一人で抱え込まないように、プライバシーが保護された相談窓口を社内に設置します。そこに寄せられた声は、今後の対策を見直すための貴重な情報源となります。これらの情報を活かし、組織全体の対応力を継続的に改善していくことが求められます。
4. 顧客情報や通話記録を共有・活用する
特定の顧客からのハラスメントを防ぐためには、顧客情報や通話記録の活用が効果的です。CRMツールでクレーム履歴を共有すれば、担当者が代わっても一貫した対応を維持できます。また、通話を録音することは、事前のアナウンスによる抑止効果が期待できるだけでなく、万が一の際には客観的な証拠として、あるいは具体的な研修事例としても活用できる、極めて有効な対策です。
電話のカスハラ対策ならIVRy(アイブリー)
電話によるカスハラに対策するなら、電話自動応答サービスIVRy(アイブリー)がオススメです!IVRyは、自動ですべての通話を録音しているほか、分岐設定で目的に応じた部署へ自動で電話を転送したり、24時間365日電話に自動対応できますよ。
自動通話録音で会話内容を残せる
IVRyは、自動ですべての通話を録音しているため、電話で「言った」「言わない」のような押し問答になる心配がありません。万が一、不当な要求や脅迫があった場合は、録音を証拠として使うこともできます。メッセージの最初に「この電話は録音しています」と入れておけば、カスハラの抑制としても役立つでしょう。
分岐設定で担当部署に直接転送や、録音での対応も可能
IVRyは「〇〇の問い合わせは1番を押してください…」と案内するIVRシステムを提供しています。分岐フローは自由に設定でき、直接担当部署に転送したり、録音で対応したり、よくある質問には自動で回答できます。
クレームの電話についても対応の担当がいるのであれば直接転送することも可能ですし、Webの問い合わせフォームに全て誘導したり、録音で一度承ってワンクッション置いてから冷静に対応するなども可能です。
カスハラ対策以外にも、電話業務を楽にする機能が豊富
IVRyは、テキストを編集するだけでAIによる音声ガイダンスを自動生成できるので、わざわざメッセージを吹き込んだり、データをアップロードする必要はありません。このほか、電話業務をラクにする機能がたくさん詰まっています。
電話によるカスハラ対策を考えているなら、ぜひ合わせてIVRyをお試しください!