自治体で増え続けるカスハラの対策や予防策とは?
近年、自治体でのカスハラ被害が増加しています。カスハラは「顧客ハラスメント」とも言われ、度を越えたクレームや要求などの迷惑行為を指します。あまりに悪質なカスハラは法的処置の対象になることも。
この記事では、自治体で増加するカスハラにはどんなものがあるか紹介した上で、カスハラを予防する方法や対処法などについて解説します。
- カスハラとは
- 許容範囲を超えたクレームや迷惑行為
- カスハラに該当する行為
- 自治体や公務員へのカスハラ被害
- 自治体でよくあるカスハラ事例
- カスハラによる被害
- 自治体でのカスハラ対応とは
- マニュアルの活用
- 電話でのカスハラ対策とは
- 相手を長時間待たせない
- 録音を必ず行う
- 顧客情報と事実関係を記録する
- 電話でのカスハラ対策ならIVRy
- 自動で音声録音される
- 自動音声ガイダンスで相手を待たせない
- 担当部署へ自動転送できる
- 顧客対応履歴を残してスムーズに対応
- まとめ
カスハラとは
カスハラとはCustomer Harassmentの略で、商品やサービスを利用する側が行う度を越したクレームや迷惑行為、不当・法外な要求を指します。近年は特に、自治体や公共機関でのカスハラが増加しており、問題になっています。
まずはカスハラとはなにか、あらためてくわしく解説します。
許容範囲を超えたクレームや迷惑行為
カスハラとは、顧客からの度を超えたクレームや迷惑行為を指し、スタッフの精神・身体に少なからず負担をかけることがあります。あまりに悪質であれば法的処置や刑事罰の対象になることもありますが、判断が難しい場合はそのまま放置されてしまったり、スタッフが誰にも相談できず一人で悩んでしまうこともあります。
スタッフの健康を守るためにも、自治体は毅然とした態度でカスハラに対応していく必要があると言えるでしょう。
カスハラに該当する行為
具体的に、カスハラに該当する行為について、実際にあった事例を紹介します。
殴る、蹴る、といった身体的暴行に加え、ツバを吐きかける行為、物を投げつけるなどの身体的攻撃や、侮辱的・差別的な言動や「税金泥棒」のような個人の尊厳を傷つける言葉があります。大声で恫喝・罵声・暴言を長時間に渡って繰り返したり、職員の言葉の揚げ足を取ったり、言いがかりをつけるような行為も多いです。
また、金銭を要求したり、制度上対応できないことを要求したり、担当業務以外のことについて苦情を言うなど、度を超えた要求は多岐に渡ります。
自治体や公務員へのカスハラ被害
都市圏、地方部に関わらず、自治体では公務員がカスハラの被害にあうケースが増えています。特に、窓口業務や電話対応において、この問題は深刻化しているようです。
自治体でよくあるカスハラ事例
特に自治体でよく見られるカスハラ事例としては、窓口での過度なクレーム、不当な要求、暴言などがあります。これらは、公務員・職員に対して大きなストレスをあたえるほか、業務効率を低下させる可能性があります。
カスハラによる被害
実際に、長期間にわたって悪質なカスハラを受けた自治体では、スタッフが出勤したくないという気持ちを抱くようになったり、眠れなくなった、といった精神的な問題が出ています。中には休職や退職に追い込まれてしまう職員もいるなど、厳しい状況がうかがえます。
具体的には、「税金を下げろ」という要求を通すために1日中居座った事例、10年にわたって700回の電話クレームを続けた事例、1年で80万通のメールを送信した事例などがあります。これらの事例では、最終的に自治体が法的処置に出るなど、積極的な対応をせまられることとなりました。
自治体でのカスハラ対応とは
カスハラが増加する中で、緊急な対策が求められています。
自治体はどのような対応を取るべきでしょうか。
全日本自治団体労働組合による「カスタマーハラスメント予防・対応マニュアル」をもとに、自治体が取るべきカスハラ対応策について解説します。
マニュアルの活用
全日本自治団体労働組合による「カスタマーハラスメント予防・対応マニュアル」では、カスハラは人権侵害であること、組合が積極的に対応すべきだということを述べています。同マニュアルを参考に、各自治体で具体的な対策を持つのが良いでしょう。
同マニュアルでは、まずカスハラの現状について触れ、法対策の現状についても触れています。合わせてどこからがカスハラなのか?どこからが犯罪や違法行為に当たるのか?といった基準が分かりやすく解説されているなど、カスハラ対策のガイドラインとして活用できる内容です。
マニュアルの最後にはチェックリストがあり、カスハラの対応方法や対策について、今必要なこと、今準備すべきことが分かるようになっています。ぜひ同マニュアルを活用し、カスハラに対応する準備を整えましょう。
電話でのカスハラ対策とは
電話対応は、特にカスハラが起こりやすい場面のひとつです。
電話では相手の顔が見えない、名前を名乗らなくてもよい、 外出しなくても手軽にいつでもかけられる、といった側面から、自らはリスクを負うことなく憂さ晴らしのような感覚でカスハラを行うことができるからです。
まずは電話でのカスハラ対策の基本を押さえておきましょう。
相手を長時間待たせない
電話での対応において、相手の待ち時間が長くなると、カスハラが発生しやすくなる可能性があります。特に電話が集中しやすいお昼の時間帯などは、電話対応にスタッフを増員するのが良いでしょう。
電話が長引く場合や、待ち時間が長くなりそうな場合は、一度電話を切り、改めてかけ直すのがおすすめです。
録音を必ず行う
電話対応は必ず録音するようにしましょう。この録音は、後で証拠を求められた場合に提出したり、スタッフの研修材料としても活用できます。
ただしカスハラはいつ起こるか分からないので、いつでもすぐに電話が録音できるような体制を整えておくことが大切です。
顧客情報と事実関係を記録する
電話によるカスハラは、自らの名前を名乗らないで一方的に要求を伝え続ける、ということも可能です。あらかじめ相手の名前と連絡先を確認しておくことで、カスハラをする抑止力にもなり、事実関係を確認するときにも役立ちます。
カスハラを記録しておくことで、繰り返しカスハラがあったときにはすぐに対応でき、カスハラがエスカレートする前に早期解決を目指せます。
電話でのカスハラ対策はこちらの記事もご参考にしてください。
電話でのカスハラ対策ならIVRy
電話でのカスハラに対策するなら、電話自動応答サービスIVRy(アイブリー)がおすすめです。IVRyは、電話がかかってくると自動で対応し、「〇〇のお問合せは1番を押してください…」と案内するシステムを提供しています。
電話によるカスハラ対策には、こうしたテクノロジーを活用する方法が効果的と言われており、事前のカスハラ防止に役立つほか、万が一、法的措置を取ることになった際にも有効的です。
自動で音声録音される
IVRyではすべての電話を録音しており、なにかあった際には改めて聞き返して確認したり、万が一の際には証拠として利用することもできます。録音データはクラウド上で安全に管理されているため、いつでもアクセスできる状態になっています。
通話の履歴は日時順、顧客順というように、用途に合わせて確認できるので、顧客ごとに電話の件数をチェックしたり、今日1日でどんな電話があったか、と振り返るなど、必要なデータをすぐに見つけることができますよ。
自動音声ガイダンスで相手を待たせない
IVRyは、かかってきた電話に自動で対応し、AIによる音声ガイダンスが流れる仕組みになっています。相手を長時間待たせることがないので、カスハラの防止になるほか、顧客にとっては利便性が高まることになり、顧客満足度向上も期待できますよ。
担当部署へ自動転送できる
IVRyは、用件に応じて適切な部署に電話を転送できる機能を備えています。発信者がガイダンスに従って番号を選ぶと、指定された部署に自動で電話が転送されます。
顧客にとっては待ち時間が短縮され、何度も同じことを繰り返し説明する必要がなくなるため、クレームやカスハラの防止にも効果的です。
顧客対応履歴を残してスムーズに対応
IVRyでは、かかってきた電話番号ごとに、自動的に電話履歴が記録されます。過去の通話履歴を見ながら対応できるので、つねにスムーズな対応ができます。誰が電話に出ても安定した対応ができるので、カスハラやクレームを防ぐのにつながります。
このように、IVRyの自動対応はカスハラ・重いクレームを事前に防ぐのにピッタリなサービスと言えますね!
まとめ
近年、自治体でのカスハラ(顧客ハラスメント)が増加しています。カスハラとは、利用者による度を超えたクレームや要求のことで、自治体職員を精神的・身体的に傷つける行為です。悪質なカスハラは法的処置を取られた事例もあるなど、自治体側でも積極的な対応をしていく必要があると言えます。
カスハラに対応するには、マニュアルを活用してあらかじめカスハラが起こった時に備えておくことが重要です。特に電話対応では、自分の身元をさらけだす必要性が低いことから、手軽なカスハラが行われることもあります。
電話でのカスハラ対策には、相手を長時間待たせないことや、録音を必ず行うこと、どんな電話も必ず相手の身元をはっきりさせることがポイントです。