法人向け電話回線を新規契約する方法|料金・機能の比較と選び方のポイント

事業を始めるにあたり、信頼性を確保するために欠かせないのが固定電話番号です。しかし、「どの電話回線サービスを選べばいいのか分からない」「コストを抑えたい」「外出先でもスマホで対応したい」といった悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、新規で事業を立ち上げる中小企業や個人事業主の方へ向けて、各電話回線サービスの種類と特徴、料金体系、そして自社の状況に合った最もコストパフォーマンスの高いサービスの選び方を分かりやすく解説します。
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今すぐ試してみる法人電話回線新規導入の重要性
事業の信頼性を左右する法人電話回線ですが、なぜそれほど重要なのでしょうか。まずは、ビジネスにおける電話回線の必要性と役割について見ていきましょう。
法人電話回線が必要な理由
法人電話回線、特に市外局番から始まる番号は、ビジネスの「信頼性」を大きく高めます。携帯電話や「050」から始まる番号とは異なり、市外局番は特定の地域に事業所が存在することの証明となり、顧客や取引先に安心感を与えられるからです。
また、プライベートのスマートフォンとビジネスの連絡先を明確に分けることで、公私の区別がつき、業務に集中できる環境が整います。従業員を雇用する場合においても、この区別は重要です。
ビジネスにおける電話の役割
電話は、顧客からの問い合わせや予約を受け付けるための主要な窓口です。ウェブサイトや名刺に固定電話番号が記載されていれば、顧客は安心して連絡を取ることができます。
さらに、法人口座の開設や事務所の賃貸契約、各種許認可の申請など、事業運営に関わるさまざまな公的手続きにおいて、固定電話番号の登録が求められる場面も少なくありません。ビジネスを円滑に進める上で、電話は単な る通信手段以上の重要な役割を担っています。
法人電話回線の種類と特徴
法人向けの電話回線サービスは、大きく分けて3つの種類があります。それぞれの特徴を理解し、自社のビジネスに最適な選択肢を見つけましょう。
アナログ回線の特徴
従来からある銅線を利用した電話回線です。最大のメリットは、停電時でも電話機によっては通話が可能な点や、通信が安定している点です。
しかし、2024年1月からPSTN(公衆交換電話網)のIP網への移行が始まっており、サービス内容が大幅に変更されています。これから新規契約を検討するなら、他の選択肢が賢明です。
デジタル回線(ISDN)の利点
1本の回線で同時に2つの通話ができるデジタル回線です。電話とFAXを同時に利用したいといったニーズに応えられましたが、こちらもIP網移行の影響を受けます。
データ通信に利用されていた「ディジタル通信モード」は2024年1月にサービスを終了しており、INSネットのサービス自体も2028年末で提供終了が予定されています。長期的な利用を考えると、新規での契約はおすすめできません。
IP電話とクラウドPBXのメリット
現在、法人電話回線の主流となっているのが、インターネット回線を利用するIP電話です。IP電話は、さらに「ひかり電話」や「クラウドPBX」といったサービスに分かれます。
ひかり電話は、NTTなどが提供す る光ファイバー回線を利用したIP電話サービスです。通話品質が安定しており、市外局番の番号が利用できるため信頼性も高いのが特徴です。ただし、利用には光回線の契約が必須で、スマートフォンとの連携には追加の機器や設定が必要になる場合があります。
クラウドPBXは、従来オフィスに設置していたPBX(電話交換機)の機能をクラウド上で提供するサービスです。物理的な機器が不要なため初期費用を大幅に抑えられる点や、スマートフォンアプリでどこでも会社の番号で受発信できる手軽さが最大のメリットです。事業の成長に合わせて利用人数を柔軟に増やせる拡張性の高さも魅力と言えるでしょう。
法人電話回線の新規申し込み手順
自社に合ったサービスが見えてきたら、次は申し込みです。ここでは、法人契約の一般的な流れを解説します。
必要な書類と情報
法人として電話回線を契約する場合、一般的に以下の書類や情報が必要となります。
- 登記簿謄本(履歴事項全部証明書など): 発行から3ヶ月以内のものが求められることが多いです。
- 代表者の本人確認書類: 運転免許証やパスポートなど、顔写真付きの身分証明書が必要です。
- 会社の印鑑証明書
- 法人の銀行口座情報
サービス提供会社によって必要書類は異なるため、事前に公式サイトなどで確認しておきましょう。
申し込みから開通までの流れ
申し込みから開通までの基本的なステップは以下の通りです。
- サービス提供会社へ問い合わせ・申し込み: Webサイトや電話で申し込みます。
- 必要書類の提出: 指示に従い、必要書類を提出します。
- 審査: 提出された情報に基づき、審査が行われます。
- 工事日の調整(必要な場合): ひかり電話など、物理的な回線工事が必要な場合は、日程を調整します。
- 開通・利用開始: 工事が完了、またはアカウントが発行され次第、利用を開始できます。
クラウドPBXの場合、物理的な工事が不要なため、申し込みから最短即日で利用開始できるサービスもあります。
法人電話回線の費用について
電話回線を導入・運用していく上で、コストは最も重要な要素の一つです。ここでは、費用の内訳と相場、そしてコストを抑えるためのポイントを解説します。
初期費用の内訳
電話回線の導入時にかかる初期費用には、主に以下のようなものがあります。
- 契約料: サービスを契約する際に発生する手数料です。
- 工事費: 光回線を新規で引き込む場合などに発生します。建物の状況によって費用は変動します。
- 機器代金: ビジネスフォン本体やPBX、ルーターなどの購入費用です。
クラウドPBXは物理的な工事や機器が不要なため、これらの初期費用を大幅に削減できるのが大きなメリットです。
月額料金の相場
月額料金は、主に以下の3つの要素で構成されます。
- 基本料金: 回線やシステムの利用料で、プランによって異なります。
- オプション料金: 留守番電話や通話録音など、追加機能の利用料です。
- 通話料: 電話をかけた時間に応じて発生する料金です。
ひかり電話の場合、光回線の月額料金(約4,000円〜)に加えて、電話サービスの基本料(約550円〜)がかかります。一方、クラウドPBXはサービス利用料として月額数千円からで、通話料が割安なプランや、かけ放題オプションが用意されていることが多いです。
コストを安く抑える方法
導入・運用のコストを抑えるためには、以下の3つのポイントを意識しましょう。
- 複数のサービスを比較検討する: 複数の会社から見積もりを取り、自社の利用状況に最も合った料金プランを選びましょう。
- クラウドPBXを選択する: 初期費用を抑えたい場合、物理的な工事や高価な機器が不要なクラウドPBXが有力な選択肢となります。
- 不要なオプションは付けない: 留守番電話や転送機能など、本当に必要な機能を見極め、無駄なオプション料金を発生させないようにしましょう。
法人電話回線の選び方
多様なサービスの中から、自社に最適な一つを選ぶための具体的なポイントをご紹介します。