大阪・関西万博、カスハラ対応の基本方針を発表 ー 警備員による土下座トラブルを受け

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執筆者 : IVRy編集部
2025年4月13日に開幕した大阪・関西万博は、開催11日間で来場者数が100万人を突破するなど、盛況が続いています。その一方で、会場の警備員が来場者に土下座する様子を撮影した動画がSNS上で拡散され、カスタマーハラスメント(カスハラ)問題として注目を集めました。

2025年4月13日に開幕した大阪・関西万博は、開催11日間で来場者数が100万人を突破するなど、盛況が続いています。その一方で、会場の警備員が来場者に土下座する様子を撮影した動画がSNS上で拡散され、カスタマーハラスメント(カスハラ)問題として注目を集めました。

J-CASTニュースの取材によると、警備員は「土下座は自分の意思で行った」と話しており、来場者から強要されたものではなかったことが判明しています。しかし、この騒動を受けて、大阪・関西万博(日本国際博覧会協会:以下、協会)は、職員や関係者の人権を守り、再発防止を図るために、「2025年日本国際博覧会カスタマーハラスメントに対する基本方針」を策定し、今後の対応を明確にしました。

カスハラの定義と具体例

協会は、厚生労働省の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」に基づき、以下をカスハラと定義しています。

「お客様からの要求・言動のうち、当該要求・言動の要求内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により職員等の就業環境が害されるもの」

また、主な行為例として、「お客様の要求の内容が妥当性を欠く場合の例」「要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものの例」の2つを挙げています。

お客様の要求の内容が妥当性を欠く場合の例

  • 商品やサービスに瑕疵や過失が認められない場合
  • 要求の内容が、商品やサービスの内容とは関係がない場合

要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものの例

  • a. 要求内容の妥当性にかかわらず不相当とされる可能性が高いもの
    • 身体的な攻撃(暴行、傷害)
    • 精神的な攻撃(脅迫、犯罪予告、虚偽の流布、誹謗中傷、名誉毀損、侮辱、暴言)
    • 威圧的な言動(追及、叱責、大声)
    • 継続的な(繰り返される)、執拗な(しつこい)言動
    • 拘束的な行動(不退去、居座り、長時間の電話)
    • 差別的な言動
    • 性的な言動(身体を触る、つきまとい、盗撮)
    • 土下座の要求
    • 職員等個人への攻撃(人格否定、職員の氏名・肖像その他個人情報をインターネット上に投稿する)、要求

  • b. 要求内容の妥当性に照らして不相当とされる場合があるもの(過度な要求等)
    • 優遇措置の要求
    • 商品交換の要求
    • 金銭補償(無償、返金、割引)の要求
    • 謝罪の要求
    • 職員等に対する処罰の要求

カスハラへの対応

協会は、カスハラに該当する行為が確認された場合、以下の対応を行うとしています。​

  • 博覧会会場への入場を許可しない。
  • 入場後にカスハラが生じた場合、博覧会会場から退場してもらう。
  • 特に悪質なカスハラに対しては、今後の博覧会会場への入場を制限し、その他一切のお客様対応及び博覧会が提供する各種サービスの利用を断る。
  • 必要に応じて、警察や弁護士等の外部専門家と連携し、民事上及び刑事上の法的措置を含めた適切な措置を講じる。​

職員等への取り組み

協会は、職員等に対して以下の取り組みを行うとしています。

  • 基本方針による協会の姿勢の明確化と普及啓発を実施する。
  • カスハラ発生時に、外部関係機関(弁護士、警察など)と連携して、適切な判断や対応を行う。
  • 協会に関係する企業等(職員等の採用企業・機関等)とも協力・連携し、カスハラを受けた職員等の心身両面のサポート・ケアに努め、再発防止に取り組む。​


今回の騒動は、警備員個人の自主的な判断によるものとされていますが、背景にはカスハラへの対応方針が不明確だったことも影響していると考えられます。協会が方針を明確にしたことで、今後はカスハラに対する抑止力が高まるだけでなく、従業員が適切な対応を取りやすい環境が整ったといえます。

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IVRy編集部

(株式会社IVRy / IVRy編集部)

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