燕市が「DX生産性向上促進補助金」で市内中小企業のDX推進を支援

新潟県燕市は、市内に事業所を構える中小企業を対象に、DX（デジタルトランスフォーメーション）の推進を支援する「燕市DX生産性向上促進補助金」を実施しています。

この補助金は、IoTやAIといった先端技術の導入による生産性向上を目指す取り組みを後押しするものです。申請受付期間は令和8年1月30日まで。期間内でも予算が上限に達した時点で予告なく受付が終了します。

本記事では、「燕市DX生産性向上促進補助金」の具体的な内容や対象要件、申請方法を詳しく解説します。

燕市の「DX生産性向上促進補助金」とは

DX生産性向上促進補助金は、企業の競争力強化を目的としており、事業者が取り組むDX関連の経費の一部を燕市が補助する制度です。

補助金の概要

燕市の「DX生産性向上促進補助金」は、市内の中小企業が取り組む「スマートファクトリー化」と「バックオフィス業務の効率化」の2事業を支援対象としています。

スマートファクトリー化とは、IoTやAI、ロボットなどを活用して、生産プロセスを自動化・省力化する取り組みのことです。

一方でバックオフィス業務の効率化は、RPAやクラウドサービスなどを導入し、管理部門の業務を効率化する取り組みを指します。補助率は対象経費の1/2以内で、限度額は200万円です。

DX生産性向上促進補助金の主な支給要件

補助金の主な支給要件を解説します。申請を検討する事業者は、自社が要件を満たしているか、事前に確認しましょう。

対象となる事業者

補助金の対象となるのは、以下の要件をすべて満たす中小企業者です。

• 燕市内に事業所を1年以上有し、事業を営んでいる
• 「つばめ子育て応援企業」の認定を受けている、または認定が確実である
• 納税状況が良好である
• 同一事業で国や県など、他の補助金を受けていない
• 大企業の子会社でないなど、中小企業者としての独立性が保たれている

特に「つばめ子育て応援企業」の認定は本補助金独自の要件であるため、申請前に必ず確認しましょう。

対象となる事業

補助対象は、生産性向上に直接的に貢献する、以下のいずれかに該当する新規の取り組みです。

1. スマートファクトリー化：IoT、AI、ロボット等を活用し、生産や管理、販売プロセスを自動化・省力化する事業
2. バックオフィス業務の効率化：RPAやクラウドサービス等を活用し、総務、人事、経理などの管理業務を効率化する事業

既存システムの更新ではなく、新たなDXへの投資が対象です。

対象となる経費

補助対象となる経費は、事業に直接必要な専門性の高いハードウェアやソフトウェアの導入費用、コンサルティング費用などです。

ただし、以下の経費は対象外となるため注意しましょう。

• 汎用的なPC、タブレット、スマートフォン
• 消費税および地方消費税
• 銀行振込手数料
• 自社の人件費

あくまでDX推進に特化した投資が支援対象です。

補助率と上限額

補助率は、補助対象となる経費の2分の1以内。補助金の限度額は200万円です。

奨励金・補助金の申請方法について

申請期間は、令和7年4月1日から令和8年1月31日までです。ただし、予算の上限に達し次第、受付終了となるため注意しましょう。

申請手続きの流れ

申請から補助金交付までの大まかな流れは、以下の通りです。

1. 交付申請：期間内に、必要書類を燕市産業振興部商工振興課へ提出します。
2. 交付決定：市が申請内容を審査し、採択されると「交付決定通知書」が届きます。
3. 事業開始：交付決定通知書を受け取った後に、事業を開始（契約・発注）します。通知書受領前の契約や支払いは補助対象外です。
4. 実績報告：事業完了後、令和7年2月28日までに実績報告書を提出します。
5. 金額確定・請求：市が実績報告を審査し、補助金額が確定した後、交付請求書を提出します。
6. 補助金交付：指定した口座へ補助金が振り込まれます。

最も重要なのは、必ず市の交付決定後に事業へ着手する点です。

「DX生産性向上促進補助金」の申請にはどのような準備が必要？

スムーズに申請するためには、必要書類を正確に揃えることが不可欠です。

必要書類と準備のポイント

申請時に必要となる主な書類は、以下の通りです。

• 交付申請書
• つばめ子育て応援企業認定証の写し（または確約書兼同意書）
• 導入システムの概要がわかるカタログなど
• 導入費用の見積書
• 納税状況の確認に関する同意書（または納税証明書）

繰り返しますが「つばめ子育て応援企業」の認定は、技術的な審査以前の必須要件です。未認定の場合は、まず認定取得に向けた手続きの確認から始めましょう。

また、申請から交付決定までには1カ月程度の期間が見込まれるため、その期間を考慮して事業スケジュールを立てることが重要です。

まとめ

本記事では、燕市が実施する「DX生産性向上促進補助金」について解説しました。この補助金は、市内のものづくり企業やサービス業が直面する人手不足や生産性の課題を、DXの力で解決するうえで役立つ制度です。

補助上限額は200万円と手厚い支援内容ですが、「つばめ子育て応援企業」の認定が必須であるなど、独自の要件も存在します。自社の事業計画と照らし合わせ、活用の検討をおすすめします。

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