オフィス電話選びのポイントとは?主な種類とメリットも解説

テレワークやオフィスのフリーアドレス化の普及により、企業の電話環境は変化を求められています。電話環境の整備は、業務の効率化だけではなく、顧客対応の質の向上にもつながります。
オフィス電話はこれまで、社内に専用機器を設置する構内型システムを利用するのが一般的でした。しかし現在は、インターネットを活用したIVRやクラウド型の電話サービスなど、選択肢が広がっています。これらは、着信の振り分けのほか、音声ガイダンス、通話の録音、AIによる音声対応なども利用できます。そのため、自社に合った電話対応の仕組みを、手軽かつ低コストで整えられるようになりました。
本記事では、主要な電話システムの特徴と導入するメリットを比較しつつ、業務効率化やコスト削減に役立つ機能、自社に合った選び方のポイントについて解説します。
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資料をダウンロードするオフィス向け電話とは? 主な種類と導入時のメリット・デメリット
オフィス向けの電話は、主に以下の3種類に分けられます。それぞれの電話機の特徴やメリット・デメリットを解説します。
1. 従来型の電話機
従来型の電話機は、企業内に物理的な電話交換機を設置し、アナログ回線やISDN回線を利用する電話システムです。インターネット接続に依存しないため、ネットワーク障害時でも通話でき、通信の安定性を保てます。
一方で、導入時に専用機器の設置や配線工事が必要で、初期費用が高額となる傾向があります。また、拠点の移転や増設時にも再度工事が必要となり、柔軟性に欠ける点もデメリットです。
近年では、保守部品の入手が困難になっていることやサポートの終了により、更新や代替システムへの移行を検討する企業が増えています。
2. クラウド型IVR
クラウド型IVRとは、インターネットを通じて提供される電話自動応答サービスです。専用機器の設置が不要で、スマートフォンやパソコンを使ってどこからでも電話対応できるメリットがあります。着信時には、ガイダンス音声を流し、発信者の選択に応じて内容別・部署別に振り分けたり、SMSを自動送信したりできます。
録音・応答履歴の管理や営業時間外の自動対応も可能で、電話業務の省力化や品質向上に役立ちます。初期費用を抑えつつ、必要な機能を追加することもできるため、小規模な企業やテレワーク環境にも適した選択肢といえるでしょう。
3. クラウドPBX
クラウドPBXは、インターネットを通じてクラウド上の電話交換システム(PBX)を利用できるサービスです。物理的な機器を設置せずに、内線通話や着信振り分けなどの機能を活用できます。
スマートフォンやパソコンを内線端末として活用し、場所を問わずに業務通話を行えます。月額課金制で提供されるサービスが多く、初期投資を抑えつつ、必要に応じて機能や回線数を柔軟に調整できます。
さらに、システムの保守やアップデートはサービス提供者が行うため、社内サーバー管理が不要でITリソースを節約できます。
【比較表】3つの電話システムの特徴と導入コスト
3つの電話システムの特徴と導入コストについて、次の表にまとめました。
主な特徴 | 導入コスト | 拡張性 | テレワーク対応 | おすすめ企業 | |
---|---|---|---|---|---|
従来の電話機 | 固定電話(アナログ回線やISDN回線)を利用する | 比較的高い(ハードウェアの購入、専用線の設置工事が必要) | 低い(拡張にはサーバーや専用線などの追加投資が必要) | 困難 | 通信の安定性を重視し、既存の設備を活用したい企業 |
クラウド型IVR | インターネット回線を利用して音声通話を行う | 安い(専用機器が不要) | 高い(設定や機能の追加をWeb上で簡単に行え、業務に合わせて柔軟に対応可能) | 容易 | 電話対応を手軽に効率化したい企業や、サービス業など |
クラウドPBX | インターネットを通じてクラウド上のPBX機能を利用する | 比較的安い(不要または少額の新規申し込み費用のみ発生) | 高い(台数や拠点を簡単に追加可能) | 容易 | 初期費用や運用コストを抑えつつ、柔軟な拡張性を求める企業 |
電話自動応答(IVR)の導入で業務の効率化・コスト削減ができる
IVRとよばれる電話自動応答を導入することで、オフィス電話の一次対応を自動化できるほか、担当者の負担軽減や、電話応対にかかる人件費の削減が期待できます。
また、シチュエーション別に以下のような効果が見込めます。
シチュエーション | 効果 |
---|---|
顧客からの問い合わせ | 問い合わせ内容に応じて適切な部署へ電話を自動転送できるようになり、業務の効率化・対応の質向上が実現する。 |
定型的な問い合わせ | 自動応答を設定することで、オペレーターの対応時間を削減できる。 |
営業時間外の問い合わせ | 電話自動応答により対応が可能となり、顧客満足度の向上につながる。 |
さらに、電話自動応答のなかでもクラウド型を利用すれば、初期費用や設備投資の手間を省きつつ、業務の効率化とコスト削減を実現できます。クラウド型の電話自動応答では応対内容の変更や柔軟な分岐設計ができ、AIによる音声対話も利用できます。
自社に合ったオフィス電話を選ぶポイント5つ
ここまでを踏まえ、オフィス電話を選ぶポイントを5つ解説します。電話の利用状況や予算に合わせてより適したサービスを選びましょう。
ポイント1:自社の従業員数・拠点数
従業員数や拠点数によって最適な電話システムは異なります。クラウド型IVRとクラウドPBXは、少人数・1拠点から多拠点・数千人規模まで柔軟に拡張できるため、成長段階にかかわらず導入可能です。インターネット回線さえあれば初期コストを抑えて短期間で運用を開始でき、小規模なチームからスタートし、事業拡大に合わせてシームレスにスケールアップできます。
クラウド型IVRは、入電の一次対応や自動ガイダンスを効率化したい場面で効果を発揮し、限られた回線数・人員でも高い顧客体験を提供できます。通話量が増えた場合でも、設定変更のみで迅速に対応できる拡張性を備えています。
クラウドPBXは、内線通話や拠点間通話を一元化し、部署横断のコミュニケーションや拠点拡大に伴う運用負荷を削減します。PCやスマートフォンを内線端末として利用できるため、在宅勤務や外出先でもオフィスと同じ電話環境を再現できます。
どちらのサービスもサブスクリプション型で提供されており、必要な機能を必要なタイミングで追加可能です。自社の業務プロセスや成長戦略に合わせ、最適な機能構成を選定することが重要です。
ポイント2:外出・テレワークの多さ
外出やテレワークが多い企業では、スマートフォンやパソコンを内線端末として利用できるシステムが便利です。
クラウド型IVRやクラウドPBXは、インターネットを介して社内外からの架電や受電が可能で、さまざまな働き方に対応しています。導入には物理的な設備が不要であり、在宅勤務している方でもオフィスと同様の通話環境を構築できます。
ポイント3:初期コストと運用コスト
電話システムには、導入時の費用だけではなく長期的な維持費もかかるため、総コストでの評価が必要です。
従来の電話機は、初期導入費用が約4万円と高額ですが、運用コストは比較的安定しています。クラウド型のIVRやクラウドPBXは、導入時の金銭的負担は少ないものの、月額課金制であるため、長期的な運用コストを考慮する必要があります。
企業の予算や導入目的に応じて、初期コストと運用コストのバランスを検討することが重要です。
ポイント4:業務に必要な機能を備えているか
業務内容に応じて、どのような機能を利用する可能性があるか見極めましょう。特に以下の基本機能は、企業の規模を問わず役立ちます。
- 電話自動応答:かかってきた電話を内容別・部門別に振り分け、対応漏れの可能性や内線転送の手間を削減できる
- 通話録音・通話ログ:顧客対応の品質を保つとともに、万が一のトラブル時には通話記録として活用できる
- 通話ステータスの可視化(着信履歴・応答状況):対応漏れや折り返し忘れを防止し、顧客対応品質の向上につながる
クラウド型IVRやクラウドPBXには、これらの機能があらかじめ備わっており、オプションとして簡単に追加できるため、業務ニーズに応じた設定が可能です。
ポイント5:サポート体制は充分か
サービス会社のサポート体制も事前に確認しておくことが大切です。
電話の操作方法がわからなくなった場合や設定を変更したいとき、丁寧に対応してもらえる体制が整っていると安心です。
また、サポート体制が充実しているサービスであれば、プラン変更や機能を追加する際も、迅速に対応してもらえるでしょう。
オフィス電話選びで迷っているならIVRがおすすめ
オフィスの立ち上げや移転を機に、オフィス電話の設置を検討しているものの、どれを選ぶか悩んでいる場合には、クラウド型のIVR(電話自動応答)をおすすめします。
IVRでは、オフィスへの電話を着信した際、音声ガイダンスが応答します。音声ガイダンスは、テキストの編集で変更したり、自社だけのオリジナル音声を使用したりできます。
また、顧客のボタンプッシュや音声認識によって、しつこい営業電話と顧客からの電話連絡を振り分けることなどもできるため、費用を抑えつつ、電話応対の効率化が期待できるでしょう。
最短即日・低価格でオフィス電話を任せられるサービス
低価格で利用できるクラウド型IVRサービスのひとつに「IVRy(アイブリー)」があります。月額2,980円から利用でき、インターネット環境があれば、オフィス電話の一次対応を任せることが可能です。
「IVRy」では申し込み手続きの完了後、ブラウザやアプリから電話対応のルール(分岐)を設定するだけ。最短即日から利用できるため、いち早くオフィス電話を稼働させたい場合にも対応できます。
よくある質問は自動回答、用件ごとに担当者へ自動転送
「IVRy」は、事前に回答内容を設定しておくことで、よくある質問に対して音声ガイダンスやSMSで自動回答が可能です。顧客はオペレーターを介さずに必要な情報を即座に得られるため、利便性や顧客満足度の向上が期待できます。
また、電話をかけてきた方にガイダンスに従って番号を選択してもらうことで、適切な部署へ自動転送する機能も備えています。設定次第で電話の取り次ぎを完全に自動化でき、業務効率化に大きく貢献します。
AIが用件をヒアリング、文字起こしをしてチャットに通知
「IVRy」では、AI(ボイスボット)が顧客の用件をヒアリングし、通話内容を自動で文字に起こしてメールやチャットツールへ通知する機能も提供しています。
AIの音声認識技術を活用して顧客の声を正確にテキスト化し、理解・分析することで、適切な対応を自動で行います。顧客はまるで人と会話しているかのように自然でスムーズなやり取りを体験できます。