ビジネスフォンの主装置とは?PBXとの違いと選ぶ際のポイント

本記事では、ビジネスフォンの主装置の基本情報からPBXとの違い、導入時の選択肢までを詳しく解説��します。

ビジネスフォンは、企業のコミュニケーションを支える重要なツールです。ビジネスフォンを利用するには「主装置」が必要で、複数の電話機を効率的に管理し、日常業務をスムーズに進めるための中枢となります。しかし、主装置の具体的な役割やPBXとの違い、選び方のポイントについて、詳しく理解している方は少ないかもしれません。

本記事では、ビジネスフォンの主装置の基本情報からPBXとの違い、導入時の選択肢までを詳しく解説します。

1.ビジネスフォンの主装置とは?

ビジネスフォンの主装置とは、オフィス内で使用する複数の電話機を統合的に制御・管理するための中核的な機器です。内線通話の管理、外線通話の受信と振り分け、通話の転送、保留、留守番電話など、ビジネスに欠かせないさまざまな電話機能を提供します。主装置があることで、社内コミュニケーションが円滑となり、業務効率が向上します。

主装置の種類

ビジネスフォンの主装置は、接続可能な電話端末の台数や収容可能な回線数によって、以下の3つのクラスに振り分けられます。

Sクラス

  • 小規模なオフィス向け
  • 接続可能な電話端末:約10台
  • 収容可能な回線:4回線

Mクラス

  • 中規模のオフィス向け
  • 接続可能な電話端末:約30台
  • 収容可能な回線:12回線

Lクラス

  • 大規模なオフィス向け
  • 接続可能な電話端末:約80台
  • 収容可能な回線:24回線

2.主装置とPBXの違い

ビジネスフォンの主装置とPBX(Private Branch Exchange)は、どちらも電話システムを管理するための機器ですが、その仕組みは異なります。

比較表で違いを整理

特徴

主装置

PBX

役割

内線通話や外線接続の基本管理

内線と外線の管理、電話会議やボイスメールなどを一元管理

主な機能

転送、保留、留守電などの基本機能

CTI連携、電話会議、ボイスメール、スマホ内線利用など

適した規模

小規模から中規模のオフィス

小規模から大規模な企業まで幅広く対応

PBX(Private Branch Exchange)とは、企業内の電話回線を管理する電話交換機です。外線からの受電や内線通話、通話の転送といった電話機能を一元的に提供し、企業内の通信を効率的に管理します。

一方で、主装置は、ビジネスフォンを使用する際の内線通話や基本的な外線接続を管理するための機器です。

つまり、PBXは外線と内線の両方を管理し、より広範囲な通信機能を提供するのに対し、主装置は内線通話の管理や基本的な外線の接続に特化しています。

参考:クラウドPBXとは?電話DX実現のヒントとなる特徴やメリットなどを解説!

CTI連携やスマートフォン活用はPBX独自の強み

主装置にはないPBX独自の機能として、CTI(Computer Telephony Integration)との連携が挙げられます。PBXとCTIの連携により、電話システムとコンピュータシステムを統合し、通話のログ管理や顧客データベースとの連携が可能です。これにより、顧客対応の効率化を実現できます。

また、スマートフォンを内線端末として利用できる点もPBXならではの特徴です。社員は外出先や自宅でもスマートフォンを内線電話として使用できるため、業務の柔軟性が大きく向上します。

さらに、PBXは複数拠点での内線構築が可能です。多拠点を展開している企業でも、社内のコミュニケーションをシームレスに保てるでしょう。

これらの特徴により、PBXはより高度な通信管理を必要とする企業にとって有力な選択肢といえます。

3.ビジネスフォンを導入するなら主装置とPBXのどちらを選べばよい?

主装置とPBXでは、機能や適した企業規模が異なるため、自社のニーズに適したものを選択することが重要です。

ただし近年では、クラウドの潮流もあり主装置を選ぶケースは少なくなってきています。

昨今の主流はクラウドPBX

クラウドPBXは、従来のPBXの機能をクラウド上で提供するPBXです。以前はオフィス内に物理的なPBX機器を設置するオンプレミス型が主流でしたが、近年ではクラウド型のさまざまなメリットが評価され、急速に普及しています。

クラウドPBXの大きなメリットは、物理的なPBX機器やインフラ設備が不要で、初期投資を大幅に抑えられる点です。スモールスタートで導入し、業務の拡大に合わせて柔軟にシステムを拡張できます。数台の電話端末から始めて、数千台規模にまで拡張することも難しくありません。

クラウドPBXで、時代に適したオフィス環境を構築

クラウドPBXに必要なのは、電話機やスマートフォンなどの端末とインターネット回線のみです。インターネット環境があればどこにいても利用可能なため、自宅や外出先からでも内線電話や通話の転送を簡単に行えます。リモートワークの普及が進む現代において、ビジネスのクオリティを維持しながら、柔軟な働き方を実現できるでしょう。

さらに、オフィスの移転や新しい拠点の追加、繁忙期の人員増減など、企業の変化に迅速に対応できる点もクラウドPBXの魅力です。システムの設定変更や拡張も容易なため、変化の激しい現代のビジネスニーズにマッチした通信インフラを構築できます。

ただし、クラウドPBXには若干の注意点も

クラウドPBXには多くのメリットがある一方で、注意すべき点もいくつか存在します。

インターネットの接続状況が通話品質に影響

インターネットの接続状況が不安定な場合、通話品質が低下したり、接続が途切れたりするおそれがあります。これを防ぐためには、広帯域で安定性の高いインターネット回線を契約することや、バックアップ回線を用意しておくことが重要です。

セキュリティ

セキュリティレベルがクラウドPBX事業者に依存する点にも注意しなければなりません。クラウド環境での運用となり、データの保護や不正アクセス防止のためのセキュリティ対策は事業者に委ねられます。そのため、導入の際には、信頼性の高いクラウドPBX事業者を選定することが重要です。運用実績が豊富で、セキュリティ体制が整っているサービスを選ぶと、安心して利用できるでしょう。


ビジネスフォンの主装置とPBXは混同されがちですが、通信機能の範囲や対応規模が異なるため、自社のニーズに応じて選択することが重要です。小規模なオフィスでは主装置でも十分な機能を提供しますが、大規模な企業や多拠点を持つ企業ではPBXが適しています。

また、導入コストや柔軟性の面で大きなメリットがあるクラウドPBXも、選択肢の一つとして検討しましょう。インターネット環境を整備し、セキュリティにも配慮しながら最適な電話システムを導入することで、業務効率化と競争力向上を目指せます。

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