クラウド型ビジネスフォンの設定フローとは?主な項目やメリットも解説!
クラウド型ビジネスフォン(クラウドPBX)は機能性や拡張性、BCP対策などの観点から、近年非常に注目を集めています。一方で、設定が難しくないか、IT人材がいなくても利用できるのかなど、懸念している企業も多いかと思います。
クラウドPBXは、自社のニーズに合わせた運用が可能です。多くの場合、Webサイト上で簡単に内線設定や外線設定が完結します。
本記事では、クラウドPBXにおける設定の流れやメリットについて詳しく解説します。
- 1.ビジネスフォンとは
- オンプレミス型とクラウド型
- 2.クラウドPBXにおける設定の流れ
- 1.クラウドPBXの設定サイトへログインする
- 2.内線設定を行う
- 3.外線設定を行う
- 外線着信設定
- 外線発信設定
- 4.その他の設定を行う
- 自動応答フロー設定
- ホワイトリスト設定
- 発信制限設定
- オンプレミス型は国家資格保有者による導入・設定が必要
- 3.【シーン別設定】クラウドPBXとオンプレミス型ビジネスフォンの比較
- 拠点の追加
- 利用者(端末)の増減
- 外線番号の追加
- 4.クラウドPBXの設定に関するメリット
- 素早く設定を変更できる
- 誰でも自由に設定変更できる
- コストを削減できる
- クラウドPBXの導入を検討中なら「IVRy」がおすすめ
1.ビジネスフォンとは
ビジネスフォンとは、主に企業が利用する電話システムです。PBX(Private Branch eXchange)と呼ばれる交換機によって、外線と内線、あるいは内線同士の接続を実現しています。家庭用電話とは異なり、複数の外線や内線などを同時に行える点が大きなメリットです。
オンプレミス型とクラウド型
ビジネスフォンには、オンプレミス型とクラウド型(クラウドPBX)が存在します。オンプレミス型ビジネスフォンは固定電話回線を、クラウドPBXはインターネット回線を利用する形態です。クラウドPBXは専用機器の設置が不要で、スマートフォンやパソコンなど幅広いデバイスに対応しています。初期投資を抑えて手軽に利用できることから、多くの企業が導入を進めています。
こちらの記事では、ビジネスフォンの特徴や主な機能、オンプレミス型とクラウド型の比較情報を解説しています。ぜひ、あわせてご覧ください。
参考:ビジネスフォンとは?基本知識からクラウド型まで徹底解説
2.クラウドPBXにおける設定の流れ
クラウドPBXは、導入企業の利用者自身が簡単に設定できる点が特徴です。本章では、クラウドPBXにおける設定の流れを解説します。
1.クラウドPBXの設定サイトへログインする
多くのクラウドPBXでは、設定を自由に変更できるWebサイトが用意されています。契約が完了すると、設定サイトへログインするためのID/パスワードがメールや書面で配布されます。
設定サイトにアクセスし、ログイン情報を入力しましょう。なお、サービスによっては、ログイン後にパスワードの更新が求められるケースもあります。
2.内線設定を行う
続いて、任意の内線番号に対する設定を行います。主な設定項目は次のとおりです。
項目名 | 概要 |
---|---|
拠点番号 | 営業所や部署などの識別子 |
デバイス番号 | 通話デバイスの識別子 |
ユーザーID | 電話発信時に利用するユーザーID |
パスワード | 電話発信時に利用するパスワード |
内線設定は個別の更新だけではなく、現状の設定情報をファイル形式でダウンロード・アップロードする機能も提供しています。これらの機能を活用すれば、大量の内線番号であっても一括変更が可能です。
ただし、内線番号の追加には対応していないケースが多く、ベンダーへの依頼が必要となる可能性があります。
3.外線設定を行う
外線設定には、主に「外線着信設定」と「外線発信設定」の2つがあります。
外線着信設定
外線着信設定では、各外線番号に対して、どの拠点のどの端末で受けるかを設定します。外線番号の追加や削除をはじめ、設定している情報のダウンロードやアップロードによる一括設定などを行えるサービスもあります。
外線発信設定
外線発信設定では、各内線番号が外線発信する際に利用する外線番号を設定します。また、外線番号のみで発信するか、外線プレフィックスを指定するかも設定可能です。
4.その他の設定を行う
クラウドPBXは、電話の発着信以外にも多様な機能を有しており、自社のニーズに合わせたカスタマイズが可能です。たとえば、以下のような設定項目があります。
自動応答フロー設定
自動音声応答(IVR)機能を有するサービスでは、着信フロー設定により問い合わせ内容を切り分けたり、それぞれの内容に応じたアクション(音声案内/SMS送信/電話転送など)を設定したりできます。
また、営業時間外のルールも設定できるため「営業時間終了後は自動的に留守番電話へ切り替える」といった設定も簡単に実現可能です。
ホワイトリスト設定
ホワイトリストは「得意先などからの電話だけは、自動音声設定にしたくない」というシーンに活用できます。
発信制限設定
特定の電話番号(または特定の番号からはじまるもの)に対する発信を制限できます。国際電話や市外への発信制限なども、Webサイト上から簡単に変更可能です。
オンプレミス型は国家資格保有者による導入・設定が必要
オンプレミス型ビジネスフォンには、導入企業側で設定できない項目が多く存在します。
また、導入や一部設定は「工事担任者」という国家資格の保有者による監督あるいは工事が必要です。無資格でビジネスフォンの導入や一部設定を行い、通信障害などを引き起こした場合、2年以下の懲役または50万円以上の罰金を受けるおそれがあるため注意しなければなりません。
このような点からも、自社で簡単に設定できるクラウド型はメリットが非常に大きいです。
3.【シーン別設定】クラウドPBXとオンプレミス型ビジネスフォンの比較
ビジネスフォンの運用中は、さまざまなシーンで設定を変更する必要があります。
本章では、クラウドPBXとオンプレミス型それぞれのビジネスフォンについて、各シーンにおける設定の違いを解説します。
拠点の追加
オンプレミス型ビジネスフォンの場合、拠点追加には回線工事などを伴います。
接続できる端末の上限数は、PBXのモデルによって異なります。そのため、拠点追加により、端末数が上限に到達してしまった場合、PBXの交換が必要です。この交換作業は、多くの時間を要するだけではなく、高額な費用を負担しなければなりません。
一方で、クラウドPBXの場合は、インターネット回線と電話機さえあれば、ベンダーへ連絡するか、設定画面から変更するだけで拠点を追加できます。
利用者(端末)の増減
オンプレミス型ビジネスフォンの場合、子機を増設する際はベンダーに依頼し、PBXへの接続や配線工事を行う必要があります。
クラウドPBXの場合は、Webサイト上で回線数や端末数を自由に追加・削除できます。
外線番号の追加
オンプレミス型ビジネスフォンでは、外線番号の追加時も回線業者および工事業者へ作業を依頼しなければなりません。
クラウドPBXの場合、事業者との契約後にWebサイト上で外線番号の追加設定を行えば作業が完了します。
4.クラウドPBXの設定に関するメリット
クラウドPBX型のビジネスフォンを導入すると、設定において以下のメリットを得られます。
素早く設定を変更できる
オンプレミス型ビジネスフォンで設定変更を行う場合、回線業者や工事業者などとの日程調整や立ち合い作業などが必要となるため、作業完了までに時間を要します。
クラウドPBXであれば、Webサイトから設定可能なため、スピーディーに変更できます。ビジネスの流れを止めずに即時対応できる点が、クラウドPBXの大きなメリットです。
誰でも自由に設定変更できる
クラウドPBXでは、誰でも自由にPCやスマートフォンから設定を変更可能です。また、サービスによっては権限設定が可能で、「一定の権限を付与された利用者のみが設定変更できる」といった運用にも対応できます。
コストを削減できる
オンプレミス型ビジネスフォンの設定変更では、業者へ工事費などを支払う必要があります。
一方、クラウドPBXの場合、多くの設定はWebサイト上で完結するため、業者への支払いは不要です。月額費用は発生しますが、イニシャル・ランニングをトータルでみると大幅なコスト削減が期待できます。
クラウドPBXは、オンプレミス型と比較すると利用者自身で設定できる項目が多く、スピーディに変更可能です。変化が激しい現代のビジネスシーンにおいて、流れを止めずに対応できる点はクラウドPBXの強みといえます。また、工事費などが必要なく、低コストで運用できる点も魅力です。
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