AIでコールセンターを自動化!導入メリ ットと最新成功事例を解説

現代社会において、コールセンターは企業と顧客をつなぐ重要な窓口としての役割を担っています。しかし、顧客からの問い合わせ増加や人材不足など、多くの課題を抱えているのも事実です。そこで注目されているのが、「AI(人工知能)」を活用したコールセンター業務の効率化です。
AIを搭載したさまざまなシステムを導入することで、顧客対応の自動化、オペレーターの負担軽減、顧客満足度向上といった効果が期待できます。例えば、自動音声応答システム(IVR)を導入すれば、よくある質問への対応を自動化し、オペレーターはより複雑な問い合わせに集中することができます。
この記事では、コールセンターが抱える課題と、AI導入による解決策、そして導入におけるメリット・デメリット、検討時のポイントなどを詳しく紹介します。
コールセンターが抱える課題とは?
コールセンターは、顧客からの問い合わせ対応、注文受付、サポートなど、多岐にわたる業務を担っています。しかし、その業務は決して容易ではありません。多くのコールセンターが以下のような課題を抱えています。
人材不足と採用・育成の難しさ
近年、人材不足は深刻化しており、コールセンターにおいても優秀な人材の確保が難しくなっています。また、採用できたとしても、新人オペレーターの育成には時間とコストがかかります。高い離職率も問題であり、継続的な人材確保が課題となっています。
対応品質のばらつきと顧客満足度の低下
オペレーターのスキルや経験によって対応品質にばらつきが生じやすく、これが顧客満足度の低下につながる可能性があります。さらに、オペレーターの感情や体調によっても対応が左右されることがあり、一貫したサービス提供が難しい状況です。
応答率の低下と顧客の待ち時間増加
問い合わせが集中する時間帯には、電話がつながりにくくなり、顧客を待たせてしまうことがあります。顧客の待ち時間は、顧客満足度を大きく左右する重要な要素であり、長時間の待ち時間はクレームや顧客離れの原因となります。
コスト増加と業務効率の悪化
人件費や設備投資など、コールセンターの運営には多額のコストがかかります。特に、オペレーターの業務効率が悪いと、人材不足や対応品質の低下にもつながり、さらなるコスト増加を招く可能性があります。
これらの課題を解決し、顧客満足度と業務効率を向上させるためには、AIの活用が有効です。
詳しくは関連記事の「コールセンター業務改善のポイントは?待ち時間短縮、品質向上、コスト削減の秘訣」をご覧ください。
AIコールセンターとは?仕組みを解説
AIコールセンターとは、AI(人工知能)技術を活用して電話応対や関連業務を自動化・効率化するシステムのことです。従来のコールセンターが抱える人手不足やコスト、品質のばらつきといった課題を解決するソリューションとして注目されています。
AIコールセンターの基本的な仕組み
AIコールセンターの多くは、PBX(電話交換機)やCTI(コンピューターと電話の連携システム)といった物理的な専用機器を必要としない「クラウド型」のシステムを採用しています。
ベンダーがインターネット経由で機能を提供するため、企業はPCとインターネット環境さえあれば、場所を問わずにコールセンターを構築できます。これにより、初期費用を抑えつつ、リモートワークへの対応や事業規模に合わせた柔軟な拡張が可能になります。
AIの種類と役割(ボイスボット・チャットボット)
コールセンターで活用されるAIには、主に「ボイスボット」と「チャットボット」の2種類があります。
- ボイスボット: IVR(自動音声応答)として、顧客からの電話に音声で自動対応します。「予約受付」「よくある質問への回答」といった定型的な問い合わせを自動化し、24時間365日の顧客対応を実現します。
- チャットボット: Webサイトやアプリ上で、テキスト(文字)を使って顧客の質問に自動で回答します。
これらのAIは、通話内容のリアルタイム文字起こしや要約、感情分析などにも活用され、オペレーターの業務負担軽減とサービス品質向上に貢献します。
詳しくは関連記事の「ボイスボットとは?AI電話対応の仕組み・料金・事例を解説」をご覧ください。
AIオペレーターと人間のオペレーターの違い

AIと人間のオペレーターには、それぞれ得意な領域があります。
AIは、学習したデータに基づく定型業務や、休日・夜間を含めた一次対応を得意とします。一方、人間は、イレギュラーな問い合わせや複雑な問題解決、顧客の感情に寄り添った共感的なコミュニケーションといった、高度な判断が求められる場面で強みを発揮します。
AIに一次対応を任せ、人間はより付加価値の高い業務に集中する、という棲み分けが、これからのコールセンターの理想的な形です。
AI導入で解決できるコールセンターの課題
AI技術は、コールセンター業務のさまざまな課題を解決する可 能性を秘めています。ここでは、AI導入によって解決できる具体的な課題を詳しく見ていきましょう。
一次対応の自動化
AIを搭載した自動音声応答システム(IVR)やチャットボットを導入することで、よくある質問への回答や営業時間外の案内などを自動化できます。例えば、ログインに関するお問い合わせや、配送状況に関する確認などの定型的な質問に対しては、公式サイトの該当ページを案内することにより即時回答ができます。これにより、顧客は24時間いつでも必要な情報を得ることができ、オペレーターはより複雑で高度な問い合わせに集中できます。
音声認識AIによる通話内容の分析
音声認識AIは、通話内容をリアルタイムでテキスト化し、キーワード抽出や感情分析を行うことができます。これにより、オペレーターの応答内容の品質を評価したり、顧客のニーズや不満を迅速に把握することが可能です。また、蓄積されたデータを分析することで、商品やサービスの改善点を見出すこともできます。
オペレーター支援と対応品質向上
AIは、通話内容を分析し、オペレーターへのリアルタイムな回答支援が行えます。オペレーターは、表示された回答内容を元に顧客対応を行うため、迅速な回答 や対応品質の向上 が期待できます。これにより、オペレーターの負担が軽減され、対応ミスの減少や顧客満足度の向上につながります。
顧客セグメンテーションとパーソナライズ化
AIは、顧客の属性や過去の購入履歴、行動パターンなどのデータを分析し、顧客を細かくセグメント分けできます。これにより、各顧客に最適化されたサービスや提案を行うことができ、顧客満足度の向上やクロスセル・アップセルの機会を増やすことが期待できます。
需要予測と人員配置の最適化
AIは、過去の問い合わせデータや季節要因、キャンペーン情報などを基に、将来の問い合わせ件数を高精度で予測できます。これにより、需要に合わせた人員配置が可能となり、待ち時間の短縮や人件費の最適化が実現します。
コールセンターAI導入のメリットとデメリット
AIを導入することで、コールセンター業務は大きく進化し、さまざまなメリットが期待できます。しかし、同時にデメリットや注意すべき点も存在します。ここでは、AI導入のメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。
メリット
- コスト削減
人件費の削減や業務効率化によるコスト削減が可能です。例えば、チャットボットの導入により、オペレーターの対応件数が減少し、その分人員を削減または再配置できます。 - 業務効率向上
自動化によって業務効率が向上し、対応時間の短縮が実現できます。オペレーター支援ツールにより、回答までの時間が短縮され、1人当たりの対応件数が増加します。 - 顧客満 足度向上
待ち時間の削減や対応品質の向上、パーソナライズされたサービス提供により、顧客満足度が向上します。迅速で的確な対応は、顧客の信頼獲得につながります。 - データ活用によるサービス改善
AIによるデータ分析で顧客のニーズやトレンドを把握し、商品開発やサービス改善に役立てることができます。
デメリット
- 導入コストの高さ
システムの導入費用やAI開発費用が高額になる場合があります。初期投資が大きく、「ROI(投資対効果)」を慎重に検討する必要があります。 - 運用コストとメンテナンス
システムの運用費用や保守費用が継続的に発生します。AIモデルのアップデートやメンテナンスに専門的な知識が必要な場合もあります。 - データセキュリティのリスク
顧客データの保護や情報漏洩対策が必要となります。特に、個人情報を扱う場合は、法令遵守やセキュリティ対策が不可欠です。 - AI人材の不足
AIを運用・管理できる専門人材の確保や育成が課題となります。社内に適切な人材がいない場合、外部に依存することになり、コストやリスクが増加します。
AIコールセンターの導入成功事例
AIコールセンターの導入は、実際に多くの企業でコスト削減や業務効率化といった成果を上げています。ここでは、具体的な成功事例を3つ紹介します。
【コスト削減】アソビュー株式 会社
遊び・体験予約サイトを運営するアソビュー株式会社は、事業成長に伴う問い合わせ増加に対応するため、電話自動応答サービス「アイブリー」を導入しました。
ログイン方法やキャンセル手続きといった「よくある質問」を自動化した結果、電話の自動化率は最大70%に達し、コールセンターの運営コストを半減させることに成功しました。これにより、オペレーターはより専門的なサポートに集中できるようになり、顧客満足度の向上にもつながっています。
【業務効率化】JAいるま野
JAいるま野は、38拠点に分散していた電話窓口の非効率性が課題でした。そこで、窓口を1箇所に集約してコールセンターを設立し、電話自動応答サービス「アイブリー」を導入しました。
これまで38名で行っていた受注業務を、自動応答や録音・文字起こし機能の活用により、わずか4名で対応可能にしました。この体制変更により、年間約2億円という大幅な人件費削減効果を見込んでいます。
【大手企業】ソフトバンクなどの事例
大手企業でもAI活用は加速しています。ソフトバンクは、生成AIを活用してコールセンターの応答内容を自動で要約するシステムを導入し、オペレーターの後処理業務の時間を約30%削減しました。
ほかにも、ベルシステム24ホールディングスがAIオペレーターによる人手5割削減計画を発表するなど、AIは定型業務の自動化に大きく貢献しています。これにより、オペレーターはより高度で専門的な業務へシフトし、企業全体の生産性向上につながることが期待されています。
AIコールセンターシステムの選び方と比較ポイント
自社に最適なAIコールセンターシステムを選ぶためには、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは、失敗しないための選定ポイントと、主要なサービスの比較を紹介します。
失敗しないための3つの選定ポイント
AIコールセンターシステムの導入で失敗しないためには、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
- 自社の目的と規模を明確にする: まず、「なぜ導入するのか」という目的を具体的に定義することが重要です。「業務効率化」「顧客満足度向上」など目的を明確にすることで、必要な機能や適切な規模が見えてきます。インバウンド(受信)とアウトバウンド(発信)のどちらが中心か、オペレーターの人数なども洗い出しましょう。
- 将来の拡張性を考慮する: 事業の成長に合わせてオペレーターの増員や拠点の追加が想定される場合、柔軟に拡張できる「スケーラビリティ」の高いシステムを選ぶことが重要です。特にクラウド型のシステムは、契約変更だけで容易に規模を増減できるため、スモールスタートを考えている企業にも適しています。
- セキュリティとサポート体制を確認する: 顧客情報を取り扱うコールセンターでは、セキュリティ対策が不可欠です。システムのセキュリティはベンダーに委ねられるため、ベンダーのセキュリティ対策やSLA( サービス品質保証)を事前にしっかり確認しましょう。また、導入後のトラブルに備え、サポート体制が充実しているかも重要な選定基準です。
主要サービス機能・料金比較表
市場には様々なAIコールセンターシステムが存在します。ここでは、代表的な4つのサービスを比較しました。
サービス名 | ターゲット | 月額料金/席 | 強み |
|---|---|---|---|
BIZTEL | 国内、電話機能中心 | 15,000円〜 | 豊富な電話機能、手厚い国内サポート |
Zendesk | グローバル、顧客体験(CX)重視 | 約8,500円〜 | マルチチャネル対応、高い拡張性 |
Salesforce Service Cloud | Salesforce導入企業 | 12,000円〜 | Salesforce製品とのシームレスな連携 |
楽天コネクト SmaCom | 国内、コスト重視 | 1,980円〜 | 圧倒的なコストパフォーマンス |
詳しくは関連記事の「コールセンターシステムおすすめ比較15選!選び方のポイントも解説」をご覧ください。
導入を検討すべき企業の特徴
以下のような課題を抱える企業は、AIコールセンターの導入によって高い効果が期待できます。
- 定型的な問い合わせが多い: 「営業時間」「店舗へのアクセス」「商品の仕様」など、同じような内容の問い合わせに多くの時間を割かれている企業。
- 人手不足が深刻化している: オペレーターの採用や育成が追いつかず、応答率の低下や顧客の待ち時間増加に悩んでいる企業。
- 24時間365日の対応が求められる: 業種柄、休日や夜間でも顧客からの問い合わせに対応する必要がある企業。
AIコールセンターの導入手順と費用
AIコールセンターの導入を成功させるためには、計画的な手順と費用感の把握が不可欠です。
導入にかかる費用と料金体系
AIコールセンターの費用は、主に「初期費用」と「月額料金」で構成されます。
- 初期費用: システムの初期設定や導入サポートにかかる費用で、数万円からが目安です。サービスによっては無料の場合もあります。
- 月額料金: システムの利用料で、オペレーターの人数(ID数)に応じて変動します。1ユーザーあたり数千円からが相場ですが、利用する機能によって料金は変わります。
料金体系には、毎月固定額を支払う「月額固定型」や、使用量に応じて料金が変わる「従量課金型」などがあります。自社のコール量や予算に合わせて最適なプランを選ぶことが、コストを抑える上で重要です。
導入の4ステップ
AIコールセンターの導入は、一般的に以下の4つのステップで進めます。
- 導入計画の作成: まず、導入目的を明確にし、「応答率を20%改善する」といった具体的な目標(KPI)を設定します。必要な機能や予算、導入スケジュールもこの段階で決定します。
- ベンダー選定と契約: 複数のサービスを比較検討し、自社の要件に最も合うベンダーを選定します。機能や価格だけでなく、実績やサポート体制も重要な判断材料です。
- システム設定: 利用する電話番号の設定や、CRM(顧客管理システム)との連携などを行います。ベンダーのサポートを受けながら進めることで、スムーズな設定が可能です。
- 運用開始と効果測定: オペレーター向けに研修を行い、実際の運用を開始します。開始後は、定期的にKPIの達成度を測定し、必要に応じて設定の見直しや改善を行いましょう。
導入後の効果測定の方法
導入効果は、計画段階で設定したKPI(重要業績評価指標)を基に測定します。
例えば、「業務効率化」が目的なら「平均応答時間」や「1件あたりの対応時間」を、「顧客満足度向上」が目的なら「顧客満足度アンケートのスコア」や「初回解決率(FCR)」といった指標を追跡します。これらのデータを定期的に分析し、改善サイクルを回していくことが成功の鍵となります。
AIコールセンターに関するよくある質問
ここでは、AIコールセンターの導入を検討する際によく寄せられる質問にお答えします。
Q. AI導入でオペレーターの仕事はなくなりますか?
結論から言うと、AIによってオペレーターの仕事が完全になくなる可能性は低いと考えられます。
AIは定型的な業務の自動化を得意としますが、イレギュラーな質問への対応や、顧客の感情に寄り添ったコミュニケーションは依然として人間の強みです。
AI導入により、オペレーターの役割は単純作業から、より高度な問題解決やクレーム対応といった専門的な業務へとシフトしていくでしょう。AIと人間がそれぞれの強みを活かして協働することが、これからのコールセンターの理想的な姿です。
電話業務の効率化ならアイブリー
AI技術は、コールセンター業務の効率化と顧客満足度向上に大きく貢献する可能性を秘めています。まずは、自社の課題を明確にし、小規模なシステムから段階的に導入を進めることが成功のポイントです。
AI導入を検討する際は、この記事で紹介したメリット・デメリットや注意点を理解し た上で、専門家や信頼できるベンダーに相談しながら、最適な解決策を見つけていきましょう。
今こそ、AI技術を活用して、コールセンターの未来を切り拓く時です。顧客にとって便利で快適なサービスを提供し、企業の競争力を高めるために、積極的な取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。
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