【2025年】コードレス電話機おすすめ比較!選び方のポイント解説

オフィスのフリーアドレス化やテレワークの推進など、働き方が多様化する現代、従来の有線ビジネスフォンでの対応に限界を感じることも少なくないでしょう。
「電話機から遠い場所で電話したい」「オフィスのレイアウトを自由に変更したい」といった悩みを解決する一つの手段がコードレス型ビジネスフォン です。
本記事では、無線で使えるビジネスフォンのメリット・デメリット、具体的な種類、自社に最適なシステムの選び方までをわかりやすく解説します。
コードレス型ビジネスフォンとは?
コードレス型ビジネスフォンとは、その名の通り、電話機と主装置、または電話回線との物理的な配線をなくし、無線で通信するビジネスフォンシステム全般を指します。
コードレス型ビジネスフォンは、単一の製品を指す言葉ではありません。オフィス内に設置した主装置と電話機を連携させるタイプから、インターネット回線を利用してスマートフォンを内線化するクラウドPBXまで、様々な技術や製品の総称 です。
これらに共通するのは、従業員が物理的なケーブルに縛られることなく、オフィス内や外出先、在宅勤務時でも会社の電話番号でコミュニケーションが取れる点です。これにより、ビジネスの機動性と柔軟性を大幅に向上させることができます。
コードレス型ビジネスフォンの主な機能
無線ビジネスフォンは、一般的なビジネスフォンが持つ基本機能を網羅しています。
- 内線・外線通話 : 社員間の無料通話や、外部との発着信。
- 保留・転送 : 受けた電話を保留にしたり、別の担当者に取り次いだりする機能。
- 代表番号発信 : 個人のスマートフォンからでも、会社の代表番号で発信できる機能。
- IVR(自動音声応答) : 「〇〇の方は1番を」といった自動音声案内で、着信を効率的に振り分ける機能。
- 通話録音 : 通話内容を録音し、トラブル防止や応対品質の向上に役立てる機能。
- CTI連携 : PCと電話を連携させ、着信時に顧客情報をPC画面に表示させる機能。
特にクラウドPBXでは、これらの機能に加え、ビジネスチャットやWeb会議システムとの連携など、より高度な機能を利用できるケースも増えています。
ワイヤレス電話機との違い
「コードレス電話機」と似た言葉に「ワイヤレス電話機」があります。
一般的な定義として、「コードレス電話機」は固定電話回線に接続された親機と、無線で通信する子機(受話器)のセットを指します。一方、「ワイヤレス電話機」はより広い意味を持つ言葉で、携帯電話(スマートフォン)やトランシーバーなど、無線通信を行う電話機全般を指す際に使われることがあります。
本記事では、「固定電話回線に接続して使用する、配線のない電話機」を「コードレス電話機」として解説 を進めます。
コードレス型ビジネスフォンの種類
「無線で使えるビジネスフォン」と一括りにいっても、その実現方法にはいくつかの種類があります。自社の規模や働き方に合わせて、最適なタイプを選ぶことが大切です。
デジタルコードレス電話機
オフィス内に設置した主装置に専用のアンテナ(基地局)を接続し、そこから電波を飛ばして利用するコードレス電話機です。DECT方式という規格が主流で、Wi-Fiとの電波干渉が少なく、安定した高品質な通話が可能 なのが特徴です。ただし、通話できるのはアンテナの電波が届く範囲(屋内では最大50m、屋外の障害物がない環境では最大300m が目安)に限られます。
アナログコードレス電話機
旧来からあるアナログ電波を利用したコードレス電話機です。デジタル方式に比べて障害物に強く、広い範囲をカバーできる場合がありますが、音質が劣化しやすく、他の家電製品からのノイズ(電波干渉)を受けやすいというデメリットがあります。現在ではあまり主流ではありません。
カールコードレス電話機
電話機本体と受話器をつなぐカールコード(くるくるとしたコード)のみを無線化したタイプです。電話機本体は有線で接続されているため、移動範囲はデスク周辺に限られます。デスク周りをすっきりさせたい、という限定的なニーズに応える製品です。
スマートフォン内線化(FMC)
現在、無線ビジネスフォンの主流となりつつあるのが、従業員のスマートフォンをビジネスフォンの内線端末として利用する 方法です。これにより、場所を問わずに会社の電話番号で発着信が可能になります。実現方法には、既存の主装置に専用アダプタを接続する方法や、通信キャリアが提供するFMC(Fixed Mobile Convergence)サービス、そして最も柔軟性の高いクラウドPBXなどがあります。
種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
デジタルコードレス | 主装置+アンテナで利用 | オフィス内で高品質・安定通話 | テレワーク不可、範囲限定 |
スマートフォン内線化 | スマホアプリ等で利用 | 場所を問わず利用可能、高拡張性 | ネット回線の品質に依存 |
カールコードレス | 受話器のみ無線 | デスク周りがすっきり | 移動範囲が極端に狭い |
アナログコードレス | アナログ電波で利用 | 安価な場合がある | 音質が不安定、干渉を受けやすい |
コードレス型ビジネスフォンのメリット
項目 | 無線ビジネスフォン | 有線ビジネスフォン |
|---|---|---|
機動性 | ◎ 高い(オフィス内外で利用可能) | △ 低い(デスク周辺のみ) |
レイアウト変更 | ◎ 容易(配線工事不要) | × 困難(都度、配線工事が必要) |
導入コスト | ⚪︎ 低~高(クラウド型は安い) | △ 高額になりがち(工事費含む) |
拡張性 | ◎ 高い(特にクラウド型) | △ 機器の制約あり |
テレワーク対応 | ◎ 適している | × 不向き |
移動の自由度が向上し業務が効率化する
従業員はオフィス内のどこにいても、あるいは外出先や自宅からでも、内線電話や代表番号で発着信が可能になります。これにより、担当者不在による電話の取り次ぎの手間が省け、顧客からの問い合わせにも迅速に対応できるため、機会損失を防ぎ、業務全体の生産性を向上 させます。
オフィスのレイアウトを柔軟に変更できる
電話機の配線を気にする必要がないため、フリーアドレスの導入や、プロジェクトごとのチーム編成に合わせた座席変更など、組織の成長や変化に応じた柔軟なオフィスレイアウト が容易に実現できます。これにより、コミュニケーションの活性化も期待できるでしょう。
配線の煩わしさから解放される
デスク周りの電話線がなくなり、オフィスがすっきりと整然とした印象になります。見た目の美しさだけでなく、配線の断線によるトラブルや、足を引っかけるといった事故のリスクもなくなります。また、新規導入や移転時の煩雑な配線工事が不要 になる点も大きなメリットです。
テレワークやフリーアドレスに対応しやすくなる
特にクラウドPBXを利用してスマートフォンを内線化する場合、従業員はインターネット環境さえあれば、どこでも会社の電話番号を利用できます。
コードレス型ビジネスフォンのデメリット
多くのメリットがある一方で、無線ビジネスフォンには注意すべき点もいくつかあります。導入を検討する際には、これらのデメリットも理解しておくことが重要です。
電波干渉による通話品質の低下リスク
無線で通信を行うため、オフィスの壁や障害物、他の電子機器(Wi-Fiルーターや電子レンジなど)からの電波干渉によって、通話品質が不安定になる可能性 があります。特に、多くの機器が接続するWi-Fiを利用するタイプの無線ビジネスフォンでは、音声の途切れやノイズが発生するリスクを考慮が必要です。
バッテリー管理の手間が発生する
コードレス電話機は、バッテリーで動作します。そのため、定期的な充電管理が不可欠 です。業務中にバッテリーが切れてしまうと、重要な電話を受けられない事態も起こり得るため、予備バッテリーの用意や、充電しやすい環境の整備といった対策が求められます。
充電池の寿命と交換の目安
コードレス電話機の子機に使われている充電池(ニッケル水素電池が主流)は消耗品であり、一般的に1〜3年が寿命の目安 とされています。
「以前より通話できる時間が短くなった」「満充電してもすぐに電池が切れる」といった症状が見られたら、それはバッテリー交換のサインです。メーカー純正の交換用バッテリーや、より安価な互換品も市販されていますので、 お使いの機種に対応したものを用意しましょう。
セキュリティリスクと対策の必要性
インターネット回線を利用するクラウドPBXなどは、常に不正アクセスや盗聴、サイバー攻撃といった脅威に晒される可能性があるため、信頼できるセキュリティ対策を講じているベンダーを選ぶ ことが重要です。また、従業員の私物端末を業務利用(BYOD)する場合は、情報漏洩を防ぐための明確なルール策定や、MDM(モバイルデバイス管理)ツールの導入といった対策も必要になります。
コードレス電話機の寿命は?いつまで使える?
コードレス電話機の購入や買い替えを検討する際、「この電話機はあと何年くらい使えるのだろう?」という点は重要なポイントです。電話機の寿命には、機器そのものが故障する「物理的な寿命」と、通信方式の変更などに対応できなくなる「技術的な寿命」の2つの側面があります。
物理的な寿命の目安(本体・充電池)
コードレス電話機本体(親機・子機)の物理的な寿命は、一般的に5年〜10年程度が目安 です。もちろん、使用頻度や環境によって前後しますが、ボタンが反応しにくくなったり、液晶表示に不具合が出たりした場合は、買い替えを検討するタイミングと言えるでしょう。
前述の通り、子機の充電池は本体よりも寿命が短く、1〜3年での交換が必要になるケースが多いことも覚えておきましょう。
技術的な寿命(IP網移行後の影響)
2024年1月から、従来の固定電話網(PSTN)からIP網への移行が段階的に進められています。これに伴い、「今使っているアナログ回線用の電話機は使えなくなるのでは?」と心配される方もいるかもしれません。
結論から言うと、現在使用しているコードレス電話機の多くは、IP網移行後もそのまま継続して利用できます。 電話機と壁のモジュラージャックの間に、通信事業者が提供するアダプター(通常はレンタル)を設置するだけで、特別な設定は必要ありません。そのため、IP網移行を理由に急いで電話機を買い替える必要はありません。
【メーカー別】おすすめコードレス電話機比較
家庭用のコードレス電話機は、様々なメーカーから発売されていますが、特に人気が高いのが「パナソニック」と「シャープ」の2社です。それぞれのメーカーで特徴が異なるため、ご自身のニーズに合った製品を選びましょう。
パナソニック|迷惑電話対策が充実
パナソニック製のコードレス電話機は、業界トップクラスの「迷惑電話防止機能」が最大の特長 です。振り込め詐欺や悪質な勧誘電話などを撃退するための、以下のような強力な機能を多数搭載しています。
- 着信前に相手に警告メッセージを自動で流す
- 通話内容を自動で録音し、証拠を残す
- 特定の番号や非通知の着信を拒否する
- 警察や自治体が提供する迷惑電話番号 リストと連携し、危険な着信を自動でブロックする
これらの機能により、高齢のご家族がいる家庭でも安心して利用できる点が、長年にわたり高い支持を得ている理由です。
シャープ|デザイン性と独自機能で選ぶ
シャープ製のコードレス電話機は、インテリアに馴染むスタイリッシュなデザイン に定評があります。リビングや書斎など、人目に付く場所に置いても見栄えが良い製品が多いのが特徴です。
また、「緊急呼出ボタン」を搭載したモデルもあり、万が一の際に登録した連絡先へワンタッチで通報できるなど、デザイン性だけでなく、利用者の安心に配慮した独自の機能も魅力です。迷惑電話対策機能も搭載されていますが、機能の豊富さではパナソニックに一歩譲るものの、デザイン性を重視する方には有力な選択肢となるでしょう。
後悔しないコードレス電話機の選び方【家庭用】
これまで解説してきたビジネスフォン向けの選び方とは別に、ここでは家庭でコードレス電話機を選ぶ際に後悔しないための、具体的な4つのチェックポイントを解説します。ご自身の使い方や家族構成に合わせて、最適な一台を見つけましょう。
ポイント1:迷惑電話防止機能(安心機能)で選ぶ
家庭用電話機を選ぶ上で、現在最も重要視すべきなのが「迷惑電話防止機能」 です。巧妙化する特殊詐欺から身を守るため、着信時の自動警告や通話録音機能は、もはや必 須の機能と言っても過言ではありません。
特に、高齢のご両親へのプレゼントとして購入する場合は、迷惑電話対策機能が最も充実しているパナソニック製品などを第一候補に検討するのがおすすめです。
ポイント2:使いやすさ(操作性・視認性)で選ぶ
毎日使うものだからこそ、誰にとっても分かりやすい操作性や、画面・ボタンの見やすさは非常に重要です。
- 文字は大きく見やすいか(液晶画面、ボタン)
- ボタンの配置は分かりやすいか
- 受話器は持ちやすいか
- 着信音や受話音量は十分に大きくできるか
特にシニア世代の方が使う場合は、これらの基本的な使いやすさ(ユーザビリティ)を店頭などで実際に触って確認する ことをお勧めします。
ポイント3:デザインと設置の自由度で選ぶ
電話機もインテリアの一部です。お部屋の雰囲気に合ったデザインやカラーを選びましょう。また、親機のタイプによって設置の自由度が変わる点も考慮が必要です。
- 従来の固定電話機タイプ: 親機と受話器がコードで繋がっている
- 親機がコードレスのタイプ: 親機自体も子機のように独立しており、電話回線に接続するベースユニットと分離している
後者のタイプは、電話線の差込口から離れた場所にも親機を置けるため、レイアウトの自由度が高いのがメリットです。
親機がコードレスのメリット・デメリット
親機がコードレスのタイプは、設置場所を自由に選べるという大きなメリットがあります。電話線の位置に縛られず、リビングのカウンターや寝室のサイドテーブルなど、生活動線に合わせた最も使いやすい場所に設置できます。
一方で、停電時に電話が使えなくなるというデメリット もあります。従来の電話機は電話回線から最低限の電力を供給されるため停電時でも通話可能でしたが、コードレス電話機はAC電源が必須です。万が一の際の連絡手段として固定電話を重視する場合は、この点を理解しておく必要があります。
コードレス型ビジネスフォンを選ぶ際のポイント
多様な選択肢の中から自社に最適な無線ビジネスフォンを選ぶために、必ずチェックしておきたい4つのポイントを解説します。
利用人数と必要な台数を確認する
まず、電話を利用する従業員の人数と、将来的な増減の見込みを把握しましょう。同時に、「同時に通話する最大の数(チャネル数)」 を見積もることが重要です。一般的にチャネル数は「従業員数の3分の1」が目安とされますが、電話の頻度が高い業務であれば、より多くのチャネル数が必要になります。
オフィスの広さと通信範囲を確認する
コードレス電話機を導入する場合は、オフィスの広さや構造(壁の材質や階数など)を考慮し、全エリアを十分にカバーできるか を確認する必要があります。電波が届きにくい場所がないか、事前にデモ機などでテストするのが望ましいでしょう。スマートフォンを内線化する場合は、従業員が利用する各場所でのインターネット接続の安定性が重要になります。
必要な機能と使いやすさを比較する
基本的な通話機能だけで十分か、あるいはIVR(自動音声応答)や通話録音、CRM連携といった高度な機能が必要かを洗い出しましょう。多機能なシステムは便利ですが、その分コストも上がります。自社の業務に本当に必要な機能を過不足なく選ぶ ことが、コストパフォーマンスを高める鍵となります。また、従業員が直感的に使えるか、アプリや管理画面の操作性も重要な選定基準です。
サポート体制を確認する
電話はビジネスの生命線です。万が一のトラブルが発生した際に、迅速に対応してくれるサポート体制があるかは非常に重要です。サポートの受付時間(24時間365日か、平日日中のみか)、対応方法(電話、メール、チャット)、そして導入時のトレーニングや設定支援の有無 などを契約前に必ず確認しましょう。
コードレス型ビジネスフォンの導入手順
無線ビジネスフォンの導入は、計画的に進めることでスムーズに完了します。一般的な導入プロセスは以下の4つのステップで構成されます。
必要な機能や台数を洗い出す
最初のステップは、現状の課題と将来の展望を基にした要件定義です。前章の「選ぶ際のポイント」を参考に、利用人数、必要なチャネル数、必須機能、予算などを具体的にリストアップしましょう。この段階で社内の要望を正確に把握することが、後の業者選定のズレを防ぎます。
複数の業者から見積もりと提案を受ける
洗い出した要件を基に、複数のベンダーや販売代理店に問い合わせ、見積もりと提案を依頼します。初期費用や月額料金だけでなく、提案内容が自社の課題をどのように解決してくれるのか を比較検討します。無料トライアルがあれば積極的に活用し、実際の使用感を確認するのがおすすめです。
専門業者による設置と設定
契約後、導入作業に移ります。コードレス電話機の場合は、主装置やアンテナの設置、配線作業が発生します。クラウドPBXの場合は物理的な工事は不要ですが、ネットワーク設定やユーザーアカウントの作成、各種機能のセットアップなどが行われます。導入ベンダーと連携し、業務への影響が最小限になるようスケジュールを調整します。
導入後のフォロー体制を確認する
システムが稼働し始めた後も重要になります。操作方法に関する従業員からの質問にどう対応するか、トラブル発生時の連絡先はどこか、といった運用ルールを事前に明確に しておきましょう。ベンダーが提供するマニュアルやトレーニング、ヘルプデスクなどのサポート体制を十分に活用し、円滑な社内定着を目指しましょう。
※2025年11月1日、料金プランの月額料金およびサービス内容を改定させていただきました。今後もお客さまに安心してご利用いただけるサービスを提供してまいります。
料金プランの改定内容については、下記のURLからご確認ください。
