コールセンターをアウトソー シングするメリットは?失敗しないポイントも

毎日たくさんの電話がかかってくる企業では、コールセンターを外注することがあります。コールセンターを外注することで、どんなメリットがあり、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?
この記事では、コールセンターの外注とはなにか、コールセンターを外注する場合はどんなコールセンターを選ぶべきか、など詳しく解説します。
コールセンターの外注とは
コールセンターと言うと、広いフロアにたくさんのデスクが並び、オペレーターひとりひとりが電話対応をしているような、大規模な施設をイメージする方も多いと思います。こうしたコールセンターを運営するには、数百万~数千万円という多額のコストがかかることも珍しくありません。
こうしたコールセンターを自社で持 ち、運営することを「内製」と呼ぶのに対し、外部業者のコールセンターへ電話業務だけ委託することを「外注」と呼びます。
自社でひとりの電話担当者を雇うのに比べると、コールセンターへ外注する方が安く済むことも多い他、イベント時期だけ、繁忙期だけ、といった短期間限定でコールセンターを外注することも可能です。
コールセンターの種類
コールセンターには、大きく分けてインバウンド型・アウトバウンド型の2種類があります。いずれかに特化したコールセンターの他、両方に対応しているコールセンターもあります。
インバウンド型のコールセンター
インバウンドとは、かかってきた電話に対応することです。
コールセンターにおいては、質問に答える、社員への伝言を預かる、担当者へ電話をつなぐ、注文を受ける、といった対応がインバウンド業務に当たります。つまり、かかってきた電話に対応するのに特化したコールセンターです。
アウトバウンド型コールセンター
アウトバウンドとは、企業側から顧客側へ電話をかける業務です。
コールセンターにおいては、新規顧客獲得のための営業・勧誘電話をかけたり、アンケートや市場調査のために電話をかけるような対応がアウトバウンド業務にあたります。つまり、電話をかける対応に特化したコールセンターです。
コールセンターの外注のメリット
こうしたコールセンターを外注することで、一体どんなメリットが得られるのでしょうか?
コスト削減ができる
コールセンターを自社で持つ「内製」には、ばく大なコストがかかります。しかし外注であれば、オペレーターの人数1名~、回線数1本~というように、規模に合わせて最適なプランでコールセンターのサービスを利用できるのです。
コストをかけてコールセンターの構築をする必要がなく、スタッフひとりの人件費よりも、オペレーター1人当たりのサービス料の方が安くなるというメリットがあります。
詳しくは関連記事の「コールセンターにおけるコスト削減の全体像と方法を解説」をご覧ください。
サービスの品質が高い
コールセンターのオペレーターは、電話対応を専門に行うプロです。そのための教育や研修をうけているので、電話対応品質が高くなります。
電話をかけた人からも「対応が良かった」と好評を得たり、満足度がアップしたりする可能性があるでしょう。
本来の業務に集中できる
コールセンターを外注することで、普段の電話業務の大部分を任せることができます。電話がかかってくるたびに作業を中断したり、1日に何度も同じ質問に対応したり、といったストレスから解放され、本来の業務に集中できるようになるでしょう。
詳しくは関連記事の「コールセンター委託のメリット・デメリット、費用、選び方を徹底解説」をご覧ください。
コールセンターを外注するデメリット
コールセンターのアウトソーシングは多くのメリットがある一方で、デメリットやリスクも存在します。導入を検討する際には、以下の点を十分に理解しておくことが重要です。
情報漏洩のリスク
最も注意すべきデメリットの一つが、情報漏洩のリスクです。委託会社には、顧客情報や企業の機密情報を共有することになるため、セキュリティ管理が極めて重要になります。委託先のセキュリティ体制が不十分な場合、重大な情報漏洩につながる可能性があります。
業務のコントロールが難しい
自社で直接コールセンターを運営する場合と比べて、業務の細かなコントロールが難しくなることがあります。外部のオペレーターが対応するため、緊急時の迅速な情報共有や、企業文化を反映した柔軟な対応が困難になる場合があります。
社内にノウハウが蓄積されない
顧客との直接の接点であるコールセンター業務を外部に委託すると、顧客の生の声(VOC)や対応ノウハウが社内に蓄積されにくくなります。これは、将来的にサービス改善や商品開発を行う上で、貴重な情報源を失うことになりかねません。

コールセンターの費用
コールセンターを外注する場合、席数(オペレーター数)や回線数、対応件数(コール数)、対応時間などによって料金プランが変動します。月額数千~数万円程度の料金プランが多いです。
月額固定プランを利用する場合、あらかじめ決められたコール数を超過すると、割高の追加料金が発生することがあります。このほかに初期費用として数万~数十万円かかります。
コールセンターシステム・クラウド型コールセンターという選択肢も
上記で紹介したような内製コールセンター以外にも、近年ではクラウド型コールセンターという選択肢も出てきています。クラウド型とは、内製コールセンターの設備をインターネットのサーバー上に構築するもので、大規模な設備や機械を導入しなくても、インターネット回線を通じて利用できます。
インターネットに接続できる環境であれば世界中どこからでもアクセスできるので、リモートワークを実現したり、外出先や出張先からでもアクセスし、多様な働き方を実現できます。
内製コールセンターは、クラウド型に対して「オンプレミス型」と呼ばれることもあります。コールセンターのシステムやサービスについて、詳しくはこちらの記事で解説しています。合わせてご覧ください!
失敗しないコールセンター委託先の選び方
コールセンターのアウトソーシングを成功させるためには、自社の目的や状況に合った委託先を選ぶことが最も重要です。以下の4つのポイントを確認し、慎重に委託先を選定しましょう。
導入目的を明確にする
まず、「なぜアウトソーシングするのか」という目的を具体的に定義することが大切です。「コストを削減したい」「24時間365日の問い合わせ窓口を設けたい」「専門知識が必要なテクニカルサポートを任せたい」など、目的によって選ぶべきサービスは大きく異なります。
料金体系を確認する
委託先の料金体系が、自社の予算や問い合わせの量に見合っているかを確認しましょう。料金体系には、毎月一定の料金を支払う「月額固定制」や、電話の件数に応じて料金が変わる「従量課金制」などがあります。初期費用や追加料金の有無も含め、トータルコストで比較検討することが重要です。
詳しくは関連記事の「コールセンター代行おすすめ17選を徹底比較!料金や選び方も」をご覧ください。
業務範囲とサポート品質で選ぶ
自社が委託したい業務にどこまで対応可能か、その範囲を確認しましょう。インバウ ンド業務だけでなく、アウトバウンド業務も依頼できるか、チャットやメールなど電話以外のチャネルにも対応しているか、といった点です。また、オペレーターの研修制度や品質管理体制が整っているかも、高品質なサポートを実現する上で欠かせないチェックポイントです。
セキュリティ体制を確認する
顧客情報を外部に預ける以上、委託先のセキュリティ体制は必ず確認しなければなりません。プライバシーマーク(Pマーク)やISMS認証といった第三者認証を取得しているか、具体的な情報管理のルールが定められているかなど、信頼できる体制が構築されているかを見極めましょう。
おすすめのコールセンター委託会社
日本国内には数多くのコールセンター委託会社が存在します。ここでは、特に実績が豊富で信頼性の高い大手企業を中心に、それぞれの特徴を紹介します。
企業名 | 売上高(2023年度) | 特徴 |
|---|---|---|
トランスコスモス | 3,622億円 | 業界最大手。国内・海外に多数の拠点を持ち、多様な業界での豊富な運営実績が強み。 |
アルティウスリンク | 2,400億円 | KDDIエボルバとりらいあコミュニケーションズが統合。通信業界の知見を活かした幅広いサービスを提供。 |
ベルシステム24 | 1,487億円 | 長年の歴史と実績を持つ国内最大級の企業。CRMシステムとの連携にも強みを持つ。 |
株式会社TMJ | 559億円 | 国内だけでなく、中国、フィリピンにも拠点を持ち、グローバルなBPOサービスを提供。 |
NTTマーケティングアクトProCX | 508億円 | NTTグループとして全国規模でサービスを展開。通信業界の知見が豊富。 |
アウトバウンド業務を委託する際のポイント
アウトバウンド業務は、企業側から顧客へアプローチするため、企業の「顔」としての役割がより強くなります。委託する際には、インバウンド業務とは異なる以下の点に注意が必要です。
- 目的とターゲットの明確な共有: 新規顧客の獲得や既存顧客へのフォローアップなど、何のために電話をかけるのか、どのような顧客層をターゲットにするのかを委託先と具体的に共有しましょう。
- トークスクリプトの品質: 企業のブランドイメージや商品・サービスの価値を正確に伝えるトークスクリプトが不可欠です。委託先と共同で作成・改善していく体制を築きましょう。
- コンプライアンスの遵守: 特定商取引法など、アウトバウンド業務に関連する法律を遵守した運営がされているか、委託先のコンプライアンス体制を必ず確認してください。
- 成果指標(KPI)の設定: アポイント獲得率や成約率など、明確なKPIを設定し、定期的に実績の報告を受けることで、効果を測定し改善につなげることができます。
インバウンドならIVR(電話自動応答)で代用も可能
インバウンド業務だけに対応したいのであれば、IVR(電話自動応答)で代用することも可能です。IVRとは、電話をかけると自動で音声ガイダンスが流れ、「○○の問い合わせは1番をプッシュしてください…」と案内するようなシステムを指します。
近年では、かかってきた電話番号へSMSを送信したり、登録した電話番号へ自動的に電話を転送するといった使い方もできるようになっており、インバウンドの電話業務であれば、ほとんどがIVRで対応できるでしょう。
IVRyは、申し込んだら最短5分で運用開始できるスピード感や、誰でも分かりやすい直感的な操作画面が自慢で、こうしたツールに不慣れな方でもカンタンに導入することができますよ。
音声ガイダンスを作るときも、テキストを入力するだけで、後はAIが自動で文章を読み上げてくれる、という手軽さ。あらかじめ肉声を録音し、データをアップロードする…といった手間は不要です。
営業時間や休業日といったよくある問い合わせには自動で回答するほか、担当者へ直接電話をつないだり、SMSを送信する、といった対応ができます。その他、顧客管理機能や、受電履歴、通話録音機能、ホワイトリスト・ブラックリスト機能など、便利な機能がたくさん詰まって、月額3,000円~という低コストでご利用いただけます。コールセンターの外注を考えているなら、ぜひIVRyをお試しください!
詳しくは関連記事の「IVR(電話自動応答)とは?仕組み・費用・比較ポイントを解説」をご覧ください。
コールセンターのアウトソーシングに関するよくある質問
Q1. 費用はどれくらいかかりますか?
A1. 料金体系や委託する業務範囲、席数(オペレーター数)によって大きく異なります。小規模なプランであれば月額数万円から、大規模な場合は数百万円以上になることもあります。複数社から見積もりを取得して比較することが重要です。
Q2. 導入までどのくらいの期間がかかりますか?
A2. 委託する業務内容や規模によりますが、内製化するより迅速に開始できるのが一般的です。最短で数週間から、業務フローの設計などが必要な場合は数ヶ月かかることもあります。
Q3. 小規模な業務でも依頼できますか?
A3. 可能です。多くの委託会社が、1席のみ、月のコール数が少ないといった企業向けに柔軟なプランを用意しています。まずは小規模から始めて、事業の成長に合わせて拡大していくこともできます。
※2025年11月1日、料金プランの月額料金およびサービス内容を改定させていただきました。今後もお客さまに安心してご利用いただけるサービスを提供してまいります。
料金プランの改定内容については、下記のURLからご確認ください。
