レガシーシステムとは?DXに欠かせないモ ダナイゼーションについても解説
レガシーシステムとは、老朽化・肥大化・複雑化・ブラックボックス化したシステムのことを指します。
もとは日本企業の多くにコンピュータが普及したころに作られたシステムですが、社会の変容に合わせて改修を続けてきた結果、現在では時代遅れのシステムとなっていることが多いです。
レガシーシステムを使い続けていては、時代に取り残されてしまいます。
新たなシステムに刷新するモダナイゼーションの必要があるでしょう。
この記事では、レガシーシステムから脱却し、モダナイゼーションを始めるための方法として、取り組みやすいDXなどについて解説しています。
- レガシーシステムの概要と問題点
- レガシーシステムとは
- 約8割の企業が抱えるレガシーシステム
- レガシーシステムの問題点
- レ ガシーシステムは使い続けるしかない?
- DXに欠かせないレガシーモダナイゼーション
- モダナイゼーションとは
- モダナイゼーションが重要な理由とメリット
- モダナイゼーションの最初の一歩
- 始めやすい/推進しやすいDXとは
- 電話業務もDX化できる
- まとめ
レガシーシステムの概要と問題点
まずはレガシーシステムとは何か、何が問題なのか、よりくわしく解説します。
レガシーシステムとは
レガシーシステムとは、日本企業にPCが普及し始めたころに生まれたシステムです。
現在まで改修を重ね、今でも基幹システムとして活用している企業も多いです。
しかし10年以上も前に作られたシステムが多いので、現代にはそぐわない部分の方が増えているのです。
なお、レガシー(legacy)とは「遺産」を意味する言葉です。レガシーシステムをこのまま使い続けると負の遺産となるのはほぼ確実であり、レガシーモダナイゼーションの必要性が指摘されています。
約8割の企業が抱えるレガシーシステム
レガシーシステムは、今もなお日本企業の約8割が使い続けている、と言われます。長らく使い続けてきただけあって、レガシーシステムにはぼう大なデータが記録されていますが、それを活用する方法がありません。
なぜならレガシーシステムは、問題が起こったり、新しい事業を始めるたびに、新たな機能と領域を追加する、という形で大きくなっているからです。
それぞれの機能に連携性がなく、数々のデータがバラバラに保管されている、という状態になっています。
中には技術者が既に定年を迎えたり、システムの開発メーカーが廃業しているなどして、データの閲覧や改修さえできないブラックボックス領域も存在しています。
レガシーシステムの問題点
レガシーシステムを使い続ける企業は、システムの保守・運用に多くの人材を割かねばなりません。
しかし少子高齢化が進む日本では、すでにIT人材が不足している状態です。貴重なIT人材を新たなシステム開発に向けることができず、古いシステムに費やさねばならないのです。
すでに人材不足や人件費高騰に悩んでいる企業も多いと思いますが、貴重なIT人材を採用するには、さらに多くの費用がかかるでしょう。
今後レガシーシステムの保守運用費用が増大していく可能性も高いです。
こうした問題を自覚し、レガシーモダナイゼーションを始めたいと考えている企業は多いです。
しかしシステムを刷新したくても現状のレガシーシステムにかかるコストが多すぎて、別のシステムにかける余裕がないのも事実でしょう。
レガシーシステムはDXの足かせにもなってしまっています。
レガシーシステムは使い続けるしかない?
ではレガシーシステムをこのまま使い続けるしかないのでしょうか?
残念ながらそれも難しいのです。
システムの開発メーカー側でもシステムの保守・運用は属人的となっており、技術を継承していくのは困難になっています。
DXに欠かせないレガシーモダナイゼーション
レガシーシステムから脱却してDXを進めるには、レガシーモダナイゼーションが必要と言われています。聞きなれない言葉かと思いますので、どういうことか分かりやすく解説します。
モダナイゼーションとは
モダナイゼーション(modernization)とは、「modern(現代)」と「zation(~化する)」を掛け合わせた言葉で「現代化する」という意味があります。つまりレガシーモダナイゼーションとは、レガシーシステムを刷新して現代にふさわしいシステムに切り替えることと言えるでしょう。
モダナイゼーションが重要な理由とメリット
モダナイゼーションが重要なのは、技術の進化、保守運用費・人件費の削減、企業の成長など多くの課題を解決することができるからです。
モダナイゼーションができれば、システムは環境変化があっても柔軟・迅速に対応できるようになります。
必要に応じて機能の追加・拡張・変更もしやすく、業務の幅を広げられるでしょう。
この結果、生産性や品質が向上したり、パフォーマンス・効率が向上します。
蓄積されたデータは一元管理されるため、あらゆる業務分野に同じデータを活用できます。
データを分析することで、新たな事業や顧客満足度向上のヒントになるでしょう。
モダナイゼーションの最初の一歩
レガシーシステムを使い続けることに危機感を抱く事業者も多いですが、一方で、何から始めるべきか分からず、手をこまねいているところも多いのではないでしょうか。
モダナイゼーションを始めるためのポイントを紹介します。
始めやすい/推進しやすいDXとは
まずは手始めに、始めやすい、推進しやすい小さなDXから進めるのがオススメです。
担当者が1人で済むような手軽なDXであれば、管理に時間やコストがかからず、かんたんにモダナイゼーションが完了します。
最初にモダナイゼーションの成功体験があれば、ほかの分野や、もっと大きな部分のDX化にも意欲がわいてくるでしょう。身近なところに事例があれば、ほかのスタッフの理解を得やすくなります。
レガシーモダナイゼーションと言うと、レガシーシステムを完全に捨てて新たなシステムに生まれ変わるようなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
しかしこれには多くの時間とコストがかかります。コストをかけて導入したシステムがうまく機能しなかった場合、負債だけが残ってしまいます。
まずは小さなDXから手掛け、モダナイゼーションの最初の一歩を踏み出すのはいかがでしょうか。
電話業務もDX化できる
モダナイゼーションの最初の一歩として、電話業務のDX化もオススメです。
電話がかかってくると自動対応したり、かかってきた電話番号へSMSを送信したり、担当者へ自動で電話を転送する…といったDXシステムを使うと、普段の電話業務負担が削減され、通常業務に集中しやすくなります。
電話業務は、必ず一人のスタッフが対応しなければならない上に、時間をコントロールしにくい業務です。電話業務のDX化が進めば、忙しさに合わせて電話対応をコントロールでき、業務効率化や顧客満足度向上も期待できます。
DX推進を成功させるポイントについて、くわしくはこちらの記事にまとめています。合わせてご覧ください!
まとめ
レガシーシステムとは、開発から10年以上が経過し、肥大化・ブラックボックス化してしまったシステムです。このままレガシーシステムを使い続けると、企業競争力が損なわれるほか、企業自体の存続に関わるかもしれません。
レガシーモダナイゼーションとは、こうしたシステムから脱却し、現在の社会にふさわしいシステムへと刷新することを言います。
いきなり全てのシステムを新しいものへ切り替えるのは大変なので、まずはかんたんに導入できるDXから始めてみるのがオススメです。