医療DXとは?企業の取り組み事例や成功のポイント
少子高齢化や新型コロナウィルスの流行により、医療現場には様々な課題が浮上しています。医療従事者の不足や、医療機関の経営悪化、都市部と地方の医療格差、医療機器・消耗品の不足といった事態に直面した医療機関も多いのではないでしょうか。
一方で、今後医療ニーズはますます高まるとされており、早急な対応が求められる状況です。そこで医療DXを推進し、課題の早期解決を目指すのが良いでしょう。この記事では、医療DXについて詳しく解説すると共に、成功事例やDX推進のポイントについてお伝えします。
- 医療業界におけるDXとは?
- 医療業界の課題とは
- 医療DXを行う効果・メリット
- 医療従事スタッフの負担軽減
- 遠隔診療(オンライン診療)
- 医療ネットワークの構築
- データ管理
- 予防医療
- 医療DXを推進するには?おすすめツールを紹介
- 「IVRy(アイブリー)」
- 「エムスリーデジカル」
- 「AI問診ユビー」
- Salesforce Health Cloud
- Zoho CRM
- 医療DXの事例紹介
- HELPO(ソフトバンク)
- ICU(集中治療室)向け遠隔操作ロボット(大成建設)
- RoboTANGO(スターティアレイズ)
- スマートマットクラウド(スマートショッピング)
- 電話DXで医療業界の様々な課題を解決
- 【予約電話】
- 【人手不足】
- 【人件費削減】
- 【繁忙期】
- まとめ
医療業界におけるDXとは?
そもそもDXとは、最先端のデジタル技術を活用し続けることで、私たちの生活に変革をもたらしたり、新たなビジネスモデルを創出することを言います。
医療業界においては、DX技術を通して効率的に医療を提供することや、業務効率化によりスタッフの負担を軽減すること、従来の環境を改善することなどが求められるでしょう。また、医療DXが推進されることで、環境の変化に対応しやすくなる、データ収集・活用により診療・経営モデルを変革される、といった期待もされています。
DXを進めると何ができるのか、どう進めるべきなのか、詳しくはこちらの記事でも紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください!
医療業界の課題とは
2025年には団塊の世代がすべて75歳以上になる「超高齢化社会」が訪れます。医療業界は現在、高齢化により医療ニーズが高まっている反面、少子化により医療従事者が不足する事態を迎えているのです。そのため医療従事者の長時間労働や、離職率が高い点も指摘されます。
コロナ禍においては、医療機器や消耗品が不足したことが問題になりました。これは海外生産へ依存していたためです。同時に、供給をスムーズにするためにはデジタル化が必須であるとも考えられています。
この他、コロナ禍では院内感染を恐れて診察を控える患者が多かったと言います。そのため小規模な医療機関が経営難に直面しているのです。
医療DXを行う効果・メリット
医療従事スタッフの負担軽減
医療DXを行うことで、まず現場スタッフの業務が効率化され、負担が軽減されます。手作業で行う業務がロボット化・自動化され、時間短縮されたり、人的ミスを防ぐのにも役立つでしょう。
患者側でも待ち時間が減る、正確な医療を受けられるといったメリットが挙げられます。
遠隔診療(オンライン診療)
特に大きな期待がされているのが遠隔診療(オンライン診療)です。すでに試験的に運用を開始している医療機関もありますが、院内感染のリスクを減らすことができるほか、都市部と地方部の医療格差是正にもつながります。
患者にとっては通院負担を解消できるというメリットがあります。
医療ネットワークの構築
医療ネットワークとは、大学病院と個人経営の病院でカルテ情報を共有したり、薬局、介護施設などでも連携が可能になるネットワークシステムです。医療ネットワークが実現すれば、患者がいくつかの病院に通院していても、複合的に情報を確認しながら診療を進めることができ、患者ひとりひとりに寄り添ったきめ細かい治療ができるようになります。
データ管理
医療機関の多くでは、未だに紙のカルテを使ったり、患者のデータを保管しているところが少なくありません。紙ベースのデータでは保管場所に困ることもあり、災害など万が一の際に紛失する可能性もあります。
これらのデータをクラウド上に保管することで、損失のリスクを回避し、管理する負担も軽減されるでしょう。
予防医療
近年では予防医療が注目されるようになってきました。予防医療とは、肺炎などの危険な感染症を予防したり、持病の重症化を予防するなど、日ごろから健康な状態を保とうとするものです。
日本では超高齢社会を背景に「健康寿命を延ばす」「生活の質を高める」という考え方が重要視されてきています。スマホやウェアラブル端末を活用して普段の健康状態や生活野状態を把握したり、こうした情報を用いて医療費を抑える最先端技術も利用され始めています。
医療DXを推進するには?おすすめツールを紹介
「IVRy(アイブリー)」
電話自動応答サービスIVRyは電話の一次受付を自動化する電話DXツールで、よくある質問には自動で回答したり、予約専用URLをSMSで送信することが可能です。重要な電話は直接担当者へつないだり、迷惑電話をシャットアウトするなど、様々な使い方ができ、電話対応業務を大きく効率化します。
「エムスリーデジカル」
エムスリーデジカルは予約管理ツールと連携した電子カルテツールで、タブレット端末からの手書き入力も可能です。AIによる学習機能があり患者に適切な処置を提案します。クラウド型電子カルテジャンルでは5年連続シェア1位を保っています。
「AI問診ユビー」
AI問診ユビーは患者の症状に合わせて最適な質問を自動生成する問診ツールです。おくすり手帳や紹介状をスキャンして画像解析する機能があり、転記の手間が省けます。
Salesforce Health Cloud
Salesforce Health Cloudは医療業界に実績のあるCRMツールで、患者の診察からアフターフォローまで一貫して管理できるようになっています。Salesforce社の各種ツールは金融機関や自治体でも使われるほどセキュリティレベルが高いことで定評があります。
Zoho CRM
Zoho CRMは安価に導入できることから、業種・業態を問わず多くの企業に利用されているCRMツールです。医療業界にも実績があり、オンライン予約システム、オンライン診療システムも備えています。
目的別の病院・クリニックにおすすめのツールについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【2024年最新版】病院・クリニックにおすすめのCRMツール4選!
医療DXの事例紹介
HELPO(ソフトバンク)
HELPOはソフトバンクが提供しているアプリです。医師・看護師・薬剤師が常駐しており、チャットで気軽に健康相談ができます。24時間365日対応しており、利用者のライフスタイルを問いません。
登録者だけでなく、家族や子供の健康相談にも対応している他、オンライン診療サービスやワクチン接種支援、PCR検査サービスにも対応しています。
HELPOを導入した藤枝市では、新型コロナウィルスの流行以降、問い合わせで窓口がパンクする状態が続いていましたが、導入後は時間外の問い合わせに対応しやすくなり、導入前よりも多くの問い合わせに対応できているそうです。
ICU(集中治療室)向け遠隔操作ロボット(大成建設)
新型コロナウィルスの治療には、医師や看護師が感染するリスクにさらされます。そこで大成建設により開発されたのが、ICU向け遠隔操作ロボットです。
同ロボットを利用すればガウンやマスク・防護服を装着しなくても治療ができ、これらのコスト削減にもつながります。医療用ロボットは今後の医療を大きく変える可能性を持っており、活用データの収集・活用にも需要があると言えるでしょう。
RoboTANGO(スターティアレイズ)
民間企業の多くがかかえるレガシーシステムの問題は、医療業界にも当てはまります。例えばWindows7の電子カルテシステムを利用していた医療機関では、サポート終了に合わせて新たなカルテシステムへの移行が必須となっていました。
しかし移行が必要となるデータ数は80,000件にも上ることから、作業には一年以上かかるとされました。そこでRPAシステムのRoboTANGOを導入し、1日200件ずつのデータ移行を行っているということです。人的ミスや集中力の低下といった心配もなく、順調に進んでいます。
スマートマットクラウド(スマートショッピング)
スマートマットクラウドとは、消耗品を乗せると重さから在庫数を自動計算するマット状の端末です。在庫は定期的に記録され、指定した数より在庫が下回ると、自動的に発注します。
医療機関で利用される消耗品には、消費期限が設定されていることもあります。過剰在庫を抱えて期限が切れると、廃棄しなくてはなりませんが、スマートマットクラウドであればその心配もありません。
同システムを導入した医療機関では、看護師が在庫管理・発注業務をする必要がなくなり、看護のスキルを最大限に生かせるようになった、と好評です。
電話DXで医療業界の様々な課題を解決
電話DXは、医療業界でも注目されているDXツールのひとつです。電話の受付や一次対応を自動化することができ、よくある質問には自動で回答したり、かかってきた電話番号へSMSを返送したり、登録しておいた電話番号を直接担当者へ転送する、といった対応を自動で行います。
医療業界において電話DXはどんな風に活用されているのか、詳しい事例を紹介します。
【予約電話】
患者数が多い病院では、長い時には待ち時間が数時間に及ぶこともあります。あらかじめ予約を受け付けるとしても、予約の電話に対応していると、通常業務が圧迫されてしまうことも。電話で患者の個人情報を聞き取りしていると、その管理も大変です。
そこで電話DXシステムを導入すると、SMSを送信して予約専用URLへ誘導したり、初診患者は予約フォームへ誘導し、名前・住所・症状などのカルテデータを入力してもらうことができます。これによりミスの心配も少なく、管理の手間も大きく軽減されます。
医療業界の予約電話について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【人手不足】
少子高齢化が進む日本では、医療機関の人手不足が問題になっています。そのため一人一人の業務負担が大きくなってしまい、離職率が高くなっている現状です。経験が浅い未熟なスタッフに責任の重い業務を任さざるを得ない、という問題もあります。
電話DXを導入すると、電話業務を効率化できるので、スタッフの負担軽減に役立ちます。診察・看護に集中できるようになるでしょう。
医療業界の人手不足について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【人件費削減】
人手不足が問題になっている医療業界では、人手を確保するために人件費が上昇する傾向にあります。また、優秀な人材を集めるには相応の人件費が必要です。
一方、高い人件費を支払って優秀な人材を集めても、実際は高度な医療業務ばかりを行うわけではありません。患者からの問い合わせ電話に対応したり、一日に何度も同じ質問に答えることもあります。
こうした電話業務は必ずしも人が対応する必要はなく、電話DXシステムに任せてしまうことで、より高度な判断や作業に集中することができるでしょう。電話DXで人件費を効率的に回転させることができるのです。
医療業界の人件費削減について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【繁忙期】
内科や小児科はカゼやインフルエンザが流行する冬が繁忙期になります。皮膚科は夏場と冬場など、診療科ごとに繁忙期は異なりますが、繁忙期には電話による問い合わせも急増しがちです。ただでさえ患者が増えているのに、電話が増えて業務負担が大きくなってしまいます。
電話DXを導入すればスタッフの業務負担を軽減し、労働環境の整備につながります。
医療業界の繁忙期対策について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
まとめ
少子高齢化や新型コロナウィルスの流行により、医療業界には人手不足や長時間労働、消耗品の供給問題など、様々な問題が指摘されています。今後は医療DXにより各種課題を解決し、オンライン診療や予防医療、医療ネットワークの構築など、次世代の医療が求められるようになるでしょう。
医療DXには様々なものがありますが、まずは小規模で導入しやすく、効果が見えやすいDXから導入するのはいかがでしょうか?電話自動応答サービスIVRy(アイブリー)なら、申し込んだその日から電話業務を効率化でき、月額3,000円~という低コストで導入できます。医療DXを考えているなら、ぜひ合わせてIVRyをご検討ください!