5分で分かるCTIとは?基礎からAIと連携した最新活用方法まで徹底解説

電話対応の効率化は、多くの企業にとって重要な課題です。顧客情報や対応履歴の管理、担当者への取り次ぎ、対応品質のばらつき… これらの課題を解決し、業務効率を劇的に向上させるのが「CTI(Computer Telephony Integration)」です。 これまで、コンタクトセンターやコールセンターなど大規模な顧客対応拠点で導入されてきたCTIですが、近年では中小企業でも導入が進んでいます。
本記事では、CTIの概要やメリット、主な機能、導入時のポイントなどを詳しく解説します。
CTIとは
「CTI(Computer Telephony Integration)」とは、コンピュータと電話システムを統合する技術です。電話の発着信の制御、保留や転送などの機能のほか、各種システムと連携することで、顧客情報や通話履歴の記録などを一元管理できます。CTIの導入により、電話対応にかかる負担を軽減しつつ、顧客満足度を高めることが可能です。
CTIの主な機能
CTIの代表的な機能を7つ紹介します。
自動応答システム(IVR)
電話の着信に対して自動的に音声案内を提供する機能です。顧客は音声や電話のプッシュボタン操作で情報を取得したり、サービスを利用したりできます。
通話の発着信管理
通話の発信・受信を一元管理し、電話対応を行う担当者に自動で割り当てることができます。
通話録音・通話履歴の保存
通話内容を録音・記録し、あとから顧客とのやり取りを確認できます。対応履歴の分析により、電話対応内容の改善につなげることも可能です。
通話のルーティング・キューイング
ルーティング(ACD)機能により、通話を自動的に適切なオペレーターや部署に転送できます。キューイング(待ち呼)は、顧客から多数の受電があった際、応答の順番待ちをしてもらうために音楽やガイダンスを流す機能です。
通話のモニタリング・ウィスパリング
リアルタイムで通話をモニタリングし、電話応答内容を確認できます。必要に応じて、上長などが電話の担当者に助言を行うことも可能です。
CRM連携
受電時に電話番号をもとにCRMから顧客情報やこれまでのやり取りの履歴を自動表示できます。
AI連携(AIによる文字起こし・要約)
顧客との会話内容をAIで文章化し、内容を要約する機能です。生成したテキストは、一般的にはCRMなどに自動保存されるため、オペレーターの入力負担の削減につながります。
CTIの種類
CTIには、大きく「オンプレミス型CTI」と「クラウド型CTI」の2種類が存在します。それぞれの特徴は下表のとおりです。表とともに詳しく解説します。
オンプレミス型CTI
オンプレミスCTIは、自社内にサーバーやインフラを設置し、企業がシステムのすべてを管理する仕組みです。データが自社内に保存されるため、セキュリティ管理がしやすいほか、自社のニーズに合わせてシステムを柔軟にカスタマイズできるメリットがあります。
クラウド型CTI
クラウドCTIは、インターネットを通じてCTIの機能が提供されるサービスです。ハードウェアやインフラの購入が不要なため、初期コストやインフラの運用・保守コストを抑えられます。また、必要に応じてインフラのリソースを増減できるスケーラビリティもあります。昨今では、クラウド型CTIの利用が主流です。
比較表
比較項目 | オンプレミス型CTI | クラウド型CTI |
---|---|---|
初期コスト | 高い(ハードウェアやライセンスの購入が必要) | 低い(インターネット経由で利用できる) |
運用コスト | 比較的高い(サーバーの維持・管理に専門スタッフが必要) | 低い(ベンダーがメンテナンスとアップデートを担当) |
セキュリティ | 高い(自社ポリシーに沿ってセキュリティ対策が可能) | 高い(プロバイダ依存になるが、基本的にはセキュリティが徹底されている) |
カスタマイズ性 | 高い(企業のニーズに合わせて詳細にカスタマイズ可能) | 限定的(ベンダーが提供する範囲内でのみカスタマイズ可能) |
導入の容易さ | 難しい(SEなどの人材が必要) | 容易(インターネットのみで利用できる) |
スケーラビリティ | 限定的(物理的なサーバー容量に依存) | 高い(リソースの追加や削減が容易にできる) |
データの保存場所 | 自社サーバー | ベンダーのDC |
CTIを導入するメリット
CTIを活用すれば、業務効率化や顧客満足度の向上、売上向上などの効果が期待できます。CTIを導入する主なメリットは以下のとおりです。
顧客対応の効率化
IVR(電話自動音声応答システム)により、顧客からの問い合わせを迅速に処理できます。電話対応の負担を軽減し、応答時間を短縮可能です。
顧客満足度の向上
CRMと連携すれば、顧客情報の一元管理が可能です。電話応答時に過去の問い合わせ履歴や購入履歴を即座に参照できます。その結果、パーソナライズされた対応が可能となり、顧客満足度の向上が期待できます。
コスト削減
電話対応業務が効率化されることで、電話対応時間の短縮や通信費の削減が期待できるため、コスト削減につながるでしょう。
データ分析の実現
通話データや顧客情報を収集・分析し、業務改善のヒントを得ることができます。電話応答にかかわるレポート作成なども可能です。オペレーター別やチーム別に応答時間や対応件数などを可視化できます。
CTI製品の選び方
CTIを導入する際は、以下のポイントを押さえて自社に合った製品を選定しましょう。
導入目的の明確化
まず、業務効率化や顧客満足度向上など、CTIを導入する目的を明確化しましょう。目的によって、CTIに求められる機能は異なります。たとえば、顧客満足度の向上を目的とする場合、IVRやCRM連携など、高品質な顧客対応の実現を支援する機能が不可欠です。
無料トライアルによる操作性の確認
電話対応業務において頻繁に利用するCTIは、操作性(ユーザビリティ)によって満足度が大きく変わってきます。導入前にデモやトライアルを通して、実際の使い勝手を確かめてみることをおすすめします。
無料トライアルが用意されているCTI製品であれば、操作性や機能を気軽に確認できるでしょう。
関連システムとの互換性
CTIは単体でも業務効率化を実現できますが、関連システムと連携させることで、導入効果がさらに高まります。
前述しましたが、CRMと連携すれば顧客管理と電話応答の一元化・効率化が可能です。また、Slackのようなコミュニケーションツールと連携し、受電があった際に通知を飛ばすような使い方もできます。
また、近年では、通話データをもとにWeb広告の効果測定を行うケースも増えています。例えば、Web広告別に電話問い合わせの有無や件数を追跡・数値化して効果測定に活用するといったことが行われています。
このように、CTIの導入目的を踏まえつつ、既存システムと連携できるCTI製品を選定することが重要です。
機能拡張性
近年では、AIをはじめとした技術革新が凄まじいスピードで進んでおり、CTI製品にもさまざまな付加機能が用意されるようになりました。
定期的に機能のアップデートや新規機能のリリースが行われているか、AIなどのさまざまなソリューションと連携可能かは押さえておくべきポイントといえるでしょう。
この記事では、CTIの概要やメリット、主な機能、導入時のポイントについて紹介しました。CTIに関する技術の進歩は早いため、最新の機能を備えた製品を選択することが重要です。
なお、CTI導入にかかるコストや運用開始までの時間に懸念を抱いている方には、低コストでスピーディに導入できるIVRの利用もおすすめです。まずは、IVRによる業務効率化や顧客対応の改善効果を体感してから、CTI導入を検討してみるのも一つの手段です。
IVRなら「IVRy」がおすすめ
「IVRy(アイブリー)」は、IVRを活用したクラウド型の電話自動応答サービスです。電話の着信時に自動音声ガイダンスが応答し、用件に応じて音声案内や転送を自動的に行います。

「IVRy」の導入により、簡単な問い合わせは自動回答できるため、電話対応件数を大幅に削減できます。さらに、迷惑電話対策や顧客管理機能、AIによる文字起こしなど、電話業務を便利にする機能が豊富にあり、月額2,980円~という低コストで利用可能です。CTIよりも手軽に、かつ安価で導入できるため、多くの企業におすすめの選択肢です。