ビジネスフォンの転送機能の使い方は?設定方法から料金まで徹底解説

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転送機能を効果的に活用するには、まず基本となるビジネスフォンの役割と、転送機能の重要性を理解することが不可欠です。ここでは、その基礎知識を解説します。

転送機能を効果的に活用するには、まず基本となるビジネスフォンの役割と、転送機能の重要性を理解することが不可欠です。ここでは、その基礎知識を解説します。

ビジネスフォンとは?

ビジネスフォンとは、家庭用電話機とは異なり、複数の外線と内線を共有・管理できる企業向けの電話システムです。

主装置と呼ばれる交換機を通じて、複数の社員が同時に外線通話を行ったり、社員同士で内線通話を行ったりできます。他にも、保留、転送、グループ着信、録音など、ビジネスに特化した便利な機能が多数搭載されています。

転送機能の重要性

リモートワークやハイブリッド勤務が普及した現代では、担当者がオフィスに不在のケースも珍しくありません。このような状況で電話に出られないと、機会損失だけでなく、顧客満足度の低下や企業イメージの悪化にも繋がりかねません。

転送機能は、場所を問わずに担当者へ電話をつなぎ、こうしたリスクを回避してビジネスの継続性を確保するために不可欠な機能です。

ビジネスフォンの転送機能は、大きく「内線転送」と「外線転送」の2種類に分けられます。それぞれの特徴を理解し、自社の運用に合ったものを選ぶことが重要です。

内線転送の特徴

内線転送とは、社内の電話機から別の電話機へ通話を取り次ぐ機能のことです。例えば、代表電話で受けた着信を、担当部署の内線番号へ転送するようなケースで利用されます。

オフィス内のコミュニケーションを円滑にし、担当者へ迅速に取り次げる点がメリットです。PBX(電話交換機)内の機能のため、基本的に追加の通話料金は発生しません。

外線転送の特徴

外線転送とは、会社の固定電話にかかってきた着信を、社外の電話番号(スマートフォンの番号など)へ転送する機能を指します。外出中やテレワーク中の担当者へ直接電話をつなげられるため、柔軟な働き方をサポートします。

外線転送を実現する方法は、主に以下の3つです。

  1. 通信キャリアの転送サービス(NTTのボイスワープなど)
  2. 主装置(社内に交換機を設置するタイプ)の機能
  3. クラウドPBX(インターネット上のPBXを利用するタイプ)の機能


特に3つ目のクラウドPBXは、転送時の通話料を大幅に削減できることから、近年多くの企業で導入が進んでいます。

社内での電話の取り次ぎをスムーズに行う内線転送は、日々の業務効率化に欠かせません。ここでは、その具体的な使い方と活用シーンを見ていきましょう。

内線転送の設定手順

内線転送の操作は非常にシンプルで、一般的なビジネスフォンでは以下の手順で完了します。

  1. 外線着信に応答する
  2. 「転送」ボタンまたは「保留」ボタンを押す
  3. 転送したい相手の「内線番号」をダイヤルする
  4. 受話器を置く(機種によっては、転送相手と通話してから取り次ぐことも可能)


機種によって操作が若干異なる場合があるため、詳細はご利用のビジネスフォンのマニュアルをご確認ください。

内線転送の活用シーン

内線転送は、主にオフィス内でのコミュニケーションを円滑にするために活用されます。

  • 担当者への取り次ぎ: 代表電話で受けた用件を、担当部署や担当者へ迅速に引き継ぐ。
  • 専門部署への連携: 技術的な質問をサポートデスクへ、契約に関する問い合わせを営業部へ、といったように専門部署へスムーズに連携する。


これにより、顧客を待たせることなく適切な担当者が一次対応できるため、顧客満足度の向上にも繋がります。

ビジネスチャンスを逃さないためには、オフィス外にいる担当者へいかにスムーズに電話をつなぐかが鍵となります。外線転送には多様な機能があるため、これらを組み合わせて最適な電話環境を構築しましょう。

外線転送の設定手順

外線転送の設定方法は、利用しているサービスによって異なります。

  • キャリアの転送サービス: 電話機から「142」などの特殊番号をダイヤルし、音声ガイダンスに従って設定します。
  • 主装置: 電話機のボタン操作や管理画面から設定しますが、専門的な知識が必要な場合もあります。
  • クラウドPBX: PCやスマートフォンのWeb管理画面から、いつでも簡単に設定変更が可能です。直感的な操作で、複雑な転送ルールも柔軟に構築できます。

外線転送の活用シーン

外線転送には、状況に応じて使い分けるべき様々な種類があります。

転送の種類

概要

最適な活用シーン

無条件転送

全ての着信を、オフィスを鳴らさず即座に転送する

・オフィスの無人化が確定している夜間や休日
・全社的なリモートワーク

無応答時転送

一定時間オフィスで応答がない場合に自動で転送する

・担当者が離席している可能性がある場合
・ハイブリッド勤務のオフィス

話中時転送

回線が通話中の着信を別の番号へ転送する

・電話が頻繁にかかってくる部署
・顧客を待たせたくないコールセンター

スケジュール転送

曜日や時間帯に応じて転送設定を自動でON/OFFする

・営業時間が決まっている企業
・時間外対応を自動化したい場合

これらの機能を活用することで、「平日の営業時間内はオフィスで着信させ、18時以降と土日は担当者のスマートフォンへ自動転送する」といった、きめ細やかな設定が実現できます。

転送機能は非常に便利ですが、その特性を理解せずに導入すると、思わぬデメリットに直面することもあります。ここでは、メリットとデメリットの両面を解説します。

転送機能のメリット

転送機能の最大のメリットは、機会損失の防止と顧客満足度の向上にあります。

  • 迅速な顧客対応: 外出中やテレワーク中でも、担当者が直接電話に出られるため、顧客を待たせません。
  • ビジネスチャンスの最大化: 「電話が繋がらない」という理由での取りこぼしを防ぎ、商談や問い合わせを確実にキャッチします。
  • 柔軟な働き方の実現: 従業員は場所に縛られずに電話業務を行えるため、生産性の向上に繋がります。

転送機能のデメリット

転送機能のデメリットは、主にコストと運用の手間です。

  • 高額な転送料金: 特にキャリアの転送サービスや主装置では、転送先への通話料が全て自社負担となり、利用頻度が高いと思わぬ高額請求に繋がるリスクがあります。
  • 設定・操作ミス: 「転送設定を解除し忘れてオフィスの電話が鳴らない」「操作を誤って電話を切ってしまう」といったヒューマンエラーが発生する可能性があります。
  • 特定社員への負担集中: 担当者の不在時に、常に同じ管理職の携帯電話へ転送されるなど、負担が偏ってしまうケースも少なくありません。


転送機能は、単に不在時の電話を受けるための守りの機能ではありません。積極的に活用することで、電話業務全体の効率化、すなわちデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進できます。

顧客対応の迅速化

IVR(自動音声応答)と転送機能を組み合わせることで、顧客対応の質を飛躍的に向上させられます。

例えば、「新規のお問い合わせは1番、製品サポートは2番」のように自動音声で案内し、顧客自身の操作で直接担当部署へ電話をつなぐことができます。これにより、受付担当者の取り次ぎ業務を削減し、顧客は待たされることなく最適な担当者と話すことが可能になります。

業務の柔軟性向上

クラウドPBXを活用すれば、従業員のスマートフォンをビジネスフォンの内線として利用できます。

これにより、オフィス、自宅、外出先など、どこにいても会社の代表番号で発着信したり、内線転送を行ったりすることが可能になります。物理的な場所に縛られない、真に柔軟な電話応対体制が実現するのです。

転送機能を導入する際には、いくつかの重要な注意点があります。特に通信費用と社内体制については、導入前にしっかりと検討しておく必要があります。

通信費用の管理

前述の通り、外線転送には転送料金(通話料)が発生します。特に注意が必要なのは、キャリアの転送サービスや主装置を利用する場合、転送時の通話料は高額になりがちな点です。

一方で、クラウドPBXでは、スマートフォンアプリへの転送は「内線」扱いとなるため、原則として通話料はかかりません。 このコスト構造の違いが、現在のビジネス環境でクラウドPBXが選ばれる最大の理由の一つです。

方式

初期費用

月額料金

転送料金

キャリア転送サービス

低い

低い

高い(従量課金)

主装置

非常に高い

中程度

高い(従量課金)

クラウドPBX

低い

中程度

原則無料(内線扱い)

社内の連携体制

転送機能をスムーズに運用するには、社内のルール作りと情報共有が不可欠です。

  • 転送ルールの明確化: 「誰が」「いつ」「どこへ」転送するのか、明確なルールを定めて全社で共有します。
  • 情報共有の徹底: 担当者の不在情報や連絡先を簡単に確認できる仕組みを整えましょう。
  • 操作マニュアルの整備: 誰でも簡単に操作できるよう、簡易的なマニュアルを作成し、電話機の近くに掲示することも有効です。


自社に最適な転送機能を選ぶには、機能、コスト、セキュリティの3つのポイントから総合的に判断することが重要です。

機能の充実度

基本的な転送機能に加えて、自社の業務をどれだけ効率化できるかという視点で機能を比較しましょう。

  • IVR(自動音声応答): 自動で着信を振り分けたいか。
  • 通話録音: クレーム対応やコンプライアンス強化のために必要か。
  • CRM連携: 顧客情報を連携させて、電話対応の質を向上させたいか。


これらの高度な機能は、特にクラウドPBXで標準搭載されていることが多いです。

コストパフォーマンス

初期費用だけでなく、月々の運用費を含めた総所有コスト(TCO)で比較検討することが重要です。

一見、月額料金が安く見えるキャリアの転送サービスも、転送料金を含めると高額になる可能性があります。自社の電話利用状況を分析し、最もコストパフォーマンスに優れた選択肢を見極めましょう。

セキュリティ面の考慮

特にクラウドPBXを導入する際は、ベンダーのセキュリティ対策を必ず確認しましょう。

  • 通信の暗号化: 通話内容が暗号化されているか。
  • アクセス制限: 特定のIPアドレスからのみ管理画面にアクセスできるか。
  • 認証の強化: 二要素認証など、セキュリティを強化する機能があるか。


信頼できるベンダーを選定することが、安全な電話環境を構築する上で最も重要です。

ここまで、ビジネスフォンの転送機能について、その種類から選び方、注意点までを網羅的に解説しました。最後に、本記事の要点をまとめます。

転送機能の活用法

ビジネスフォンの転送機能を最大限に活用する鍵は、自社の働き方や業務フローに合わせて、最適な機能を選択・組み合わせることです。

  • オフィス不在時の対応: 「無応答時転送」や「スケジュール転送」で機会損失を防ぐ。
  • コスト削減: 転送の頻度が高い場合は、転送料が原則無料のクラウドPBXを最優先で検討する。
  • 業務効率化: IVRやスマートフォン連携などの高度な機能を活用し、電話業務全体のDXを推進する。

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アイブリー第2編集部

(株式会社IVRy / アイブリー第2編集部)

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