ビジネ スフォンのリース契約を解説!料金相場と費用削減のコツも

オフィスの開設や移転に伴い、ビジネスフォンの導入は不可欠といえるでしょう。ここでは、その選択肢の一つである「リース」の基本的な仕組みと契約の流れについて解説します。
電話機リースとは何か?
ビジネスフォンのリースとは、リース会社がユーザーに代わって電話機や主装置/PBXといった設備を販売店から購入し、ユーザーは月々定額の料金を支払ってその設備を借りる 契約形態を指します。
この取引は、ユーザー、販売店、リース会社の三者間で成り立っており、ユーザーは好きなメーカーや機種を選べる手軽さがありますが、実態は金融取引に近い契約であり、レンタルとは根本的に異なります。所有権はリース会社にあるため、契約期間中に自由な売却や廃棄はできません。
リース契約の流れと仕組み
ビジネスフォンリースの契約は、一般的に以下のステップで進行します。
- 相談・見積取得 : 販売店と必要な機器構成を相談し、見積もりを取得する。
- 与信審査 : リース会社に申し込み、財務状況などの審査を受ける。
- 契約締結 : 審査通過後、ユーザーとリース会社間で正式なリース契約を結ぶ。
- 設置・リース開始 : 販売店が機器を設置し、ユーザーが検収(物件借受証の発行)を完了した時点でリースが開始され、料金の支払いが始まる。
- 契約期間満了 : 契約期間(通常5~7年)が終了すると、「再リース(契約延長)」「物件の返却」「買取り」のいずれかを選択する。
リースの料金はどのように決まるのでしょうか。ここでは、料金の内訳と市場の相場、そして初期費用と月額料金の関係について掘り下げていきます。
リース料金の内訳と相場
月額リース料金は、主に「取得物件価格総額 × リース料率」 で算出されます。
取得物件価格総額 には、電話機や主装置の本体代金だけでなく、設置工事費も含まれます。一方、リース料率 は契約期間に応じて変動し、金利や保険料、リース会社の利益などが含まれた包括的な手数料であり、単純な金利とは異なる点に注意が必要です。
契約期間 | リース料率の目安 |
|---|---|
5年 | 約2.0% |
6年 | 約1.7% |
7年 | 約1.5% |
これらの料率はあくまで一般的な目安であり、実際の契約では審査結果やリース会社によって変動します。例えば、取得物件価格総額が50万円の場合、5年リースなら月額10,000円、7年リースなら月額7,500円が料金の目安です。期間が長いほど月額は安くなりますが、総支払額は増える傾向にあります。
初期費用と月額料金の違い
リース契約の大きな特徴は、導入時にかかる費用(初期費用)を分割し、月々の支払いに含める 点にあります。これにより、まとまった資金がなくても高額なビジネスフォンシステムを導入できるのです。
ただし、月額料金には機器代金だけでなく金利や手数料が含まれているため、現金一括購入に比べて総支払額は必ず割高になります。
また、リース契約には通常、故障時の修理を保証する「保守契約」が含まれていません。これは別途契約が必要な「隠れたコスト」であり、月々の支払いとは別に数千円程度の保守料金が発生するのが一般的です。
リース契約が多くの企業で選ばれるのには、いくつかの明確な理由があります。ここでは、初期投資、会計処理、技術導入の3つの観点からメリットを解説します。
初期投資を抑えられる
リース最大のメリットは、高額なビジネスフォンシステムを導入する際に、まとまった購入資金を用意する必要がない 点です。
通常、購入すれば数十万円から数百万円かかる設備を、月々数千円からの支払いで利用開始できます。これにより、手元の資金を運転資金や他の成長分野へ投資することが可能になり、キャッシュフローの安定化に繋がります。
最新機種を常に使用できる
リースを利用すれば、購入するには高額な最新・高性能のビジネスフォンを導入しやすくなります。
技術の進歩は速く、数年で機能が陳腐化することもありますが、リースなら契約満了時に新しい機種へスムーズに切り替えることが可能です。常に業務効率の高い環境を維持できるだけでなく、新品の設備は従業員のモチベーション向上にも繋がるでしょう。
経費計上のメリット
会計処理がシンプルになる点も、リース契約の大きな利点です。
月々のリース料は全額を経費(通信費など)として計上できる ため、固定資産として計上し、毎年の減価償却計算を行う必要がありません。固定資産税の申告・納付といった煩雑な事務作業からも解放され、管理業務の負担を大幅に削減できます。
リース契約にはメリットがある一方で、契約の硬直性やコスト面でのデメリットも存在します。契約後に後悔しないよう、これらのリスクを正確に理解しておくことが重要です。
途中解約の難しさ
リース契約における最大のリスクは、契約期間中の途中解約が原則として認められていない 点にあります。
これは、リース契約が単なるレンタルではなく金融取引の性質を持つためです。事業の縮小やオフィスの閉鎖といった自己都合でシステムが不要になった場合でも、残りの期間のリース料総額を一括で支払う義務(違約金)が生じます。事業者間取引であるため、クーリング・オフ制度も適用されません。
総支払額が高くなる可能性
初期費用がかからない手軽さの裏返し として、リース料の総支払額は、現金一括で購入するよりも必ず割高になります。
リース料金には、物件の本体価格に加えてリース会社の利益、金利、固定資産税、保険料などが上乗せされています。長期的な視点で見ると、より多くのコストを支払うことになる点は理解しておく必要があります。
契約満了後の機器返却
リース期間が満了しても、その機器の所有権はユーザーに移転しません。
満了後は、追加料金を支払って「再リース」するか、機器をリース会社に「返却」するのが基本です。返却する場合、撤去工事費や送料はユーザー負担となることが多く、最後までコストが発生する可能性があります。自社の資産にならないため、機器を売却して資金を回収することもできません。
リース料金を少しでも安く抑えるためには、いくつかのポイントがあります。契約前にこれらの点を意識することで、無駄なコストを削減し、より有利な条件を引き出すことが可能です。
必要な機能と台数を見極める
リース料金の基本は「物件価格」です。自社の業務に本当に必要な機能と、従業員数に見合った電話機の台数を正確に見積もる ことが、コストを抑える第一歩となります。
多機能な上位機種や、「将来使うかもしれない」という理由での過剰な台数設定は、そのまま月々のリース料金に跳ね返ってきます。見栄を張らず、実用的な範囲でシステムを構成することが賢明です。
相見積もりを活用する
同じ機器構成であっても、リース料率や工事費は販売店によって異なります。 そのため、必ず複数の販売店から見積もり(相見積もり)を取得しましょう。
価格だけでなく、サービス内容や後述する保守契約の範囲もしっかりと比較検討することが重要です。他社の見積もりを提示すれば、価格交渉の材料として活用できる場合もあります。
電話回線とセットで申し込む
一部の販売店では、電話回線の契約とビジネスフォンのリースをセットで申し込むと、割引が適用される 場合があります。
窓口が一本化されることで管理が楽になるというメリットもありますが、必ずしもトータルコストが安くなるとは限りません。不要なオプションが付いていないか、セットにすることで逆に割高になっていないかなど、契約内容は慎重に確認しましょう。
リース契約は、一度結ぶと数年間にわたって自社を法的に拘束する重要な契約です。特に事業者間取引特有の注意点を理解し、トラブルを未然に防ぎましょう。
契約内容をしっかり確認する
契約書にサインする前に、細部まで目を通し、不明な点は必ず確認してください。特に以下の点は重要です。
- 総支払額 : 「月額料金 × 支払回数」で、最終的にいくら支払うことになるのかを正確に把握する。
- 中途解約条項 : 解約が原則不可であることと、万が一解約する場合の違約金の規定を確認する。
- リース満了後の扱い : 再リース料金や、返却時の費用負担について明記されているか確認する。
「今の電話機は使えなくなる」「今だけ安くする」といったセールストークを鵜呑みにせず、冷静に判断することが不可欠です。
故障時の対応とサポート
リース契約と保守契約は全くの別物 です。リース会社は機器の所有者であるだけで、故障時の修理義務は負いません。
ビジネスの生命線である電話が止まるリスクを避けるため、販売店との間で別途「保守契約」を結ぶことが事実上必須 といえます。この保守料金(月額数千円〜)はリース料金とは別にかかるため、総コストを計算する際には必ず含めるようにしてください。保守の対応範囲や時間なども、事前に書面で確認しておきましょう。
ビジネスフォンの導入方法はリースだけではありません。購入やレンタルといった他の選択肢と比較することで、自社にとって最適な方法が見えてきます。
購入との比較
現金一括購入は、長期的に見た総支払額が最も安くなる 方法です。機器の所有権も自社にあるため、売却や処分も自由です。
一方で、導入時に多額の初期投資が必要になる点や、固定資産としての管理(減価償却など)、故障時の修理費用をすべて自己負担しなければならない点がデメリットとなります。
レンタルとの違い
レンタルは、日、週、月単位といった短期間の利用を目的としたサービス です。
リースと異なり中途解約が自由で、保守義務もレンタル会社側にありますが、長期間利用した場合の料金はリースよりも割高に設定されています。また、レンタル会社が保有する中古品の中から選ぶのが一般的で、最新機種を選べないことが多い点も違いです。
比較項目 | リース | 購入 | レンタル |
|---|---|---|---|
契約期間 | 長期(5〜7年) | なし | 短期(日・月単位) |
初期費用 | 低い | 高い | 低い |
総支払額 | 割高 | 最も安い | 高い |
所有権 | リース会社 | 自社 | レンタル会社 |
中途解約 | 原則不可 | 可能 | 可能 |
保守義務 | ユーザー | ユーザー | レンタル会社 |
機器の状態 | 新品 | 新品 | 中古が多い |
ここまで見てきた内容を踏まえ、電話機リースを検討する際の最終的なチェックポイントをまとめます。自社の状況と照らし合わせ、後悔のない選択をしてください。
信頼できるリース会社の選定
リース契約では、長く付き合うことになる販売店の選定が極めて重要です。複数の業者から見積もりを取る際には、価格だけでなく、担当者の知識や対応の誠実さも見極めましょう。
- 実績の確認 : 自社と同じような業種や規模の会社への導入実績が豊富か確認する。
- 説明の明確さ : メリットだけでなく、デメリットやリスクについても隠さず説明してくれるか。
- アフターサポート : 契約後の保守体制や、トラブル時の対応窓口が明確になっているか。
契約条件の確認
最終的には、すべてが契約書に記載された内容に基づきます。口約束はあてにせず、必ず書面で内容を確認しましょう。
- コストの総額 : 月額料金だけでなく、保守費用や満了時の費用も含めたトータルのコストで比較する。
- 契約期間の妥当性 : 事業計画に照らし合わせ、5〜7年という長期間の契約が本当に適切か検討する。
- 柔軟性の欠如 : 契約期間中は、事業内容や働き方が変わってもシステムを簡単には変更できないリスクを許容できるか。
リース契約のトラブル事例と回避策
リース契約は長期にわたるため、予期せぬトラブルが発生することもあります。ここでは、代表的なトラブル事例とその回避策を紹介します。
- トラブル例1:事業縮小で電話が不要になったが、途中解約できず残りのリース料を一括請求された。
- 回避策: 契約前に、リース契約は原則として途中解約が不可能 であり、違約金(リース料残額の一括支払い)が発生することを理解してください。自社の事業計画に照らし、5〜7年という長期間の契約が妥当か慎重に検討することが重要です。
- トラブル例2:電話機が故障したが、リース会社は対応してくれず、修理に別途高額な費用がかかった。
- 回避策: リース契約に保守義務は含まれない ことを認識し、必ず別途「保守契約」を販売店と結びましょう。保守の範囲(平日のみか24時間365日か)、対応速度、料金を書面で明確にし、リース料と合算した総コストで比較検討する必要があります。
- トラブル例3:「今の電話機は使えなくなる」と営業され、不要な高機能機種を契約してしまった。
- 回避策: 営業トークを鵜呑みにせず、自社の業務に本当に必要な機能・台数を見極めることが肝心です。複数の業者から相見積もりを取り、客観的な視点で比較検討しましょう。
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資料をダウンロードするビジネスフォンリースに関するよくある質問
ここでは、ビジネスフォンのリースを検討する際によく寄せられる質問にお答えします。
リース料金はなぜ高い?
リース料金の総額が購入価格を上回る理由は、月額料金に以下の費用が含まれているためです。
- 物件本体価格・工事費
- 金利
- 固定資産税
- 保険料
- リース会社の利益
これらの費用が分割して支払われるため、金融取引の側面を持ち、現金一括購入に比べて総支払額は必ず割高になります。
リースと購入どちらが得?
どちらが得かは、企業の財務状況やIT資産の管理方針によって異なります。
- リースがおすすめな企業:
- 初期投資を極力抑え、手元の現金を事業運転資金に回したい。
- 常に最新・高機能な機種を使用し、業務効率を維持したい。
- 減価償却などの固定資産管理の手間を省きたい。
- 購入がおすすめな企業:
- 長期的な視点で総支払額を最も安く抑えたい。
- 自己資産として電話設備を保有したい。
初期投資を抑えたい場合はリース、長期的な総コストを重視するなら購入 が基本的な考え方です。
契約満了後に機器は買い取れる?
リース会社によっては「買取り」の選択肢が用意されている場合もありますが、一般的ではありません。基本は「再リース(契約延長)」か「物件の返却」 のいずれかを選択します。
買取りを希望する場合は、契約前に可能かどうか、またその際の価格算定方法を必ず確認しておきましょう。
今日のビジネス環境の変化は非常に速く、ハイブリッドワークの普及など、数年前には考えられなかった働き方が当たり前になっています。物理的な場所に縛られる従来のビジネスフォンリースは、こうした変化に対応しづらい という側面も持ち合わせているのです。
より柔軟な電話環境を求めるなら、インターネット回線を利用する「クラウドPBX」といった新しい選択肢も視野に入れて検討する ことをお勧めします。
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