小規模オフィスにおすすめのビジネスフォンは?選び方や選択肢を解説

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 小規模オフィスにビジネスフォンを導入する際は、いくつかのポイントを押さえて選ぶことが重要です。従来のオンプレミス型ビジネスフォン以外にも、IP電話やクラウドPBXなどの選択肢があり、機能や導入コストが異なります。自社の規模に適したビジネスフォンを選択することが重要です。 そこで本記事では、小規模オフィスにおけるビジネスフォンの選び方や、近年主流となっているクラウドPBXについて解説します。

小規模オフィスにビジネスフォンを導入する際は、いくつかのポイントを押さえて選ぶことが重要です。従来のオンプレミス型ビジネスフォン以外にも、IP電話やクラウドPBXなどの選択肢があり、機能や導入コストが異なります。自社の規模に適したビジネスフォンを選択することが重要です。

そこで本記事では、小規模オフィスにおけるビジネスフォンの選び方や、近年主流となっているクラウドPBXについて解説します。

小規模オフィスにおけるビジネスフォンの選び方

はじめに、小規模オフィスにおけるビジネスフォンの選び方を解説します。

利用目的を明確にする

一言でビジネスフォンといっても、アウトバウンド特化、コールセンター特化など、さまざまなタイプのサービスがあります。そのため、まずは自社での利用目的を明確にすることが重要です。

必要なチャネル数を明確にする

ビジネスフォンを選ぶ上でまず重要になるのが、「チャネル数」を明確にすることです。チャネル数とは「同時に通話できる数」を指します。

チャネル数が自社の規模や業務内容に対して少なすぎると、顧客からの電話が「話し中」でつながらず、ビジネスチャンスを逃す原因になりかねません。逆に多すぎても、不要なチャネル料金が発生してしまいます。

一般的な目安として、チャネル数は「従業員数の3分の1程度」と言われています。例えば、従業員が6名以下であれば2チャネル程度が適切です。ただし、これはあくまで目安です。コールセンター業務が中心であったり、電話での問い合わせが頻繁だったりする場合にはより多くのチャネル数が必要になりますし、逆に電話利用が少ない場合は目安より少なくても問題ありません。

必要な機能を定義する

ビジネスフォンには、主に以下の機能があります。

  • 内線通話
  • ボイスメール機能
  • 転送機能
  • IVR(自動音声応答)
  • 通話録音 など

前述の利用目的を踏まえて、自社に必要な機能が備わっているかどうかを確認しましょう。

回線の種類を選ぶ

回線の種類は主に「従来の電話回線」と「インターネット回線」の2つです。

従来の電話回線を利用する場合、一般的には施設設置負担金がかかります。一方でインターネット回線は、電話回線と比較すると安価です。ただし、緊急通報など利用できないサービスもあるため注意しましょう。

コスト感を把握する

ビジネスフォンを選ぶ際は、イニシャルコストだけではなく月々のランニングコストも把握したうえで、予算に合うサービスを選択しましょう。

ビジネスフォンに関する主なコストは以下のとおりです。

コスト種類

項目

ビジネスフォン(オンプレミス型PBX)

ビジネスフォン(クラウドPBX)

IP電話

初期コスト

ハードウェア費用
(サーバー設備)

数十万~数百万円程度

不要

不要

配線工事・設置費用

数万円〜程度

不要

不要

初期設定費用

数万円〜程度

0円〜数万円程度

数万円〜程度

ランニングコスト

保守・メンテナンス費

自社にて対応

または

アウトソース

不要

(ベンダーにて実施)

不要

(ベンダーにて実施)

月額利用料

数千円〜程度

数千円〜程度

通話(通信)料

従量課金

月額料金内で固定 または従量課金

月額料金内で固定または従量課金

上表からもわかるとおり、オンプレミス型のビジネスフォンは、初期コストが大きいうえ、保守・メンテナンスが必要なことから、小規模オフィスには向きません。

スケーラビリティを考慮する

現在は小規模なオフィスであっても、近い将来に拡大を予定している場合は、スケーラビリティ(拡張性)もチェックしておくべきです。

オンプレミス型ビジネスフォンの場合、交換機の性能によって接続できる端末数や回線数が変わります。端末数や回線数を増やす場合は、交換機自体を増設するか拡張性が高いものに変更しなければならないため、追加工事が必要です。

一方で、クラウドPBXやIP電話の場合は、基本的にはライセンスの取得(購入)のみでユーザー数を増やせるため、手間がかかりません。また、社員数が減少した場合も、ライセンスを削除するだけで柔軟に対応できます。今後の経営の見通しを踏まえて判断すれば、無駄なコストを削減できるでしょう。

セキュリティを確認する

オンプレミス型のビジネスフォン(PBX)は、電話回線を利用するため、外部からの攻撃に強い点が特徴です。一方で、内部の不正利用や盗聴などには、十分に注意しなければなりません。

クラウドPBXやIP電話は、インターネット回線を利用するため、サイバー攻撃などのセキュリティリスクが存在します。ただし、必ずしも危険なわけではなく、信頼できるベンダーであれば適切なセキュリティ対策を実施しているため、安心して利用できます。

自社の電話設備に求められるセキュリティレベルを整理し、基準を満たすサービスを導入しましょう。

サポート体制を確認する

トラブル時のサポート体制や受けられるサービスの確認も必要です。

小規模オフィスの場合、IT部門などの体制が整っていないケースも多くあります。問題発生時に手厚いフォローを期待する場合は、充実したサポートを提供するベンダーを選択しましょう。

【比較表】ビジネスフォンの選択肢

オンプレミス型PBX、クラウドPBX、IP電話の違いをまとめました。

項目

ビジネスフォン(オンプレミス型PBX)

ビジネスフォン(クラウドPBX)

IP電話

初期費用

高い(数十万〜数百万円以上)

・PBXサーバー購入費

・設置工事費

・電話端末費用など

低い(0〜数万円程度)
・初期費用不要のサービスの場合は電話端末費用のみ(既存の端末を使う場合は不要)

低い(数万円〜程度)
・電話端末費用のみ(既存の端末を使うのであれば不要)

月額利用料

不要

月額数千円〜程度

月額数千円〜程度

通話料

距離や時間による従量課金

※遠距離や国際通話は高額になりがち

安価

※月額利用料に通話料が含まれるサービスもある

安価

※IP電話同士は無料が多い

運用・保守業務の負担

大きい

・サーバーやソフトウェアの維持管理労力が高い

不要

・ベンダーにて実施

不要

・ベンダーにて実施

スケーラビリティ

低い

・物理的な設備の追加が必要

高い

・ライセンスやオプション追加で数台〜数千台規模以上まで可能

比較的高い

・オプション追加などで可能

セキュリティ

高い

・専用回線を利用するため堅牢性が高い

高い

・ベンダー側にてセキュリティ対策を実施

高い

・ベンダー側にてセキュリティ対策を実施

小規模事業者向けビジネスフォン(ホームテレホン)

ホームテレホンは、ビジネスフォンと家庭用電話機の中間に位置づけられる電話機です。大規模オフィス向けビジネスフォンのように主装置(PBX)を設置する必要がない機種もあり、導入コストを抑えられます。

最大2チャネル(同時2通話)まで対応可能で、小規模オフィスや店舗兼住宅での利用に適しています。ビジネスフォンほどの多機能性はありませんが、内線通話や転送機能など、業務に必要な最低限の機能は備わっています。

ただし、将来的に3人以上が同時に通話する可能性がある場合は、より拡張性の高いクラウドPBXなどを検討しましょう。

2025年7月現在、NTT東日本では小規模オフィス向けのホームテレホンとして「αZXⅡ Home」「αZX Home」がリリースされています。

クラウドPBX

クラウドPBXは、従来オフィス内に設置していたPBX(構内交換機)をクラウド上に構築し、インターネット経由で電話機能を利用するサービスです。物理的な機器の設置が不要なため、初期費用を大幅に抑えることができます。

従業員のスマートフォンを内線端末として利用できるため、場所を選ばずに会社の番号で発着信が可能です。また、IVR(自動音声応答)や通話録音、CTI連携など豊富な機能を備えており、電話業務の効率化に大きく貢献するでしょう。

月額料金はかかりますが、スケーラビリティ(拡張性)が高く、事業規模の拡大・縮小にも柔軟に対応できるのが大きなメリットです。

クラウドPBXのメリット・デメリットについて、詳しくは「クラウドPBXとは(電話交換機)?メリットやデメリット、料金をまとめ!」をご覧ください。

IP電話

IP電話は、インターネットプロトコル(IP)技術を利用して音声データを送受信する電話サービスです。インターネット回線を使用するため、従来の電話回線に比べて通話料が安価なのが特徴です。

IP電話には、050から始まる電話番号が付与されるタイプや、既存の固定電話番号をそのまま利用できるタイプなどがあります。

クラウドPBXと同様に物理的な配線工事が不要で手軽に導入できますが、サービスによっては緊急通報(110番、119番など)を利用できない場合があるため、契約前に確認が必要です。

IP電話のメリット・デメリットについて、詳しくは「IP電話とは?固定電話との違いやメリットとデメリットも簡単に説明!」をご覧ください。

小規模オフィスにはクラウドPBXがおすすめ

小規模オフィスに電話システムを導入するなら、クラウドPBXがおすすめです。

クラウドPBXは初期費用とランニングコストが低く、安価で導入・運用が可能です。

また、スケーラビリティが高いため、企業規模に応じて利用人数を容易に追加・削減できます。さらに、メンテナンスはプロバイダー側で実施され、安全な環境で利用できる点も魅力です。

クラウドPBXではIVR機能やCTI連携など、さまざまな機能を利用できるため、業務効率化も推進できます。クラウドPBXの主な機能は以下のとおりです。

機能

概要

内線通話

外線を使わず、社内の電話と通話する機能。

転送機能

受けた通話(外線/内線)を、ほかの内線や指定した外線に転送する機能。設定に基づき、自動で転送も可能。

保留機能

受けた通話を保留(待ち状態)にする機能。

IVR(自動音声応答)

発信者が選択肢に従ってキー操作を行い、選択された操作に沿って担当者へ自動接続する機能。

発信者番号表示機能

発信者の電話番号をディスプレイに表示する機能。

留守番機能

不在の場合に自動応答し、メッセージを録音する機能。

CTI連携

電話・FAXとコンピュータシステムを統合する機能。CTI以外にもさまざまなシステムとの連携が可能。

詳しくは、以下の記事で解説しています。ぜひご覧下さい。


参考:PBXの機能一覧!導入方法や選び方を解説

本記事では、小規模事業者向けにビジネスフォンの選び方を解説しました。ビジネスフォンを導入する際は、機能やコスト、スケーラビリティなど、さまざまな観点から比較検討することが重要です。小規模オフィスで、コストを抑えて手軽に電話環境を構築したい場合は、クラウドPBXの導入を検討するとよいでしょう。

クラウドPBXの導入を検討中なら「IVRy」がおすすめ

IVRy(アイブリー)」は、IVRを活用したクラウド型の電話自動応答サービスです。電話の着信時に自動音声ガイダンスが応答し、用件に応じて音声案内や転送を自動的に行います。日本語、英語、中国語、韓国語に対応しているため、海外拠点での利用にもおすすめです。

「IVRy」の導入により、簡単な問い合わせは自動回答できるため、電話対応件数を大幅に削減できます。さらに、迷惑電話対策や顧客管理機能、AIによる文字起こしなど、電話業務を便利にする機能が豊富にあり、月額2,980円~という低コストで利用可能。

クラウドPBXよりも手軽に導入できるため、海外に拠点を持つ企業におすすめの選択肢です。

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アイブリー編集部

(株式会社IVRy / アイブリー編集部)

アイブリー編集部です。電話に関する様々な情報をわかりやすく解説します。 【アイブリーとは?】 アイブリーは1日100円から利用できる電話自動応答サービス(IVRシステム)です。自由な分岐設定と自動応答・SMS返信・電話の転送(リダイレクト)・録音機能を活用し、営業電話・顧客からの問い合わせ・注文・予約等の様々なシーンを自動化します。また、営業時間内と営業時間外でルールを変えることや、電話履歴の確認や顧客登録機能等、多数の便利な機能が存在しています。

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