コールセンターの電話機の仕組みとは?基本システムや主要機能を徹底解説

コールセンターの電話は、PBX・CTI・CRMといった基本システムが連携する仕組みで成り立っています。
本記事では、クラウド型とオンプレミス型の違い、業務を効率化する7つの主要機能、失敗しないシステムの選び方までを網羅的に解説します。
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資料をダウンロードコールセンターの電話システムを支える基本の仕組み
コールセンターの電話システムは、単一の機器で成り立っているわけではありません。複数のシステムが連携し、一つの大きな仕組みとして機能しています。その中でも運営の根幹をなすのが、「PBX」「CTI」「CRM」という3つの基本システムです。これらの役割と関係性を理解することが、最適なコールセンター構築への第一歩となります。
電話回線を制御する「PBX(電話交換機)」
PBX(Private Branch Exchange)は「構内交換機」とも呼ばれ、コールセンターの電話網における心臓部です。
社内に設置された複数の電話機からの外線発信や内線通話を一元的に制御し、限られた電話回線を多くのオペレーターで効率的に共有する役割を担います。PBXがなければオペレーターの数だけ外線契約が必要になり、コストが膨れ上がってしまいます。
近年では物理的な機器を社内に設置する従来型の「オンプレミス型PBX」に加え、インターネット経由で機能を利用する「クラウド型PBX」が主流になりつつあります。
電話とPCを連携させる「CTIシステム」
CTI(Computer Telephony Integration)は、電話とコンピューターを統合するシステムです。PBXが電話網の「心臓部」なら、CTIはシステム全体に知能を与える「頭脳」と言えるでしょう。
CTIの代表的な機能が、着信時に顧客情報をPC画面へ自動表示する「ポップアップ機能」です。これによりオペレーターは、顧客が誰で過去にどんなやり取りがあったかを瞬時に把握でき、スムーズで質の高い応対が可能になります。
他にも、PC画面上の電話番号クリックで発信するなど、オペレーターの業務を大幅に効率化する機能を備えています。
顧客情報を管理する「CRMシステム」
CRM(Customer Relationship Management)は、顧客の連絡先、購入履歴、過去の問い合わせ内容といった情報を一元管理するシステムで、日本語では「顧客関係管理」と訳されます。
このCRMに蓄積された顧客情報とCTIシステムが連携することで、コールセンターの応対品質は飛躍的に向上します。CTIのポップアップ機能で表示されるのは、まさしくこのCRMが管理している顧客情報なのです。
PBX、CTI、CRMはそれぞれ独立したシステムですが、これらが三位一体で連携することで、初めて効率的で質の高いコールセンターの仕組みが実現します。
【比較】クラウド型?オンプレミス型?システムの仕組みと違い
コールセンターの基本システムを理解した上で次に検討すべき最も重要な選択が、PBXを「クラウド型」と「オンプレミス型」のどちらで構築するかです。この選択はコスト、導入スピード、セキュリティなど、コールセンター運営のあらゆる側面に影響を与えます。
それぞれの仕組みとメリット・デメリットを、5つの重要な観点から比較検討してみましょう。
項目 | クラウド型PBX | オンプレミス型PBX |
---|---|---|
導入コスト | 低い(無料〜数十万円) | 高い(数百万円〜) |
導入スピード | 速い(数日〜1週間程度) | 遅い(数週間〜数ヶ月) |
拡張性 | 高い(ライセンス追加で容易に変更可) | 低い(機器の増設や設定変更が必要) |
セキュリティ | ベンダーのレベルに依存 | 自社で自由に構築・管理可能 |
カスタマイズ性 | 限定的 | 非常に高い |
オンプレミス型PBXの仕組みとメリット・デメリット
オンプレミス型は、PBXサーバーや関連機器をすべて自社内に物理的に購入・設置して運用する、従来型のモデルです。
最大のメリットは、自社のセキュリティポリシーに合わせて自由にシステムを構築できる、高いカスタマイズ性とセキュリティにあります。外部ネットワークから切り離された閉域網での運用も可能で、機密情報を厳格に管理したい場合に適しています。
一方のデメリットは、高額な初期費用と自社での運用・保守の手間がかかる点です。機器の購入や設置工事で数百万円以上の初期投資が必要になるほか、システムの維持管理を行う専門知識を持った人材も確保しなければなりません。
クラウド型PBXの仕組みとメリット・デメリット
クラウド型は、自社で機器を保有せず、サービス提供事業者が管理するPBX機能をインターネット経由で利用するモデルです。
最大のメリットは、初期費用を抑えて迅速に導入できる点にあります。物理的な工事が不要なため最短数日で利用を開始でき、オペレーターの増減にもライセンス数の変更だけで柔軟に対応できます。
デメリットとしては、インターネット回線の品質に依存することと、カスタマイズ性に制限がある点が挙げられます。また長期間利用した場合、月額料金の総額がオンプレミス型の総コストを上回る可能性も考慮する必要があるでしょう。
コールセンターの業務を効率化する7つの主要機能
コールセンターシステムには、日々の業務を効率化し顧客満足度を向上させるための便利な機能が、数多く搭載されています。ここではシステムのタイプを問わず、現代のコールセンターに不可欠と言える7つの主要機能をご紹介します。
ACD(着信呼自動分配)機能
ACD(Automatic Call Distribution)は、かかってきた電話をあらかじめ設定したルールに基づき、最適なオペレーターへ自動で振り分ける機能です。
「待機時間が最も長いオペレーターに繋ぐ」「問い合わせ内容に応じて専門スキルを持つオペレーターに繋ぐ」といったルールを設定することで、顧客の待ち時間短縮やたらい回しの防止に繋がります。
IVR(自動音声応答)機能
IVR(Interactive Voice Response)は、「〇〇に関するお問い合わせは1番を」といった音声ガイダンスを流し、顧客のダイヤル操作に応じて適切な窓口に振り分けたり、定型的な問い合わせに自動応答したりする機能です。
24時間365日の一次対応が可能となり、オペレーターの業務負担を大幅に軽減します。
通話録音機能
オペレーターと顧客の会話をすべて録音する機能です。
録音データはオペレーターの応対品質の評価や研修に活用できるほか、顧客との間で「言った・言わない」のトラブルが発生した際の証拠としても役立ちます。コンプライアンス遵守の観点からも、今や必須の機能と言えるでしょう。
レポーティング機能
着信数、応答率、平均処理時間(AHT)、一次解決率(FCR)といった、コールセンターの運営状況に関する様々なデータを収集・分析し、可視化する機能です。
これらの客観的なデータに基づいて課題を発見し、改善策を立案・実行することで、コールセンター全体のパフォーマンスを継続的に向上させることができます。
ポップアップ機能
CTIシステムの代表的な機能で、着信と同時に発信者番号に紐づく顧客情報を、オペレーターのPC画面に自動で表示します。
オペレーターは顧客の名前や過去の対応履歴を瞬時に把握できるため、一人ひとりに合わせたスムーズな応対が可能になり、顧客満足度の向上に直結します。
オートコール機能(アウトバウンド向け)
あらかじめ作成したリストに基づき、システムが自動で架電を行う機能です。
テレアポや市場調査といったアウトバウンド業務において、オペレーターが一件ずつ手動でダイヤルする手間を省き、架電効率を飛躍的に向上させます。
CRM/SFA連携機能
CTIシステムとCRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)を連携させる機能です。
電話対応と顧客情報管理がシームレスに繋がることで、問い合わせ内容や商談の進捗状況をリアルタイムで共有でき、部署間の連携が強化されます。
失敗しないコールセンターシステムの選び方3ステップ
自社の目的や規模に合わないシステムを選んでしまうと、「コストばかりかかって業務が改善されない」といった事態に陥りかねません。そうした失敗を避け最適なシステムを導入するための、具体的な3つのステップを解説します。
ステップ1:現状の課題と導入目的を明確にする
まず最初に、「なぜコールセンターシステムを導入するのか」という目的を明確にすることが最も重要です。
「あふれ呼(応答できず切れてしまう電話)が多く機会損失が発生している」「オペレーターの応対品質にばらつきがある」「電話対応のコストを削減したい」など、現状の課題を具体的に洗い出しましょう。この目的が、後の機能選定やシステムタイプを判断する上での重要な基準となります。
ステップ2:必要な機能とシステムのタイプを絞り込む
目的が明確になったら、それを達成するために必要な機能を洗い出します。例えば「機会損失の削減」が目的ならIVR(自動音声応答)やACD(着信呼自動分配)が、「応対品質の向上」が目的なら通話録音やレポーティング機能が必須となるでしょう。
必要な機能が定義できたら、オンプレミス型かクラウド型か、システムのタイプを検討します。初期費用を抑えたい、あるいは在宅勤務を導入したい場合はクラウド型が、独自のシステムと連携させたい場合はオンプレミス型が有力な候補となります。
ステップ3:複数のサービスを比較し、費用対効果を検証する
システムのタイプと必要な機能が絞り込めたら、複数のベンダーから見積もりを取り、比較検討します。
ここで注意すべきは、単に初期費用や月額料金の安さだけで判断しないことです。将来的なオペレーター数の増減に対応できるか(拡張性)、トラブル時に迅速なサポートを受けられるか、といった点も重要な比較ポイントになります。無料トライアルがあれば積極的に活用し実際の操作性を確かめることも、失敗を避けるための鍵となります。
コールセンターの未来:AI活用と最新トレンド
コールセンターの仕組みはAI技術の進化によって今、大きな変革期を迎えています。これからのシステム選びでは将来の拡張性を見据え、こうした最新トレンドを理解しておくことも重要です。AIがコールセンター業務をどのように変えていくのか、その可能性をご紹介します。
AI-IVRによる高度な自動応答
従来のIVRは、プッシュボタン操作による画一的なシナリオ分岐が基本でした。しかしAIを搭載した「AI-IVR」や「ボイスボット」は、顧客が話す自然な言葉をAIが認識・解析し、より複雑な問い合わせにも自動で対応できます。
これにより自動化できる領域が大幅に広がり、オペレーターはより専門性が求められる高度な対応に集中できるようになります。
音声認識と感情分析による応対品質の向上
AIによる音声認識(Voice Recognition)技術は、オペレーターと顧客の会話をリアルタイムでテキスト化します。テキスト化されたデータは応対内容の要約やコンプライアンスチェックに活用できるだけでなく、さらなる分析の土台となります。
例えばテキストデータと顧客の声のトーンや話す速度などを組み合わせ、顧客の感情(満足、不満、怒りなど)をAIが分析することも可能です。SVは分析結果をもとにフォローが必要な通話を即座に察知したり、オペレーターの応対品質を客観的に評価したりできるようになります。
初めての電話対応ツールはアイブリーがおすすめ
コールセンターシステムの導入を検討しているものの、「オペレーターが3人しかいない…」「大規模コールセンターを作りたいわけじゃない…」とお悩みの方には、AI電話自動応答サービスのアイブリーをおすすめします!

アイブリーなら月額3,480円〜利用でき、スタッフが増えても料金は変わりません。コールセンターシステムだと高機能すぎる、という方におすすめです。
AI自動応答機能でスタッフの負担を削減
アイブリーの電話自動応答機能は、よくある質問には自動で回答できるほか、かかってきた電話にSMSを自動送信したり、重要な電話は担当者へ直接つなぐことも可能です。
音声ガイダンスは、テキストを入力するだけでAIが自動で読み上げてくれるので、どんな企業にもピッタリのガイダンスを手軽に用意することができます。
便利な顧客管理機能(CRM)付き
アイブリーの顧客管理機能(CRM)は、顧客の電話番号と氏名・住所・性別などの個人情報を管理できるほか、電話による問い合わせ履歴なども紐づけて管理できます。
通話しながらメモを残すこともできるので、ひとりひとりの顧客に寄り添ったきめ細かい対応が実現できます。
顧客対応の通話履歴を分析できる
アイブリーならAIを使った通話履歴分析ができるため、どの時間帯にどんな電話が多いのか、などの分析だけでなく、顧客が何を求めているのか、ニーズを把握でき、より顧客が求める商品・サービスの開発に役立てることができます。
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